●クセが気になるのは愛情が欠如している証拠?
椎名さんによると、夫の所作を気持ち悪いと感じるのは、夫への“愛情の冷め度合い”に比例しているとのこと。
「食べ方の汚さやクチャクチャ音を立てて食べる、酔っ払って帰ってくるとお風呂に入らないといった、夫の態度や衛生面についての嫌悪感について、私のところに相談にこられる女性は実際にいらっしゃいます。それらは愛情があった新婚時代はカワイイと思えていたことなのに、長年一緒にいると不満に変わってくることがほとんど。つまり、愛情が冷めてきた結果、クセが気になってくると言えるのかもしれません」(椎名さん、以下同)
とはいえ、昔のように愛情をもって接しようにも、気持ち悪いと感じるクセがあるとなかなか難しいもの。卵が先かニワトリが先かのような話ですが、妻としてはまず夫にキモいクセを改めてもらいたいところです。
「それには妻が直接指摘することが必要ですが、『みっともないからやめて』と言ってしまうと、『私にとって、みっともない』ということなので、相手は侮辱されたような気がしてしまいます。夫の自尊心を傷つけないように、たとえば『いつも素敵なのにそんな食べ方したら幻滅しちゃうよ?』など、相手をきちんと評価しているという姿勢をみせることが大事です」
●アブノーマルな性癖が夫婦の亀裂に?
では、夫からアブノーマルな性行為を求められたときは、どうすればいいのでしょうか?
「アブノーマルかどうかというのは、はっきりとした定義はありません。ただ、夫からモノのように扱われ、体をいたわらない性行為を求められることで、精神的に病むこともあります。そうした場合、夫婦の間に亀裂が入り離婚するケースも少なくありません。嫌なものは嫌と主張するべきだと思います」
また、アブノーマルな性行為に嫌悪感を覚えるのは、普段のコミュニケーションが足りていないことが原因の場合が多いといいます。
「性行為というのはコミュニケーションの延長です。普段から夫婦間でしっかりコミュニケーションができていれば、アブノーマルなことを求められても、『してみたい』『したくない』の主張もきちんとできます。それができないのは、夫婦間に心の距離があるから。アブノーマルな性行為の前に、ゆっくり食事をするとか、ソファに座って手を触るなど、日常の些細なコミュニケーションをしっかりはかるべき。そうしたプロセスがないまま、いきなり性行為にだけ積極的になられると、妻は切ない気持ちになりますよね。一度コミュニケーションの段階から修復していく、スキンシップをする。性行為はその延長にあるのです」
気持ちが悪いと感じるクセがあるときは、今一度夫婦間のコミュニケーションを見直した方がいいのかもしれません。
(構成・文:末吉陽子/やじろべえ)