ホルモンの「ゆらゆら期」に大切にしたいこと
更年期症状が出やすい40代~50代は、女性が社会において重要な役割を担う年代といえます。
更年期症状のつらさにより、仕事での重要なプロジェクトを見送ることになったとか、昇進を諦めざるをえないなど、本来の自分の能力を発揮できない場合もあるかもしれません。
また家庭でも、家事や育児、はたまた介護などまだまだ忙しい時期であることは言うまでもありません。
更年期症状によって、本来できていたことが難しくなると途端に自信を失ってしまうかもしれませんが、善方先生は、この時期は、『人生のギアチェンジの時』だと話します。
「人生を100年と考えたとき、更年期はちょうど折り返しの地点。
身体の不調や、心の移ろいを乗り越え、今までハイスピードで走ってきた人も、ギアチェンジして、ゆっくり進んで行くようにしてみたら、新たなライフステージが見えてくるはずです。
更年期を経たあとは、“凪”に例えられるような、静かな時間が広がっています。
身体のつらさが治り、さまざまな束縛のようなものから解き放たれた人生の黄金期といえるかもしれません。
きっと多くの人が、社会貢献や技能の熟達を極め、心地よく過ごせるはずです」と、善方先生。
更年期症状には終わりがあります。
だからこそ、つらい時期には肩の力を抜いて周りの人の力を借りることが大切です。
仕事も家庭も、若い頃のように多くの量はこなせないかもしれませんが、そのかわり“質”は上がっているはず。
人生のギアチェンジをうまくこなし、次のステージに心地よく向かうために、できる限り、無理をせず、リラックスして過ごしましょう。
そして、つらさが続くなら、医療の力を借りることも検討してみてください。
次回は、更年期障害の予防について、お話します。
更年期症状が出る前から行えるセルフケアや、気持ちの整え方を中心にご紹介しますので、ぜひ、お楽しみに!
監修:善方 裕美(よしかた ひろみ)
よしかた産婦人科副院長、横浜市立大学医学部客員准教授。同付属病院産婦人科・女性健康外来担当医。女性健康外来では、更年期障害も扱い、ホルモン補充療法だけでなく、漢方治療や、カウンセリング、生活習慣の指導を通した多角的なアプローチを行っている。また、「妊娠後骨粗しょう症」啓発プロジェクトの発起人も務める。著書や監修書に「最新版 だって更年期なんだもーん 治療編」(主婦の友社)、「マタニティ&ベビープラティス-ママになってもエクササイズ!」(小学館)など。NHK健康チャンネルへの出演も。
2021年10月1日 健康
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配信: UP LIFE
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