目が疲れる!疲れ目の原因とは
眼球は、6本の外眼筋と総称される筋肉で支えられています。長時間近くばかりを見続けている場合や、パソコンなど上下のスクロールに対応した目の動きが続くと、外眼筋そのものが疲れてしまいます。いわゆる「肩こり」のような症状が目の周りの筋肉でも起こっている状態だととらえましょう。
また、ものを立体的にとらえたり、遠近感をとらえたりするレンズの機能を持つ「水晶体」も毛様体と呼ばれる筋肉の働きによってピントを合わせています。ピントを合わせる働きをする筋肉も、近くを見続ける・視点をほぼ動かさないという動作が続けば疲れがたまってしまいます。それどころか、筋肉が凝り固まった状態が続けば、機能の低下につながってしまうことも。
「近くを見ると目がかすむ」「本を離して読むようになった」「遠くが見えにくい」という症状がまさしくそれ。学生は「仮性近視」「仮性遠視」と診断されることもあるようです。目が疲れた状態が続くことで、近視や遠視に発展することがほとんどです。また、年齢を重ねた方であれば、老眼と診断されることもあります。
このほかの原因は?
疲れ目(筋肉疲労)を引き起こす原因として、メガネやコンタクトレンズが合わない、乱視などの屈折異常があるというようなことも考えられます。また、ドライアイなどの目の渇きが強いときも目の疲れを引き起こすことがあります。
疲れ目を解消する方法
毎日目を酷使していると、どうしても慢性的な疲れ目を呼んでしまいます。この状態が続けば、頭痛や肩こりといった生活のクオリティを低下させてしまう体の症状を引き起こしてしまうことも多くの方がご存知のことでしょう。普段の生活で「目を酷使した」という自覚があれば、疲れ目を解消する方法を実践してみましょう。
(1)蒸しタオルでホットパック
凝り固まった筋肉をほぐすための第一段階として、蒸しタオルのホットパックをおすすめします。蒸気で目の周りの血行を促し、水分を含んだタオルの重さで目を支える筋肉の緊張を緩和していきます。ただし、充血している場合のホットパックは控えて下さい。
(2)簡単な目の体操
ずっと同じところを見続けているという方が、定期的に目を支える筋肉をほぐすための体操をすることで、凝りがたまることを防げます。瞼を強く閉じたのちにパッと見開く、黒目をゆっくり上下左右に動かすというように眼球を意識して動かす体操を行いましょう。また、パソコンのディスプレイをずっと眺めていると、まばたきを忘れてしまうことも。瞬きを何度か繰り返してみることも一案です。
(3)時折遠くを眺める。
水晶体を動かす毛様体をリラックスさせて疲れ目を解消する方法もあります。パソコン仕事を一定時間続けたら、なるべく遠くのもの(空や外に見えるビルなど)に視点を移してぼんやりと眺めます。次は、「近くのものを30秒、遠くのものを5分間」の動きを2~3回繰り返します。パソコンでの仕事が多い方は1~2時間に1度遠くを眺めてみてくださいね。
疲れ目の対策・予防方法は?
普段から「疲れ目知らず」の状態を作っておきたいものです。セルフでできる疲れ目対策の方法がありますので、日ごろから実践していきましょう。
(1)食生活の改善
疲れをとる効果があるビタミンB1や、視覚の暗順応を正常化させる働きがあるビタミンA群、体の代謝を高める酢などを意識的に摂取していきましょう。豚肉や緑黄色野菜、乳製品などは一日の食卓の中で意図的に食べていきたいですね。
(2)生活習慣の改善
1日24時間の中で、睡眠時間はどのくらい確保できていますか?「睡眠時間=目を休ませる時間」とも言えます。起きている時間は常に目から情報を取り入れているため、目を酷使していることにつながります。そのため、少しでも目を閉じて目から取り込む情報を遮断する時間を作りましょう。睡眠時間の確保はこの理由から来ています。生活習慣を改善することで、睡眠時間の確保ばかりではなく、食生活も整っていきます。
(3)パソコンやスマホのブルーライト対策
パソコンやスマホが発するブルーライト。可視光線の中では波長が短く散乱しやすい特徴があるので、ブルーライトが強ければ、網膜の手前でピントを結んでしまうデメリットが生まれます。ピントを調節するために筋肉や水晶体が絶えずピントを結ぶべく仕事をし続けるため、疲れ目を引き起こしやすくなります。
このブルーライトを避けるためにブルーライトカットフィルターやブルーライトカットメガネなどを利用すると、目に負担がかかりにくくなります。
目をいたわって、毎日を豊かに過ごしましょう
パソコンやスマホは私たちの生活に欠かせないものとなっています。けれど、使えば使うほど目を酷使してしまうというデメリットにもつながります。睡眠時間の確保はもちろん目を酷使せず、疲れ目を緩和させる方法を定期的に取り入れて目の健康を守りましょう。