「至高のカルボナーラ」を大西哲也さんが作る

卵はLサイズ・全卵を使用

まずはにんにくをあらみじんにします。

リュウジさんは、にんにくを一回つぶしてから切る感じですよね。(と言いながら、勢いよくにんにくを潰す大西さん。)


もうちょい細かめでしょうか?

そうですね、もう少し細かいくらいで。(大西さんの様子を見ながら)いいですね!


続いて、ベーコンを千切りにします。僕は、結構細かめに切るのが好きです。ベーコンに関しても色々試してみて、それこそ自作したベーコンを使ったこともあったんですが、スーパーなどで手に入る、ごく一般的なベーコンに辿り着きました。日本のベーコンには、旨み調味料が使われているんですよね。

僕は、旨みを高い基準値に置くことで、自分の味にしていくというスタイルでやっていて。わかりやすい味にするために、むしろこうやっています。

なるほど。既ににんにくでも旨みがあって、ベーコンにもあって。だいぶ旨みがありますね。


ベーコンを切り終わったら、Lサイズの卵をボウルに割り入れます。

卵は、小さいと問題があるんでしょうか?

小さいと、パスタに対して滑らかにまとわりつかないんです。小さい卵を使う場合には、パスタを1人前あたり80グラムぐらいに減らすとよいと思います。

卵とパスタのバランスなんですね。

はい!パスタ1人前を100グラムとした場合、Lサイズでギリです。卵に関しても、卵黄をふたつ使うなど、いろんなレシピがあると思うんですけど、試した結果、この量の全卵で、麺にまとわせていくのが一番うまいと思ったんです。

大西さん、卵をかき混ぜてもらっても良いでしょうか。

(卵をかき混ぜながら)そういえば。卵、こうやってかき混ぜると早いんですよ。 (と、箸をハサミのようにして、前後に揺らし始める大西さん)


おおっ!これは知らんかった!

卵を溶く時には、白身を切るのが重要なんですが、通常のやり方だと、なかなかよく切れないんですよね。こうすると、急いでやらなくても、しっかり切れるんです。

メイラードからの脱却

卵を溶き終わったら、次は粉チーズでしょうか。リュウジさんのレシピは、粉チーズをたくさん使っていますよね。

2人分(1人あたり30gなので計60g)を作る場合、1缶(80g)をほぼ使い切る感じなんですね。

はい!ほとんど使うんです。なので、クラフトのこの緑缶じゃなく、業務用の大容量の、似た味わいの粉チーズを使うのでも大丈夫です。……量、これくらいですね。

おお〜!(多さに興奮)


ケーキ作ってるみたいですよね。よーく混ぜて、卵と粉チーズをしっかり絡ませてソースを作っていきます。

これがベースになるんですね。


混ぜ終わったら、次はパスタを茹でちゃいましょうか。塩は、お湯に対して0.8%くらいの濃度になるように入れて欲しいです。例えるなら、薄めのお味噌汁。味見してみたときに、もうちょっと塩味が強い方が、お味噌汁としてはおいしいと感じるくらいのしょっぱさで。

自分の舌で、茹でる前にお湯の塩加減を確認するのって大事ですよね。

あ、大西さん!換気扇に頭がぶつかりそうです!

僕、大きいからよくぶつかるんですよね。

そういえば、以前大西さんと僕がYouTubeでコラボしたときにも、大西さんと僕の大きさの違いに対するコメントがたくさんついてました。


完成した動画を見てびっくりしましたよね。僕、こんなにでかく見えるんだなぁと。(お湯の塩加減を見ながら)塩加減、このくらいでどうでしょうか。

(味を見て)ちょっと濃いかもしれないです……細かくてごめんなさい。大西さんの唐揚げがすごくおいしかったから(この記事の前編参照)、その後にへたなものは食べさせられないので……お湯を足しましょう。

ちなみにペペロンチーノの場合は僕、少なめのお湯で茹でるんですけども、カルボナーラの時は、お湯の量は特に気にしないです。

リュウジさんのペペロンチーノは、少なめのお湯で茹でることで溶け出した小麦粉を乳化に使うっていうやつですよね。

はい。でも、厳密にいうとあの現象、乳化ではないんですよね。色々な言い方あるんですけど、そこまで言及してしまうと、ハードルが上がるので僕は言っていない感じです。

逆に全部言ったのが僕のペペロンチーノの動画ですね。

※大西さんは、ペペロンチーノに関する動画を何本も作っており、なかには、20分以上にわたりペペロンチーノの作り方の詳細を語り尽くしているものもある。

大西さんには、大西さんの良さがあるんですよね。僕も、どういう理屈でこうなっているのかを言いたい気持ちはあるんですが、「大変そう」と思われないようにするために、あえて言わない方向をとってます。

でも最近は僕、あえて言わないのも楽しくなってきています。今、自分のなかに「メイラード反応を起こさずに調理する」というテーマがあるんです。メイラードからの脱却。電子レンジ調理だと、メイラード反応(※)がつけられないから、それがすごいおもしろいんですよね。

※メイラード反応とは:食材の中に含まれるアミノ酸や糖が、加熱によって結びつくことで起こる反応。色が茶色を帯び、香ばしい風味が生まれる。

今までは、メイラード反応をつけられるなら絶対つけたほうがいいと思っていたんですけど。工程を少なくしてみたり、こだわりすぎずにやってみたりすることで、新たな発見があるのが楽しいですね。……あっお湯がわきました!パスタ投入します。

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