日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震。想定震度M9でおきる、北海道から関東におきる被害予測

日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震。想定震度M9でおきる、北海道から関東におきる被害予測

ライフラインへの被害

中央防災会議のとりまとめでは、地震がおきてからの7日間で日本海溝モデルでは1000万食/千島海溝モデルでは430万食が不足するとされています。水道や電気も長期間止まることがありますので、食料や飲料水、乾電池、携帯電話の電池充電器、カセットコンロ、簡易トイレ等の家庭備蓄を1週間分以上備蓄しておくことをお勧めします。
実際におきるライフラインへの被害を見ながら、備蓄の必要性を考えてみましょう。

上水道

被災直後には最大約50万人で断水がおこり、日本海溝モデルでは青森県、岩手県全体で95%が復旧するまで2週間。千島海溝モデルでは北海道の95%で復旧するまで数日かかるとされています。
※津波により全壊した建物は復旧対象から除いています。

このように、長期間断水が起こることが考えられますので、十分な水の備蓄をしておきましょう。
1人が1日生活するのに最低限必要となる水は、飲食用に2リットルと衛生のために1リットルの合計3リットルとされており、推奨される一週間分では1人21リットルの水が必要となります。

下水道

被災直後には最大約334万人で下水道が利用できなくなり、日本海溝モデルでは宮城県全体で95%が復旧するまで6週間。千島海溝モデルでは青森県の95%で復旧するまで5週間かかるとされています。
とくに日本海溝モデルでは、被災直後には人口の約20%が影響を受け、1週間たっても復旧率はほぼ変わりありません。
※津波により全壊した建物は復旧対象から除いています。

災害時に見落としがちなのがトイレの備蓄。排泄物の匂いが大きなストレスとなるほかに、不衛生な環境は感染症なども引きおこします。また、災害時にはゴミ回収もきませんので、しっかりとした対策が必要となります。
人がトイレに行く回数は平均1日5回となりますので、1週間分では1人35個の非常用トイレの用意が必要となります。

電力

被災直後には最大約22万軒が停電し、青森県で95%で復旧するまで数日かかると想定されています。
※津波により全壊した建物は復旧対象から除いています。

都市ガス

被災直後には最大約9万戸で都市ガスが利用できなくなり、北海道、青森県、岩手県、宮城県の約10%で使えなくなるとされています。
日本海溝モデルでは北海道、青森県、岩手県、宮城県の全体で95%復旧するまで約5週間。千島海溝モデルでは、北海道、青森県の全体で95%復旧するまでに5週間かかるとされています。
※地震のゆれや津波浸水等により建物全壊・半壊した需要家数は復旧対象から除いています。

停電にそなえてLEDライトやランタンを準備することも必要ですが、ガスが止まったときや、オール電化の家で停電したときには食事を作ることができなくなります。お米やパスタ、冷蔵庫の食材などを1週間分の食料に含めて活用するためにも、カセットコンロとカセットボンベ(ガス缶)の用意をしておきましょう。カセットコンロで調理をするのであれば、カセットボンベは1週間で1人あたり6本くらいの量があるとよいでしょう。
また、電気と比べて都市ガスが復旧するまでの期間は長くかかります。復旧が長期化したときに備えて電気で調理するためカセットコンロのほかに、IH調理器(IHコンロ)などの用意をすると、長期のガス停止にも備えることができます。

スマートフォンや携帯電話は連絡や情報収集にとても役立ちますので、モバイルバッテリーの備蓄をしておきましょう。
携帯電話やインターネット回線が使えないときに、気にしすぎて何度も画面を見てバッテリーを消費しすぎないように。1時間に1回、もしくは2時間に1回などチェックする時間を決めておくことをおすすめします。
また、災害時にはインターネットは使えないことも想定しておくこと。スマートフォンにたよらず、避難用の地図ハザードマップや家族の連絡先などは、印刷されたものを手元におくようにしましょう。

今回紹介をした、日本海溝・千島海溝沿いの被害は、「あらゆる可能性を考慮した最大クラスの地震・津波」がきたときにおきる、「最大となる被害想定」となります。そのため、次にくる地震がこの規模の被害になるかはわかりませんが、災害の被害は想定を大きく超えることもありますので、どのような地震がおきても大丈夫なようにしっかりと備えておきましょう。

参考資料

日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震対策検討ワーキンググループ: 防災情報のページ – 内閣府
日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定について【定量的な被害量】
日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定項目及び手法の概要
日本海溝・千島海溝沿いにおける最大クラスの震度分布・津波高等の推計

日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデル検討会: 防災情報のページ – 内閣府

日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデル検討会 本文
日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデル検討会 参考図表集

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moshimo ストック
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私たち moshimo ストックは「もしも」のための防災情報メディア。 最近、地震や台風がよく起きるようになって心配。 防災をしようと調べてみたものの、何から始めればいいの…? 私たちも始めは知ることがたくさんあって、防災ってちょっと難しいな…と思いました。 でも、ちょっと待って下さい! もし何の準備もなく災害にあってしまったら大変です。 防災は少しずつでも大丈夫、「もしも」のための準備を始めませんか?
私たち moshimo ストックは「もしも」のための防災情報メディア。 最近、地震や台風がよく起きるようになって心配。 防災をしようと調べてみたものの、何から始めればいいの…? 私たちも始めは知ることがたくさんあって、防災ってちょっと難しいな…と思いました。 でも、ちょっと待って下さい! もし何の準備もなく災害にあってしまったら大変です。 防災は少しずつでも大丈夫、「もしも」のための準備を始めませんか?