「実は、ちょっとぐらいだらしなくても、夫はそんなに気づいていないものです。むしろ、夫は妻の上から目線の発言や行動に対し、嫌な気持ちを抱くことが多いです」
こう話すのは、夫婦カウンセラーの菅絹子さん。働いている女性もそうだが、生活を背負っている男性は毎日仕事でつらい思いをすることも。妻には味方でいてほしいのに、帰ってくるなり文句を言われてしまったら、女性らしさを感じないどころか怖い存在になり、家を避けることもあるそうだ。
「負けず嫌いで、勉強も仕事も頑張ってこられた奥さまほど、男性に負けたくないという思いがあります。それを家庭でも旦那さまに向けてしまっている方も…。たとえ負けたくない気持ちが少なからずあったとしても、家庭では、演技でも男性を立てておくのが、スマートな女性です」
●夫が望む女性らしい妻とは
帰ってきて、妻が顔も見ずに不機嫌そうにしていると、「自分は愛されていない」と夫は思ってしまう。反対に、パートナーをよく見ていて、ちょっとした体調の変化や疲れに気づき、ちょっとした気遣いをしてあげると、妻のなかに優しさを見出し、居心地の良さを感じるそうだ。
理解するどころか夫の気持ちが分からず、夫がただ疲れて帰って来ただけなのに、「帰ってきたときに無視された」「最近、自分に冷たい」と妻が勘違いしていることもある。
「会社で嫌なことがあったり、疲れていたりするだけなのに、奥さまは自分のことが気に入らないんだと思っていることがあります。その原因として、パートナーの表情を日頃から見ていないことが考えられます。普段から相手の顔を見ておくと、『今日は疲れているんだな』などと気づけますし、パートナーが喜ぶことや、どんなことがNGなのかも知ることができますよね」
●妻の態度が高圧的だと、セックスレスになることも
精神的に男性の方がデリケートなため、妻が怖いと思っていると当然その気にもならないそうだ。
「ある男性の相談で『いつもきつい言われ方をしているのに、夜にいきなり抱けないですよね』と言われたことがあります。文句ばかりでいつも怒っているようだと、妻が怖くてセックスができなくなることがあります」
高圧的な態度のほか、夫を子ども扱いする母親のような存在になってしまうと、セックスレスにつながるそうだ。
男性は家庭に癒しを求めている。妻に望む女性らしさとは、見た目よりも気遣いやちょっとした優しさだったりするのだ。
(ノオト+石水典子)