3、特定理由離職者の失業保険の給付日数
特定理由離職者は、失業保険の基本手当の給付日数(いつまで失業保険をもらえるか)についても一般離職者よりも優遇されています。
特定理由離職者の方の中でも、「雇い止めの場合」と「正当な理由がある自己都合離職の場合」とで、以下のように給付日数に違いがあります。
(1)雇い止めの場合
雇い止めの場合は、年齢と雇用保険の被保険者期間に応じて給付日数が以下のように定められています。
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1年未満
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1年以上 5年未満 |
5年以上 10年未満 |
10年以上 20年未満 |
20年以上
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30歳未満 |
90日 |
90日 |
120日 |
180日 |
- |
30歳以上 35歳未満 |
90日
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120日
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180日
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210日
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240日
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35歳以上 45歳未満 |
90日
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150日
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180日
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240日
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270日
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45歳以上 60歳未満 |
90日
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180日
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240日
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270日
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330日
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60歳以上 65歳未満 |
90日
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150日
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180日
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210日
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240日
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上記の表に記載の給付日数が適用されるのは、今のところ離職日が2009年3月31日から2025年3月31日までの間にある場合に限られています。
離職日が2017年3月31日以前の場合は、給付日数が一部異なるところがあります。
(2)正当な理由がある自己都合離職の場合
正当な理由がある自己都合離職の場合は、雇用保険の被保険者期間に応じて給付日数が以下のように定められています。
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1年未満
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1年以上 5年未満 |
5年以上 10年未満 |
10年以上 20年未満 |
20年以上
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全年齢 |
90日 |
90日 |
90日 |
120日 |
150日 |
(3)【参考】一般離職者の場合
参考までに、一般離職者の失業保険(基本手当)の給付日数も紹介します。
年齢や雇用保険の被保険者期間にもよりますが、特定理由離職者の方が優遇されていることが分かるでしょう。
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1年未満
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1年以上 5年未満 |
5年以上 10年未満 |
10年以上 20年未満 |
20年以上
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全年齢 |
- |
90日 |
90日 |
120日 |
150日 |
4、特定理由離職者はいつから失業保険を受給できる?
失業保険の基本手当は、退職した翌日から受給できるわけではありません。
ここでは、特定理由離職者がいつから失業保険を受給できるようになるのかについて解説します。
(1)7日の待機期間は適用される
すべての離職者に、「待機期間7日」が適用されます。
退職理由に関わらず、離職日から7日間は、失業保険を受給することができません。
(2)給付制限期間は適用されない
一般離職者の場合、7日の待機期間の終了後、さらに「給付制限期間」が適用され、その間は失業保険を受給できません。
給付制限期間は、以下のとおりです。
- 2020年9月30日までに離職した場合…3ヶ月
- 2020年10月1日以降に離職した場合…5年間のうち2回までは2ヶ月
特定理由離職者には、給付制限期間が適用されませんので、7日の待機期間が終了した翌日から失業保険を受給することが可能です。
(3)実際に受給できるのは約1ヶ月後
実際に失業保険が振り込まれるまでには、ハローワークで所定の手続きを行い、求職活動の実績を積んだ上で、「失業」の認定を受ける必要があります。
失業の認定を受けると5営業日程度で振り込まれますが、離職日からは1ヶ月程度かかることが多いので注意しておきましょう。
(4)例外的に給付制限を受けるケースもある
特定理由離職者でも、以下のような場合には給付制限を受けてしまい、その後1ヶ月は失業保険を受給できなくなります。
- ハローワークからの職業紹介を正当な理由なく拒んだ
- ハローワークからの指示による職業訓練等を正当な理由なく拒んだ
- 再就職促進のための職業指導を正当な理由なく拒んだ
これらの場合には、「失業」と認定されなくなるため、失業保険給付の対象外となってしまうのです。
配信: LEGAL MALL