慣らし保育の目的や期間は?よくある悩みや乗り切るコツも紹介

第116回 みんなが共感!ママのお悩み
保育園の入園後は、慣らし保育期間があるのが一般的です。子どもが保育園に慣れる準備段階として欠かせない制度ですが、期間やスケジュールは決まっているのでしょうか?始めるタイミングや仕事復帰との兼ね合いも知っておきましょう。

慣らし保育とは

慣らし保育とは、「一時的な短時間保育」を指します。小さい子どもが新しい環境に慣れるにはある程度の時間がかかると考え、ストレスや不安をやわらげるのが目的です。

園生活に慣れることが目的

「慣らし保育」は、幼稚園・保育園に入園する子どもが園での生活に慣れるために行われます。通常よりも短時間で切り上げることで「突然親と離れることによるストレスや不安」をやわらげ、徐々に園での生活に慣れさせるのが主な目的です。

慣らし保育の有無は園によって異なり、入園者の希望による「選択制」をとっているところもあります。育児休暇終了の予定が決まっている場合は、事前に確認しておきましょう。

通常、育児休暇中は親が子どもの面倒を見られると判断されますが、慣らし保育期間中は本格的な職場復帰が難しいため柔軟に対応してくれる園もあるようです。

親と保育士にとっても必要

子どものストレス緩和が主な目的となっている慣らし保育ですが、親や保育士にとっても大切な時間です。これから本格的に始まる園生活を子どもが楽しく過ごせるよう、親も準備をしておきましょう。

親の不安が軽減される

自分の子どもがうまく園生活を送れるか、心配な親はたくさんいます。泣いて嫌がるか、すんなり同世代の子どもたちと遊んでくれるかは始めてみないとわかりません。

もし子どもがすぐに園での生活になじめないときでも、準備期間があると安心です。「ゆっくり慣れていけばよい」と気持ちにも余裕をもてるでしょう。

さらに、慣らし保育の期間中は、子どもの様子を見ながら過ごせます。親も子どもと離れる時間に慣れ、スムーズな職場復帰に近づくでしょう。

保育士は子どもの特性を把握できる

本格的な保育が始まる前に、準備期間があると保育士にもメリットが大きいものです。環境の変化に戸惑う子にも気を配りながら、ケアができます。

保護者も余裕をもって参加しているケースが多く、コミュニケーションを取りやすいのも魅力です。家での様子も確認しながら、通常保育に向けて進められます。

最低限の必要事項が書かれた情報だけでなく、直接子どもや保護者と関わることで「個々の特性」を把握できるのです。通常保育に切り替わる前に子どもとの距離を縮められます。

期間とスケジュール

慣らし保育には、ある程度決まった期間やスケジュールがあります。主なパターンを知っておきましょう。どの程度の慣らし保育が想定されるのか知っておくと、職場復帰の相談の際にも役立ちます。

目安は1週間から3週間

慣らし保育の長さは園の方針や子どもの年齢によって、1〜3週間と様々です。長いところでは1カ月とっているケースもあり、基本的には園の方針に従います。

育児休暇の期限が決まっているときは、入園先のルールを確認しておきましょう。園生活に慣れるまでの時間は個人差があります。

1日目から楽しく登園してくれる子もいれば、ずっと不機嫌な子もいるのです。それぞれのケースを想定し、園では慣らし保育の期間を決めています。状況によって延長の可能性もあるため、スケジュールは長くて数週間~1カ月程度と考えておきましょう。

具体的なスケジュール

慣らし保育のスケジュールは、短時間の保育から始まります。最初は1〜2時間で様子を見て、その後に昼食まで、お昼寝までと時間を延ばしていくのが一般的です。

園が設定する慣らし保育の期間によって、短時間保育の日数や進み具合は変化します。数日〜1週間と設定されている場合は、それぞれ1~2日ずつで段階が進むはずです。

1カ月程度かけて慣らし保育を行う場合は、短時間の保育が長く続きます。慣れるまでに時間がかかる子でも、園での生活になじみやすいでしょう。

短時間保育の間は、仕事や家事のスケジュールにも余裕が必要です。子どもの様子によっては延長やズレが出ることも考えて、予定を組んでいきましょう。

慣らし保育を始めるタイミング

慣らし保育は、保護者の希望によって時期を変更できるケースがあります。保育園が早めに決まったときは、育休の残りや通園開始時期に合わせて「育休延長」も検討しましょう。

育休中に行うのが理想的

慣らし保育の間は、想定外のトラブルがよく起こります。子どもが泣いたり離れるのを嫌がったりして、朝の登園がスムーズに行かないこともあるあるです。

育休中なら、多少の時間のロスは余裕をもって対応できます。急なトラブルでも、仕事を気にすることなく子どもを迎えに行けるでしょう。

園によって慣らし保育を行う日程は異なりますが、「プレ登園」のような形で対応できる場合は育休中に終わらせてしまいましょう。

慣らし保育期間中は、育休中で仕事を始めていなくても制度上問題はありません。会社や園と早めに相談し、慣らし保育の期間やスケジュールを決めておきましょう。

育休延長は会社に相談

育休は、会社との相談である程度まで延長できることがあります。厚生労働省による「育児・介護休業法」でも育休の延長は認められていますが、内容は「1歳時と1歳6カ月の時点で保育園に入れなかった場合」に子どもが2歳まで延長を行えるというものです。

地域にもよりますが慣らし保育を理由に延長するのは、難しいのが現状です。ただし、法律以外にも、会社独自で設定しているルールがあります。

会社の規定を超える期間でなければ、延長の相談もできるでしょう。ほかの休暇申請と同様に、おおむね「1カ月以上前」には相談できるように段取りが必要です。

あらかじめ育児休暇終了予定日を園に伝え、慣らし保育の期間や自分の子どもが延長になる可能性を確認しておけば「急に延長になって調節する時間がなかった…」といったトラブルが防げます。

ただし、慣らし保育期間以上に長期で育児休暇を延長する場合は注意しましょう。子どもの面倒を見られると判断され、入園が取り消されるケースもあります。「育児休業等復帰証明書」を提出するなど、園の対応を確認しておきましょう。

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復帰後なら周囲のサポートが必要

保育園がなかなか決まらず、職場復帰と慣らし保育が同時に開始される場合、ママ1人では対応が難しくなります。慣らし保育期間中は、ストレスで子どもの体調が変化したり普段以上にママに甘えたりと、予期しない問題が発生しがちです。

短時間保育でトラブルが起きると、復帰後も有給取得や早退が続く可能性も高いでしょう。ママへの影響を最小限に抑えるには、家族のサポートが欠かせません。

もちろん、職場の理解も必要です。家族のサポートがあっても、突然のトラブルは起こります。復帰後数週間は有給や時間給を取りやすくしてもらうなど、事前に相談しておきましょう。

慣らし保育でよくある悩み

慣らし保育を始めてから、子どもの変化に戸惑うママはたくさんいます。どのケースもよくあるトラブルですが、子どもの様子を見ながらゆっくり保育園に慣れさせていきましょう。

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ずっと泣き続けている

朝の登園時から、園で過ごす時間中ずっと子どもが泣いているとママも心配になってしまいます。環境の変化が不安で泣く子もいますが、慣らし保育が終わっても泣いてしまう子は多いようです。

基本的には慣れると泣く頻度は減りますが、朝の機嫌によってぐずってしまうこともあります。この時期の子どもに限らず、成長しても「学校や会社に行きたくない」と感じる人は多いでしょう。

子どもは素直に「ママと離れたくない」「家でゆっくり過ごしたい」という気持ちを、泣いて表現しています。「慣れていないうちや機嫌が悪いときは泣くのも当たり前」と考えて、様子を見てみましょう。

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夜泣きをするようになった

夜泣きの原因は様々ありますが、慣らし保育を始めたときは子どもも多くの刺激を受けます。「環境の変化によるストレス」も、夜泣きの原因のひとつです。初めて会ったお友だちと楽しく遊んで、気持ちが興奮している可能性もあります。

一時的な夜泣きなら次第に落ち着いてきますが、園での生活は子どもにとって大きな刺激です。通常保育に切り替わった後も、子どもの状態によっては夜泣きが続きます。「子どもが新しい環境で頑張っている証拠」と考えて、落ち着くまで待ってあげましょう。

いきなり体調を崩した

大人でも、旅行や引っ越しなど大きな環境変化があると体調を崩すことがあります。子どもも同じで、新しい環境では大きなストレスがかかるのです。

園での生活は子どもにとってよい刺激になりますが、「最初のうちは体調不良になりやすい」と考えておきましょう。慣らし保育期間中は、体調不良によるお休みも想定して仕事復帰を考えると、ママにとっても無理がありません。

人と触れ合う機会が増える園生活では、多少の体調不良はよくあることです。集団生活は保育園だけでなく小学校・中学校と続くもののため、神経質になりすぎる必要はないでしょう。

慣らし保育を乗り切るコツ

慣らし保育を終えたとき、子どもが楽しく登園してくれるようになればママの負担も減少します。子どもが前向きになれるよう、普段のコミュニケーションにも気を配りましょう。慣らし保育の期間を無理なく乗り切るためには、心構えが重要です。

不安が伝わらないようにする

子どもは、親の気持ちに敏感です。登園時に明るくふるまうと、子どもにも「保育園は楽しい」と前向きな気持ちがわいてきます。

なるべく、「ママと離れるのが怖い」と感じさせないように心がけましょう。「離れたとしてもすぐに戻ってくる」と子どもが信じていれば、数時間の園生活はあっという間です。子どもにつられて悲しい顔をするのはやめて、明るい気持ちで登園しましょう。

保育園で仲よくしている友だちや好きな先生など、子どもが楽しくなる話題を考えておくのもおすすめです。毎日「今日はどうだった?」とニコニコしながら聞いてあげれば、子どもも「園は楽しいところだ」という印象が強く残ります。

家では思いっきり甘えさせる

小さい子どもでも、保育園に行くときは「よそいきの顔」で頑張っています。仕事や学校で疲れるのと同じように、ストレスが溜まることも多いでしょう。

普段頑張っている分、家ではママに甘えたくなるものです。慣らし保育期間中は特に、慣れない環境で子どものストレスも溜まっています。

家にいるときはできるだけ子どもにつきあって、しっかり愛情を与えてあげましょう。オンとオフを切り替えられるようになれば、保育園でも問題なく過ごしていけるはずです。

まとめ

保育園に通い始めれば、フルタイムで働けると期待しているママも多いはずです。しかし、慣らし保育が設けられている場合は、育休延長など会社との相談も必要になるでしょう。

慣らし保育は、子どもだけでなく親や保育士にとっても重要な期間です。保育園に慣れてから本格的に通園できるため、ママが働き始めてからのトラブルも減るでしょう。