「赤ちゃんは自分の欲求や要望を泣いて伝えます。親に対して『お腹がすいた』『おむつが濡れている』と泣いて訴えても、無視されることが続くと『泣いても意味がないんだ』と諦め、次第に泣かない赤ちゃんになります。これがサイレントベビーを生み出す原因です」(立石さん 以下同)
「サイレントベビー」になってしまう原因は、ズバリ「親の無関心」。スマホやゲーム、電話に夢中になって泣いている赤ちゃんを放置することが続くと、赤ちゃんは泣いても無駄であることを本能で悟るのだ。
「私はネグレクト(育児放棄)の一種であると思います。食事を与えたり、おむつを変えたりと、生きるために最低限の世話をすることだけが育児ではありません。子どもの訴えに保護者がしっかりと応えて、コミュニケーションを取ることで親子の絆が深まって子どもの情緒は安定し、健やかな発育につながるのです」
●赤ちゃんが“泣かない=いい子”は勘違い!
徐々に泣かなくなる赤ちゃんに対して「いい子になった。静かになってくれたんだ」と勘違いするサイレントベビーのママは少なくない。ママにとって都合が良くても、それは問題の根を深くするに過ぎない。
「サイレントベビーをそのまま放置すると、特に2歳ごろから、おとなしく、自己主張のない子どもに育っていくケースが見受けられます。周りに合わせる性格になるので周囲から見ると“いい子”に見えますが、心には抑圧された闇を抱えています。成長に伴って将来的に自傷行為を起こしたり、攻撃的な性格になって周囲と問題を起こしたり、社会性が育たずに引きこもりになる可能性も考えられます」
赤ちゃんは泣くことでコミュニケーションを取るもの。「うちの子、泣かないし、めったに笑わないな」と思い当たる節のあるママは、子どもに関心を持って育児に望んでいるか、今一度振り返ってみてはいかがだろうか。
(北東由宇+ノオト)