娘2人がてんかんを発症して5年。母親の牧ひとみさんが壮絶な過去を激白。

娘2人がてんかんを発症して5年。母親の牧ひとみさんが壮絶な過去を激白。

わたしはてんかんの持病をもった子どもの母親です

突然ですが皆さんは「てんかん」という病気をご存じでしょうか。
突然けいれんを起こし、道ばたで倒れるようなイメージを持たれている方が多いと思います。

わたしは現在、小2と小5の娘の母親で、子ども達はてんかんの持病を持っています。それぞれ2013年の5月と7月に発症し、丸5年が経過しました。

子ども達に当時のことを聞いても、2人とも特に何とも思っていないはずです。

発症当時、子ども達は5歳と2歳。今もなお服薬は続いていますが、発作が抑制されてから3年以上が経過しており、辛い記憶はほとんど残っていないでしょう。

しかし、当事者の家族であるわたしは、ひとつひとつの出来事を今でも鮮明に覚えているし、「たられば」を何度思ったことか。

健康に産んであげられなかった自分を責め続けた時期もありました。

わたしにとっては波瀾万丈な5年間でしたが、当時の気持ちを母親目線で振り返ってみようと思います。

【てんかん育児】てんかんってどんな病気?

てんかんは100人に1人の割合で発症し、誰にでも起こりうる脳の病気で、以下のように定義されています。

「てんかん」はてんかん発作を繰り返す脳の病気で、年齢、性別、人種の関係なく発病します。健康を維持する目的で設立された世界保健機関(WHO)では、てんかんは「脳の慢性疾患」で、脳の神経細胞(「ニューロン」と呼びます)に突然発生する激しい電気的な興奮(「過剰な発射」と表現されています)により繰り返す発作(てんかん発作)を特徴とし、それに様々な臨床症状や検査の異常が伴う、と定義されています。
「てんかん発作」の時の症状は、大脳の電気的な興奮が発生する場所によって様々です。たとえば、いわゆる「けいれん」と呼ばれる手足をガクガクと一定のリズムで曲げ延ばしする間代発作や、手足が突っ張り体を硬くする強直発作、あるいは非常に短時間の意識消失が突然起こる欠神発作、全身や手足が一瞬ピクッとするミオクロニー発作、感覚や感情の変化、特殊な行動などいろいろな症状があらわれる複雑部分発作など、その症状は極めて多彩です。
ただし、発作の症状は患者さんごとにほぼ一定で、同じ発作が繰り返し起こることが、てんかんの特徴です。
(出典:てんかんinfo)

【てんかん育児】娘2人がてんかんを発症した時、わたしが願ったこと

2013年5月20日と、2013年7月31日は、長女と次女がてんかんを発症した日付で、わたしにとって忘れられない大切な日です。
長女は寝起き、次女は就寝時に発作を起こし、いずれも救急車で搬送されました。

長女は、布団の中で口から泡を吹き、チアノーゼの状態で発見されました。

半日程度経つと、意識もはっきり戻りましたが、次女はてんかん重責といって、けいれんが長時間止まらず、生命に危険が及ぶ状態になりました。

ER(救命救急室)に搬送され治療をしましたが、医師から「左半身に麻痺が残るかもしれない」と言われて衝撃を受けたことを今でも鮮明に覚えています。

わたしはどちらの搬送時にもただひとつ、同じことを願いました。
「命だけは助かって欲しい」
幸い2人とも命は助かりましたが、いつまた発作が起きるかわからない状況に、怯える日々が始まりました。

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