「塩分を控えめに」というのはよく聞きますが、1日の塩分摂取量はどのくらいが目安なのでしょうか?また減塩となると難しそうなイメージもありますよね。この記事では、1日の塩分摂取量の目安や平均的な摂取量について、また減塩のコツについても管理栄養士が解説します。
1日の塩分摂取量の目安
健康な方の1日の塩分摂取量(食塩相当量)の目安は、成人男性は7.5g未満、成人女性は6.5g未満です。なお、子どもについては、年齢によって細かく設定されています。
【1日あたりの食塩相当量の目標量】

ただし、これはあくまで健康な方の目安。高血圧などの病気がある場合はさらに減塩が必要となります。
ちなみに小さじ一杯の塩が概ね5~6g程度。醤油などにも含まれるので、料理をするときの参考にしてみてくださいね。
高血圧な人の目安

高血圧な方の塩分摂取量目標は、1日6g未満。
減塩することで血圧が下がることがわかっているため、健康な方より塩分摂取量を少なくすることが推奨されています。
通院治療を行っている方は、個人によって塩分の目安が異なることがあるため、一度医師に確認しましょう。
血圧が高めの場合はどの基準を目安にすればよい?
高血圧ではなく、血圧が高めの「高血圧予備軍」の場合、塩分摂取量の目安は健康な方と同じです。1日あたり成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満となります。
高血圧の方の血圧の基準は140/90mmHg以上で、血圧が高めといわれるのは、120/80mmHg以上となります。
日本人は塩分を摂りすぎている傾向にあるため、まずは健康な方の目標量を目安にして塩分摂取量を減らしていきましょう。
日本人の平均的な塩分摂取量
令和元年の調査によると、日本人の塩分摂取量は、成人男性は10.9g、成人女性は9.3gです。
年々減少傾向にはありますが、それでも目標量より2.8~3.4gオーバーしており、まだ塩分を摂りすぎている状態です。
また日本では、20歳以上の約2人に1人が高血圧ということもわかっており、塩分の摂りすぎが問題視されています。
自分だけでなく、家族全員で減塩に取り組んでいく必要があるでしょう。
※参照:厚生労働省 令和元年「国民健康・栄養調査」
塩分を摂りすぎるとどうなるの?

塩分を摂りすぎると、血圧が上がり高血圧の原因となります。
さらに高血圧の状態が続くと、動脈硬化が進み、狭心症や心筋梗塞、心不全などの心疾患、脳梗塞、脳出血などの脳血管障害や認知症のリスクとなります。
ほかにも、塩分の摂りすぎが胃がんのリスクとなることもわかっています。
日本の塩分摂取量目安は少しゆるい!?
先ほどご紹介した塩分摂取量の目安を厳しいと感じるかもしれませんが、じつはWHO(世界保健機構)は1日5g未満と、日本よりさらに少ない塩分摂取をすすめています。
日本の塩分摂取の目標量も年々下げられてきており、まだまだ減塩は必要です。健康を守るためにも日ごろから減塩を意識しましょう。
配信: トクバイニュース