●子どもの希望を尊重するべし
まず心得ておきたいのは、子どもの意思をしっかり確認することだと立石さんはいいます。
「親の考えより、まずは子どもがどう思っているかが大事です。本当にそこに行くのを嫌がっているかどうかというのがポイントですね。嫌がる原因がはっきりしている場合、たとえばいじめる子がいるとか、担任の先生と相性が合わないとか。この場合、転校することであっさり解決することもあります。けれども、コミュニケーションを取るのが苦手など本人に何かしらうまくいかない原因があれば、転校してもまた同じことで、つまづいてしまう可能性が高いです」(立石さん、以下同)
大事なのは、原因と理由をしっかり分析すること。その際、親も一緒に考え、子ども目線で転校も含めた解決策を模索することが大事だといいます。
「子どもだけでなく親もサポートしながら一緒に考えるというスタンスが必要です。その際には、親が自分の思いや考えを子どもに押し付けてはいけません。『転校させるのは避けたい』という思いがよぎると、つい転校させない方向に誘導しようとしてしまいます。転校しないで我慢して通ってほしいという親の思いがあっても、子どものためにどうしたらよいのか視点をあてることです」
●転校の意思を確定させるまでのプロセスが大事
とはいえ、ときには解決策が出ずに、子どもとのやり取りが堂々巡りになってしまうことも。そこで、漠然とした悩みの答えを導きだすために、思考を紙に書き出すことが最善の方法と立石さんは話します。
(1)あなたの悩みはなんでしょうか。
(2)悩みの原因はなんでしょうか。
(3)幾通りの解決策がありますか。
(4)(3)の解決策のなかで、いちばんよい方法はどれでしょう。
(5)いつから実行に移しますか。
これをやることで解決策は見えてきます。転校するかどうかは、親の考えで決めるのではなく、あくまで子どもの考えを大事にしたいところです。
(構成・文:末吉陽子/やじろべえ)