キッチンに立つのも、買い物に行くのも億劫になってしまいがちな冬。ついついデリバリーに頼ってしまったり、家族に飽きられながらもお鍋ばかりになってしまうという人も多いのではないでしょうか?
「不調を感じやすい冬ほど、旬の食材を意識して食べることが大切です」
そう語ってくれたのは、SNSやメディアで人気の美養薬膳研究家・SATOMIさん。
今回は栄養学にも精通している彼女に、実は手軽に食卓に取り入れられる薬膳料理のコツと、冬素材を楽しむおすすめレシピを教えてもらいました。
SATOMIさんプロフィール
自らの体調不良を食事で改善したことがキッカケで、食や健康、生き方を見直したい女性に向けて、薬膳や分子栄養学の講座を開催。薬膳料理や健康的な食事にありがちな「美味しくなさそう」「難しそう」を覆す、「簡単なのに健康的で美味しいごはん」が、仕事や子育てに忙しい女性にSNSと口コミで広まっている。公式Instagram
みんなが知らない「意外と身近な薬膳」
薬膳料理と聞くと、漢方の材料になるような難しい食材や、薬っぽい味の中華料理を想像する人が多いのではないでしょうか。近所のスーパーではそろわなそうな食材をたくさん使うとなると、ちょっと手軽にはチャレンジできなそう…。
しかしSATOMIさんによれば、薬膳の本来の考え方は、私たちの身近にある料理にも生きているのだそう。
「薬膳と聞くと、生薬が使われていたり、クコの実のようなスーパーフードが使われた料理を想像する人が多いんですが、実はまったくそうではありません。薬膳の本来の考え方は、季節や自分の体質・体調に合わせて、食材や調理方法を選ぶことにあるんです。
『冷えが気になる』とか『最近なんだか疲れやすい』とか、そういう自覚症状に合わせて、体調を整える素材を使っていきます。
だから、『クコの実を使ったものが薬膳料理』など特定の食材を使うルールはありません。冬は身体を温めるために、よく生姜を使いますよね。これもひとつの薬膳的な考え方なんですよ」
自分の体調の確かめ方は、最初は自覚症状ベースでOK。舌の状態を確かめることで体調を自己診断する方法もあるのだそう。
「薬膳は「この症状には特にこの食材が効く」というよりも、健康の土台を『食』で作っていくような考え方です。自分の健康状態を把握して食事をしていくことで、慢性的な体調不良にアプローチしていくような感じです。
例えば私は薬膳を食事に取り入れ始めてから、平熱が34.9度から36.8度まで上がりました。風邪を引きにくくなったり、冬でも末端の冷えを感じづらくなりましたね。イライラする、疲れやすいなど、病気とまではいかないさまざまなことが改善されました。
冬の乾燥が気になるという人が、薬膳を始めたら肌質の変化を感じたり、睡眠の質が向上したり…病院で薬をもらっても一時的にしか良くならないような症状が、じわじわ健康になっていくのが薬膳のすごいところ」
薬膳とは、自分に合った食事を考えていくことなのです。
配信: くらしマグネット