サイレントベビーって、どんな赤ちゃん?

第1回 笑わない、泣かない…サイレントベビーって?
「赤ちゃんは泣くのが仕事」といわれるが、あまり泣かない赤ちゃんもいる。そう聞くと、親からすれば手のかからないいい子のような気もするが、何か問題はあるのだろうか? 子育て本作家・講演家の立石美津子さんに話を伺った。

「あまり泣かず、笑わず、無表情でいることの多い赤ちゃんのことを『サイレントベビー』といいます。近年少しずつ増えているといわれており『うちの子はあまり手がかからなくて助かるわ』なんて思っていたら、実はサイレントベビーだった、というケースも少なくありません」(立石さん 以下同)

そして、サイレントベビーのまま成長してしまうと、さまざまな問題を引き起こす危険性があるそう。

「言葉を話す時期を迎えても発語に遅れが出ることがある、幼稚園や小学校に入園・入学しても社会性が身につかず、周囲とのコミュニケーションが取れなくて問題行動を起こす可能性も高くなるといわれています」

泣く赤ちゃん

●極端に泣かない、笑わない場合は専門家の指示を仰ごう

立石さんによると、下記のチェックリストに数多く当てはまる場合「サイレントベビー」である可能性があるそうだ。

<サイレントベビーのチェックリスト>
□お腹が空いたり、おむつが濡れたりしていても泣かない
□あやしても笑ったりすることが少ない
□体の動作が少なく、じっとしていることが多い
□喜怒哀楽の表現がなく、全体的に表情に乏しい
□人の目をあまり見ず、視線を合わせない
□長時間周囲に人がいなくても不安がらずじっとしている

「赤ちゃんの性格には個人差があり、また自閉症などの発達障害の可能性も考えられるため、チェックリストに該当するからといって安易に判断を下すことは望ましくありません。ただ、赤ちゃんは泣くことでコミュニケーションをとるため、極端に泣かない赤ちゃんは、何らかの問題を抱えている可能性を考える必要があるでしょう」

「サイレントベビー」の兆候が表れてくるのは生後3カ月程度から。素人判断は危険だが、赤ちゃんがほとんど泣かない、笑わない場合はしっかり観察し、必要に応じて専門家に相談することも視野に入れよう。
(北東由宇+ノオト)

お話をお聞きした人

立石美津子
立石美津子
子育て本作家・講演家
幼稚園・小学校向け課外教室「エンピツらんど」の創業者。現在も0歳~小学校低学年の子ども達と触れ合いながら執筆、講演活動に奔走。自らは自閉症児を育てる母親。
幼稚園・小学校向け課外教室「エンピツらんど」の創業者。現在も0歳~小学校低学年の子ども達と触れ合いながら執筆、講演活動に奔走。自らは自閉症児を育てる母親。