●昔の家は湯冷めしやすかったのでお風呂はNG
そもそも、なぜ風邪をひいたらお風呂に入ってはいけないのだろうか? それには昔の住宅環境が影響しているようだ。昔の住宅にはお風呂がなく、近所の銭湯に行くことが多く、風邪をひいた状態で銭湯に行くと、帰り道で湯冷めして症状が悪化してしまったそう。他にも、熱い湯船に浸かることで、体力を消耗して風邪が余計に悪くなる可能性もあったようだ。
●お風呂に浸かり、血行をよくすることで風邪の治りを早くする
現在の住宅には、お風呂がある家が多いのでお風呂上りに湯冷めする心配も少ないだろう。また、湯船の温度も自分で調整できるので、風邪を治すためにはお風呂に浸かったほうがいいと言われている。体力の消耗を抑えるために、ぬるめの湯船に浸かり、体の新陳代謝をあげることが風邪を早く治すのに効果的なのだとか。
ただし、前述の通り湯冷めには気をつけなければならない。入浴は20分ほどにして、お風呂から上がったらすぐに体を拭き、髪の毛を完全に乾かす必要がある。また、入浴後は体内の水分が減少しているので、水分補給を忘れずに。
●高熱が出ている場合または小さな子の入浴は控える
さて、最近では風邪ひいたら湯船に浸かって早く治すことが、徐々に浸透していることはわかったが、これは症状の軽い大人の場合。風邪がひどく、高熱や嘔吐、下痢などの症状がある場合、お風呂は控えたほうがいいそう。また、赤ちゃんや小さい子の場合は、大人ほど体力がなく、湯船に浸かることで体力が奪われやすいので入浴はNG。こういった場合は、従来の通り、お風呂に入らずに風邪を治すように心がけよう。
風邪の治し方は、スポーツ飲料のガブ飲みや漢方薬、たくさんの睡眠など、さまざまな方法が存在するので、自分に合った方法で治すことがベストだろう。
(文・奈古善晴/考務店)
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