「ひきこもり主婦」からの脱出法!

第3回 「ひきこもり主婦」が増えている?
家族以外との関係性が全くなくなり、孤立状態にある「ひきこもり主婦」。

他者と交流する気になれないという人の場合、その状況を脱するにはどうしたら良いのか。『大人のひきこもり』(講談社)著者でジャーナリストの池上正樹さんに聞いた。

「家族以外との関係性を持たないひきこもり主婦の場合、家庭のなかでも実は本音を言えなかったり、煮詰まったりしている可能性があります。その状況を変えるためには、家庭以外の居場所、逃げ道を作ることが大切です」

本当のことを言える相手、受け止めてくれる相手がいるかどうかが重要であり、「茶飲み友だち」などがいるだけでも良いという。

でも、ママ友などとの付き合いが煩わしく、ひきこもりになってしまった場合にはどうしたら?

「SNSやゲームだけが、人とのつながりになっている人もいます。そこからリアルな関係ができてくる人もいます。ネット上の付き合いには否定的な人が多いですが、もし本当に孤立しているのなら、それが心の支えになることもあるのです」

●気持ちを共有できる相手をまず探すこと!

一般的に、ひきこもり当事者が、支援団体などに相談すると、実績を上げるために「就労」を押し付けられることもあるそう。その場合、「とりあえず職場に放り込まれる→頑張ろうとして傷つく→疲れてやめる」というパターンも多いのだとか。

「ひきこもり状態にある人にとってのゴールは『就労』だけじゃありません。『理解してもらえること』『承認してもらえること』で勇気や希望を持てるようになることが大切なのです」

結婚・出産により、「夫の所有物」状態になってしまった人は、「自分の人生、何だったんだろう」と思うこともあるかもしれない。それが職場で活躍していた人などであれば、なおさらだ。

「余裕があるなら、編集やライター、カウンセラーなどのスクールに通ったり、勉強会に行ったりするのも良いでしょう。名刺を作って、自分でやりたいことの任意団体を立ち上げるのも良いと思います」

とはいえ、外に出て行くのが怖い、億っくうだと思う人は多いかも。その場合、どうしたら?

「ネットで自分の置かれた状況や気持ちをキーワード検索したり、情報誌や新聞などで探したりするのも良いでしょう。身近な地域やアクセスの良いところで、同じような状況の人が集う自助的コミュニティがあれば、そこに参加してみるのもオススメです」

気持ちを共有できる相手を身の周りで、あるいはネット上で探してみるだけでも、新しい一歩が踏み出せるかも。
(田幸和歌子+ノオト)

お話をお聞きした人

池上正樹
ジャーナリスト
大学卒業後、通信社などの勤務を経てフリーのジャーナリストに。厚労省の全国KHJ家族会連合会事業委員、東京都町田市ひきこもり専門部会委員なども務める。
大学卒業後、通信社などの勤務を経てフリーのジャーナリストに。厚労省の全国KHJ家族会連合会事業委員、東京都町田市ひきこもり専門部会委員なども務める。