お盆玉ってなに?

お盆玉を子どものころに受け取ったことがない人や、存在自体をよく知らない人は多いかもしれません。お盆玉が誕生した理由や、どこの地域の風習なのか見ていきましょう。
いつから始まったの?
お盆玉は、ごく最近になって誕生したものだと思っている人が多いでしょう。しかし、実は古くからある風習が形を変えて受け継がれてきたものです。
諸説ありますが、江戸時代の「お盆小遣い」という風習が元になったといわれています。当時、商家では奉公に出された子どもたちが多く働いていました。
その子どもたちがお盆に帰省する際に、商家からもらっていたのがお盆小遣いです。賃金とは別に雇用主からの気持ちとして渡されていたのでしょう。お盆小遣いを与えるようになった当初は、奉公人に着物や下駄などの品物を与えていました。
それがいつのまにか、子どもや使用人に対し現金を与える風習へと変化したのです。
どこの地域の風習?
お盆玉は、どの地域でも同じように行われている習慣なわけではありません。お盆小遣いが始まったのは「山形県や青森県など東北の一部地域」といわれています。お盆小遣いの起源と同じで、生まれた地域は諸説あります。
昭和初期ごろまでお盆小遣いの風習がありましたが、お盆玉という言葉が生まれたのは近年になってからのことです。それまでは地域限定の文化だったものが、だんだんと全国的に認知されるようになってきました。
お盆玉用ポチ袋の販売で認知度アップ
お盆玉が全国的に知られるようになったきっかけは、ご祝儀袋の製造や販売を行っている企業が、お盆玉専用ポチ袋を発売したことです。
販売を開始した当初は売れ行きが悪く、あまり存在を知られていませんでしたが、全国各地の郵便局で取り扱いを開始するようになってから、認知度がアップし始めました。
今まで、お盆玉のことを知らなかったという人も、ポチ袋をきっかけにお金を用意するようになったのです。
お盆玉を渡している人の割合

お盆玉の認知度は上がってきており、お年玉のように全国的に一般化する日もそう遠くないかもしれません。実際に、どれくらいお盆玉が取り入れられているのか、気になる割合を見ていきましょう。
まだまだ低い?
三井住友カード株式会社が2018年に報告した調査結果によると、何らかの形でお盆玉をもらっている子どもの割合は「約37%」となっています。3人に1人の子どもがもらっていると思うと、「意外と多い」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、地域によってバラつきが大きいのが現状です。東日本・中部地方・近畿地方などの一部の地域では渡している家庭もありますが、それ以外の地域では、まだ決して多くないと思っていてよいでしょう。
参考:「夏にもお年玉!?お盆玉に関する親子意識調査実施」|三井住友カード株式会社
参考:ソニー損保、「お盆の帰省に関する調査(2017年)」 | リサーチレポート | トピックス | 自動車保険ならソニー損保におまかせ!
迷惑という本音も
日ごろ、なかなか会えない子どもや孫にお盆玉をあげたいと願う人がいる一方で、家計にかかわることなので迷惑だと考える人もいます。多くの親戚がいる場合、すべてにお盆玉をあげるとなると出費は大きくなるでしょう。
一度あげ始めると翌年はあげないというわけにはいかず、毎年帰省のたびに多額の金銭の用意が必要になります。積もり積もれば、家計に「大きな負担」を与えることになるのです。
