「至高のカルボナーラ」を大西哲也さんが作る

料理研究家リュウジさんとゲストがお互いのレシピをトレードし、料理をしながら語り合う本連載。今回のゲストは、クッキングエンターテイナーの大西哲也さん。大西さんが選んだ、リュウジさんのレシピは「至高のカルボナーラ」です。

イタリアンにどっぷり浸かった過去を持ち、現在も得意としているふたり。それぞれ自身のYouTubeチャンネルでカルボナーラ動画を公開しているのですが、そのなかで、真逆ともいえる見解を示しています。リュウジさんが動画で推奨しているのは、緑のパッケージが目印のクラフトの粉チーズ。一方、大西さんが「使わないで」と伝えているのも、同じクラフトの粉チーズ。

でも、だからこそ、リュウジさんのカルボナーラを体感してみたかったという大西さんが、レクチャーを受けながら実直に、新たなるカルボナーラの扉を開きます。

至高のカルボナーラ


材料(2〜3⼈分)※1人分なら半量

  • 卵 Lサイズ…2個
  • 粉チーズ(クラフトのもの)…60g
  • オリーブオイル…⼤さじ2
  • にんにく…2⽚
  • ベーコン…80g
  • 鷹の⽖…2本
  • パスタ2mmのもの…200g
  • ★仕上げの際に
  • 茹で汁…⼤さじ4ほど
  • オリーブオイル…⼩さじ4 
  • ホールの黒こしょう…30粒ほど

作り⽅

1. にんにくを粗みじん切りに、ベーコンを千切りにする。
2. ⿊こしょうを包丁で切り刻む。
  • 盛り付け前に刻むのが良いです!
3. ボウルに卵を割り⼊れ、粉チーズを加えてよく混ぜる。
4. フライパンにオリーブオイルを⼊れ、⽕にかける前に鷹の爪とにんにくを加える。強⽕にかけ、油がふつふつとしはじめたら、ベーコンを加えて全体をなじませる。
5. 鍋にお湯を沸かす。
6. ベーコンが少し炒まってきたら中⽕にして、軽く焦げ⽬がついてきたら⽕を⽌め、フライパンを冷ましておく。
7. 沸かしたお湯に塩を加え、パスタをパッケージに記載の時間より1分短く茹でる。
8. パスタが茹で上がったら、茹で汁を残しておいてザルにあける。
9. フライパンにパスタを入れ、ごく弱⽕にかけて卵液を加える。鍋底から全体に絡まるように、ゴムベラで絶えず混ぜる。茹で汁を加えてソースの固さを調整する。
10. ソースがクリーム状になったら⽕を⽌め、オリーブオイルを加え混ぜる。
11. パスタを盛り付け、刻んだ⿊こしょうをかける。

あの「緑の粉チーズ」の底力


僕、リュウジさんとカルボナーラの話をしたかったんです。僕が否定した、あの粉チーズでおいしいカルボナーラが作れることを、ぜひとも思い知らせてほしいんです。

わかりました!よろしくお願いします。

ところで、この味に行き着くまでに1000回くらい作ったと言っていましたが……

はい。ほぼ毎日作っていた時期があったんです。それで結局、原点回帰したのがこのカルボナーラでした。


料理を始めた初期のころ、この粉チーズを使って作ったカルボナーラを友人たちに振る舞ったら、すごく評判が良かったんですよ。「どこの店のカルボナーラよりも、これが食べたい」とまで言ってくれる人もいて。

でも、もっと上質な食材を使ったり、ブレンドしてみたりした方がおいしいのではないかと思って、色々試してみたんです。結果、一番好きで一番おいしいと感じるのはこのカルボナーラでした。それで一石を投じました。色々言われたけど。

僕のところにも、「リュウジさんのパスタについてどう思いますか?」という質問が来たことがあります。

すべてのカルボナーラレシピにケンカを売っている感じですからね。僕のカルボナーラはにんにくを入れるんですが、これも邪道ですよね。イタリアのレシピにも、にんにくを入れるカルボナーラがあるにはあるんですが、入れないレシピの方が多いんですよね。

イタリアンを勉強してみると、意外とそんなに何にでもにんにくを入れるわけじゃないことに気がつきます。むしろ日本で食べられるイタリアンの方が、にんにくをあらゆるものに入れている。

先入観もあるんですかね。イタリアっていっても、ローマ、ミラノ、ナポリもあって……

そうそうそう!地域によって全然違いますよね。

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