子煩悩の意味とは?
子煩悩は良い意味で使われることが多い言葉です。子どもに関することだとは分かっても、どんな状態のことなのか、いまいちよく分からない人もいるでしょう。詳しい意味やイクメンとの違いを解説します。
自分の子どもをかわいがること
子煩悩は「子」と「煩悩」を組み合わせた言葉で、子はそのまま子どもの意味です。煩悩は仏教用語で、人を惑わす欲望を意味し「子どものことが気がかりで、冷静でいられない様子」が語源とされます。
子どもが大事で、よくかわいがる様子を表して使うことが一般的です。女性よりも男性に対して使われることが多く「子煩悩なパパで、うらやましいわ」というように褒め言葉として使われることが多いでしょう。
気分に応じて子どもをかわいがる場合、子煩悩とはいいません。子どもに関心があって、一緒に過ごす機会を積極的に求めるパパを、子煩悩と呼ぶのです。
イクメンとどう違う?
イクメンは、子煩悩と似たような意味がある言葉です。「積極的に育児をする男性」を指して使われています。子煩悩よりも新しい言葉なので、聞いたことがある人も多いでしょう。
子どもと遊ぶだけでなく、おむつ換えや洗濯など、母親とほぼ変わりなく育児をこなす場合に使われることが大半です。母親が不在時も、問題なく子どもの世話ができるような男性を指して使われます。
頼まれたことだけ、渋々こなしているという場合はあてはまらず「育児に自主的に関わる姿勢」がないと、イクメンとは呼ばれづらいでしょう。
うらやましい!子煩悩な父親の特徴
子煩悩な父親がいる家庭は、そうでない父親がいる家庭から見ると「うらやましい」と感じさせることが多いでしょう。具体的に、どんな特徴があるのか紹介します。
家族を大切にしている
子煩悩な父親は家族と一緒に過ごす時間が好きで、家族を大切にします。子どもだけをかわいがるのではなく、妻や両親などにも優しく接する特徴があるでしょう。
家族のためになることであれば、何でもやってあげたいと感じ、実際に行動できるタイプの人が少なくありません。家族の誕生日や記念日なども積極的に祝おうとしますし、休日に家族とどうやって過ごすかを楽しみにしています。
妻や子どもたちの存在を心の支えにしているので、待ち受け画面を子どもの写真にしたり、仕事場のデスクに家族の写真を飾ったりしているのも子煩悩な父親あるあるです。
仕事後も子どもとの時間を作る
家族を困らせないように、仕事をきっちりとこなす一面がありながら、仕事を終えたら「なるべくはやく家に帰りたい」と思っている男性も、子煩悩なタイプにあてはまります。
家で家族と過ごす何気ない時間が好きで、日中の仕事の疲れを子どもの笑顔で癒したいと思っているのです。職場での付き合いをほどほどにし、できれば二次会などには参加したくないと思う人もいます。
帰宅後に子どもが寝ていると残念に感じ、一緒に過ごす時間を増やすために「明日はもっとはやく帰ろう」と自然に思えることが特徴です。
疲れていても子どもと遊んだり、お風呂に入れたりする時間を楽しもうとします。時間を作れなかった場合は、妻に日中の出来事を聞くなどして、様子を知りたがるでしょう。
家事や育児に積極的
子煩悩な人は自分の手が空いているときに、家事や育児などに積極的に関わろうとしてくる特徴があります。予定のない休日は、妻は夫からの「何か手伝おうか?」という言葉を頻繁に聞くでしょう。
手伝う内容も多岐にわたり、子どもと遊ぶだけでなく買い物や掃除なども、積極的に担当することが少なくありません。何かをしてほしいと頼んだときは、嫌な素振りを見せずに行動してくれます。
頼まれないときでも、家庭で困っていることがないか積極的に知りたがり、対応しようとするでしょう。家族が喜ぶ顔を見たい一心で、ついつい頑張ってしまうのです。
どんな男性が子煩悩になる?
誰もが子煩悩な父親になるわけではなく、生まれ持った性格や、育った環境などによるところも大きいといえます。どんなタイプの人が子煩悩になりやすいのか、見ていきましょう。
子どもが好き
自分の子どもだけがかわいいのではなく、ほかの家の子でも親切に接する男性は子煩悩になりやすいといえます。そもそも、「子どもと関わること」が得意だったり、好きだったりする性格の持ち主の場合が多いでしょう。
よくあるのが、年の離れた弟や妹がいて、一緒に遊んだり、独身時代から友人の子どもを構ったりすることが好きというパターンです。小さな子への接し方が分かっていて、周囲から信頼される特徴もあります。
生来の資質である場合、自分の子どもが誕生したことをきっかけに子どもと関わる機会が増え、子どもと過ごす時間が好きであると自覚するケースもあるでしょう。
面倒見がいい
人の面倒を見ることが好きなタイプの男性も、子煩悩になりやすく、自然と子どもの世話を焼いていることが少なくありません。職場の同僚や部下などに対しても面倒見が良く、信頼されているでしょう。
人と関わるのが苦痛だと感じる人よりも、困っている人を見ると積極的に何かしてあげたいと感じる人の方が、子煩悩になりやすいといえます。
自分よりもずっと年下の子どもの面倒を見ることは、あたりまえだと自然に思える性格なので、嫌がらずに世話ができるのです。
責任感がある
責任感がある男性は子どもに対し、きちんと接しようとします。無責任な人は気分が乗ったときしか遊ばなかったり、約束を破ったりするでしょう。
子煩悩な人は単に優しく接するだけでなく、子どもに正しい知識を教えようとしたり、間違っていることを正したりもします。甘やかすばかりではなく、健やかに成長できるように考えて、行動することが少なくありません。
子どもの世話は、責任感が備わっていないとできないことです。「子どもを守ろうとする責任感」が、子煩悩な様子につながっていくと考えられます。
子煩悩な父親が家庭に与える影響って?
父親が子育てに関心を持っていた方が、そうでない場合よりも子どもの教育に良さそうと感じる人は多いはずです。子煩悩な父親がいる家庭は、そうでない家庭に比べてどんな影響があるのか見ていきましょう。
家族が仲良く過ごせる
子煩悩な父親がいる家庭は、家族全員の仲が良く「温かい雰囲気」に包まれています。家事や育児を手伝ってくれるので、父親と子どもの仲が良いだけでなく夫婦仲も良好です。
子育ての悩みを夫に打ち明けやすい雰囲気だと母親のストレスが減り、子どもと母親の関係が良くなるでしょう。家族と濃密な時間を過ごせる父親は、妻子への理解が深く、家族がより楽しめるような提案ができます。
子どもは、父親と一緒に過ごす時間が大好きになり、休日が待ち遠しくなるでしょう。家族で出かける機会も多く、たくさんの思い出を共有できるはずです。
精神的な支えになる
父親は経済的な大黒柱として、頼りにされることが多い存在です。それだけで尊敬の対象になるはずですが、子煩悩な父親は家庭内のことにも意識が向くので、精神的な支えにもなります。
母親だけでは対応が難しい問題に対し、積極的に関わって解決してくれるところを見た子どもは、頼りがいがある父親と感じ「尊敬の気持ち」にもつながるでしょう。
子どもが小さいころに抱いた気持ちは、大人になってからも家族関係に影響していきます。子煩悩な父親は年齢を重ねても、家族みんなに愛され必要とされる存在になるのです。
子煩悩な父親にする方法を紹介
「父親が子どもに関心を抱いてくれない」と、不安を感じる母親は多いでしょう。何とかしたいと感じるなら、試してみたい方法があります。子煩悩な父親になってもらう方法を見ていきましょう。
子どもと父親の時間を増やす
子どもへの関心が薄い父親を、無理をして子育てに関わらせようとしても、うまくいきません。「子どもを抱っこしてもらう」「一緒にDVDを見る」など、簡単に関われることから始めましょう。
人によって得意分野が違うので、父親が挑戦しやすいことから始めてもらって構いません。子どもと過ごすことに慣れてきたら、一緒に楽しめる趣味や遊びに挑戦すると、自然と一緒の時間を過ごしやすいでしょう。
子どもの習い事を、父親の関心が深いものにすれば、一緒に過ごす時間を増やすきっかけになります。どちらか一方だけが楽しい状態だとうまくいかないので、双方が楽しめることを探すのがポイントです。
成長する過程の共有を
夫婦の他愛のない会話のなかで、子どもの様子を伝えて共有することもおすすめです。仕事が忙しい父親は、積極的に育児に関わりたくても関われないことがあります。
仕事をセーブすることを求められる母親に比べ、父親が子どもと一緒に過ごす時間は一般的に少ないでしょう。成長する過程を直接目にできない場合は、子育てに対して喜びを感じにくい状況になっています。
関心はあっても「子どもの情報」がないと、どのように接したらよいか分からなくなってしまいます。子どもができるようになったことや、挑戦しようとしたことなど、写真や動画などに撮っておいて見せるようにしましょう。
小さなことにも感謝を
家事や育児をしてもらったら、どんなに小さなことでも感謝する癖をつけましょう。ゴミ出しや電池の交換など、やってもらってあたりまえではなく、どんなに助かっているかを伝えるようにすることが大事です。
最初は「そんな、おおげさな」という反応をされるかもしれませんが、内心では「こんな小さなことで喜んでくれるなら、もっと手伝おう」と感じます。
もし、頼んだことがうまくいかなかったときでも、一方的に責めるのはやめましょう。よく話を聞き、必要なアドバイスを与えるようにすれば人は成長します。育児と同じように、夫も褒めて伸ばすことがおすすめです。
まとめ
子煩悩な父親は、子どもと一緒に過ごす時間を楽しみにしています。子どもだけでなく家族を大切にし、はやく帰宅しようとするので、夫婦仲も良好である場合が多いでしょう。
父親が率先して家庭内のことを手伝う様子を見て、子どもたちは頼りがいがあるという印象を抱きます。子どもは父親に尊敬の念を抱き、成長してからもずっと仲が良くいられるはずです。
生まれ持った性格に左右される部分もありますが、子どもと接する時間を増やしたり、簡単にできることをお願いしたりと、工夫次第で少しずつ変わってくれるでしょう。
子どもと関わろうとしないことを責めると、逆効果になってしまいます。褒めて伸ばすようにした方が、家庭内のことに関心を抱きやすくなり、子煩悩な父親になってくれるでしょう。