初期に見られがちな主な特徴を、淀屋橋心理療法センター所長で医師の福田俊一先生は以下に挙げてくれた。
●摂食障害初期の特徴
□拒食症の場合、あれこれ言い訳しつつ痩せてくる。痩せているのに「ここ(部分)は太っている」などと言う。
□周りの人に食べさせようとする(周囲が太ってくれると、相対的に自分が痩せていると思いやすいから)。
□摂食障害であることを周囲に隠したいため、人前では食べてみせ、直後にトイレに行きすべて吐くといった行動をとる場合もある。
□食事をしているところを他人に見られるのを嫌がり、食べて吐くことができないために、友だちなどとの食事に参加できず、悩むこともある。
□体重を減らそうとして運動をするなどの過活動が見られる。
□抑うつ気味で、自己評価が低い。
上記のうち1つでも見られる場合には、注意が必要だそう。
「拒食症で子どもがどんどん痩せてしまうと、親はあの手この手でなんとか食べさせようとします。そんななか、2のような状況で『お母さんが食べてくれなければ、私も食べない』などと子どもが泣き叫び、母親が20キロも太らされたというケースもあります」(福田先生)
また、摂食障害で「自分の思うとおりにならない自分」を完璧にコントロールしようとする気持ちの背後には、慢性的な不安があり、基本的に強迫的な性格を持つ傾向があるそうだ。
●治療の目安は、平均体重の80%以下
では、医療機関やカウンセリングなどを受けるべき目安とは?
「治療の目安は、やはり体重です。身長と体重から割り出した平均体重の80%以下の場合は、専門の機関に相談したほうが良いでしょう」
いざ治療を開始することになると、病院では入院治療となる場合が多く、「〇kgになるまで外出禁止」「△kgになったら親に会える」などの目標設定が行われたりすることも多いそう。
また、家庭では「体重が〇kgを切ってしまったら入院になってしまうから、そうならないように頑張ろう」と声をかけることもよく行われるという。
「普段から親子で日常生活のなかで『楽しかった』『ショックだった』『ムカついた』など、いろんなチャンネルで話ができていると、子どもの変化を察知しやすい傾向はあります」
子どものSOSに気づくためには、親子関係の風通しの良さも大切。「問題のない子」としてストレスを抱えていないか、日頃から親子で「雑談」することも必要かも。
(田幸和歌子+ノオト)