サイレントベビーにさせない育児って?

第3回 笑わない、泣かない…サイレントベビーって?
発育にさまざまな問題を引き起こす、泣かない赤ちゃん「サイレントベビー」。予防するためにはどのような育児を心がけることが重要なのか。子育て本作家・講演家の立石美津子さんに話を伺った。

「赤ちゃんが泣いていたら、まずは抱っこしてあげましょう。そしてお腹が空いているのか、おむつを替えて欲しいのかなどを判断します。とにかく『泣いたら抱っこ』を頭に入れておけばOKです」(立石さん 以下同)

ひと昔前までは、赤ちゃんが泣いてすぐ抱っこをすると「抱き癖がつく」といわれていたが、現在はそのような解釈は一般的ではないそう。とにかく赤ちゃんが安心して過ごせる環境を整えてあげることが一番だという。

「しつけとしての過保護や過干渉を気にするのは、1歳半以降で大丈夫です。それまでは、赤ちゃんの気が済むまで積極的にスキンシップをとり、黙っておむつ替えをするのではなく、話しかけてコミュニケーションをとりましょう。言葉が理解できなくても、ママに話しかけられると赤ちゃんはとても安心します」

この時期に安心して過ごした子どもは情緒が安定し、親の姿が見えなくても必要以上に不安になったりせず、かえって親離れがスムーズにできるようになる。

赤ちゃんとお母さんの手

●サイレントベビーの兆候が見られたら、どうすれば?

では、自分の子どもに、すでにサイレントベビーの兆候がみられる場合はどのように対処すればよいのだろうか。

「子どもが泣かない、笑わないことに気づいてからでも遅くないので、たっぷり愛情をかけてかまってあげましょう。根気よく抱っこして話しかけているうちに、元の赤ちゃんらしい子どもに戻る可能性が高いです。また、子どもに対して無関心なママ、育児への優先度が低いママは、自身が子供時代にネグレクトを受けていたケースも多々あります」

さらに、ママ自身が育児ノイローゼに陥っている可能性もある。子どもとの接し方に悩んだら、専門家に相談することも視野に入れておこう。

現代は、共働きで、なかなか育児に時間がとれないママも多い。無理のない範囲で、赤ちゃんとスキンシップをとり、たくさん話しかけてあげることで、親子の絆を深め、信頼関係を築いていけるのでぜひ意識してほしい。
(北東由宇+ノオト)

お話をお聞きした人

立石美津子
立石美津子
子育て本作家・講演家
幼稚園・小学校向け課外教室「エンピツらんど」の創業者。現在も0歳~小学校低学年の子ども達と触れ合いながら執筆、講演活動に奔走。自らは自閉症児を育てる母親。
幼稚園・小学校向け課外教室「エンピツらんど」の創業者。現在も0歳~小学校低学年の子ども達と触れ合いながら執筆、講演活動に奔走。自らは自閉症児を育てる母親。