サービス残業は違法!残業代を請求するための3ステップ

サービス残業は違法!残業代を請求するための3ステップ

5、サービス残業は違法|残業代の計算方法

では、具体的に残業代がいくらくらいになるのか、その計算方法について少しご説明します。ただし、残業代の計算は複雑なので、ここでは大まかなご説明にとどめます。詳しい計算方法はお問い合わせください。

ここでは、午前9時から午後6時まで(休憩1時間)の勤務で月給制の人の場合でご説明します。

(1)基本

まず、残業代の計算は、(基礎時給)×(残業時間)×(割増率)で行います。

(2)基礎時給

基礎時給は、(割増賃金の基礎となる賃金)÷(月の所定労働時間)で計算します。

割増賃金の基礎となる賃金は、基本的に、月給から法定の除外手当(通勤手当、家族手当、住宅手当等)を除いたものとなります。

(3)残業時間

残業時間については、ⅰ)1日8時間・週40時間を超える労働時間、ⅱ)法定休日の労働時間、ⅲ)深夜(午後10時から翌午前5時)の労働時間に分けて、月ごと(月給計算の始日から締日まで)に集計します。ⅰ)~ⅲ)に分けるのは、次に述べる割増率が異なるからです。

なお、残業代は、1分単位で集計します。

(4)割増率

割増率は、ⅰ)1日8時間・週40時間を超える労働時間については1.25倍、ⅱ)法定休日の労働時間については1.35倍、ⅲ)深夜の労働時間については0.25倍が加算されます。

(5)何年分請求するか?

以上を基に各月で計算し、集計すれば、残業代を計算することができます。

なお、残業代支払請求権の消滅時効は2年とされています。会社から消滅時効を援用されると、2年前以前の分は時効消滅してしまいますので注意が必要です。なお、消滅時効期間は、給料日ごとに進行していきます。

6、サービス残業は違法|残業代請求の全手順

残業代の請求は、もちろん自分でもできますが、弁護士に依頼した場合の一般的な流れを簡単にご説明します。

(1)残業代の計算・内容証明郵便で残業代請求

残業代を計算し、会社に対して残業代の支払を催告する内容証明郵便を送ります。催告をすることで、消滅時効の進行に一時的な猶予期間(6か月)が与えられます。催告の効力は6か月以内に訴訟提起しなければ失われてしまうので、その間に交渉をすることになります。

(2)交渉

通常、まずは任意の支払交渉をしていきます。会社と合意に至れば、合意書を取り交わし、それに基づいて支払われれば一件落着となります。

合意に至らない場合には、労働審判や訴訟等の法的手続へ進むことになります。

(3)法的手続

法的手続においても、和解の試みが行われるのが通常であり、そこで合意に至れば和解成立となります。

和解できない場合には、最終的に裁判所等の判断が下され、それが確定すれば、(それでも会社が支払わなかった場合には)強制執行の手段を取ることが可能となります。

下記ページなどもご参考にしてみてください。

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