では、怒りっぽい夫は、奥さんに対してどんなことでよく怒るのだろうか。怒りっぽい夫を刺激するポイントなどについて、行政書士東京よつ葉法務オフィス心理カウンセリングルーム代表の佐藤千恵さんは言う。
●怒りのポイントは?
「怒りのポイントは人それぞれですが、DV夫やモラハラ夫でない場合、奥さんはちゃんとやっている、あるいは普通だと思っていることが『夫の目線で見たときに~』気に入らないということが多いようです」(佐藤さん 以下同)
「整理整頓できていない」「掃除していない」「無駄な買い物をしている」などがその一例。奥さん自身はやっているつもり・ごく普通のことが、夫にとっては「おかしい!」「だらしない!」などに見え、イライラすることがあるようだ。
女性の場合は、友だちや家族に愚痴を言ったり、相談したりすることで、共感し合い、「他者感覚」が入ってくる。だが、男性は弱音を吐かない・弱みを見せられない人も多く、「他者感覚」が持てないために、独善的になりやすく、「自分と違う考えはおかしい」と考える傾向もあるそう。
●ささいなことでキレる夫の原因は「価値観の違い」
「また、自分の親の悪口を言われることも、怒りのポイントになりやすいです。夫自身が親の悪口を言っているときでも、それに同調するのはやめたほうが良いですよ」
やたらと妻にだけ怒る夫の場合、多くは妻の落ち度ではなく、「価値観の違い」により、相手の価値観を認められないことが原因だそう。
また、男性が40~50代くらいになると「ミドルエイジクライシス」(中年の危機)といって、男性更年期のような状態になることも影響する場合があるそう。
「男性ホルモンの分泌が下がり、体力・気力が衰えることや、子どもの成長により、家庭のなかでの父親としての存在感が薄くなること、仕事でも限界がわかってくることなどが重なり、イライラしやすくなったり、ささいなことでカッカしたり、不安になったりするようです」
実はすぐに怒る人の場合、原因は寂しさで、「注目されたい」という無意識の思いから、怒りに転嫁する場合もあるそう。
夫がすぐに怒ったり、イライラしたりする場合には、「自分のせいかも」と思うのではなく、また、自分も一緒にイライラするのではなく、「寂しいのかな」「不安なのかな」と考えてみると、また違った原因が見つかることもあるかも。
(田幸和歌子+ノオト)