「健康にいい油」はある?正しい取り入れ方とは|管理栄養士執筆

「健康にいい油」はある?正しい取り入れ方とは|管理栄養士執筆

近年は健康意識の高まりから、健康効果のある食品が注目されることが多くなってきました。

サラダ油やバターなどの「油」は一般的に高カロリーで肥満や病気につながるイメージがある一方で、健康的なイメージがついた油も次々に登場しています。

「健康にいい油」とはどのようなものでしょうか?
「健康にいい油」のはたらきと、実際の食生活での活用方法を紹介します。

「健康にいい油」ってどういうこと?

そもそも、「健康にいい」とはどういうことを指すのでしょうか?

一般的な油(=トリグリセリド)はグリセリンと脂肪酸からできる物質です。

トリグリセリドの組成

このうち「脂肪酸」にはいくつもの種類があり、それぞれ体内でのはたらきや振る舞いが異なります。

脂肪酸の中でも、

・人体の生命維持に必ず必要な「必須栄養素」であるもの

・ほかの脂肪酸と比較して肥満や生活習慣病に対して予防的に働くもの

…のようなものに関しては、健康のために取りたい油=健康にいい油、ととらえることができそうです。

必須栄養素となる脂肪酸と多く含む油とは?

脂肪酸のうち、n-3系脂肪酸とn-6系脂肪酸とよばれるグループに属する脂肪酸は必須栄養素となる脂肪酸であり、「必須脂肪酸」とも呼ばれます。

n-3系脂肪酸は菜種油(キャノーラ油)や魚の脂身に、

n-6系脂肪酸は植物油全般に多く含まれているのが特徴です。

いずれも不足すると欠乏症による影響が考えられますが、通常の食生活を送る日本人において欠乏症はほとんど見受けられず、意識的に摂取量を増やす必要はないとされています。

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