連帯保証人から解除してもらうために知っておきたい重要な7つの知識

連帯保証人から解除してもらうために知っておきたい重要な7つの知識

3、連帯保証契約の無効・取消しで解除してもらう方法

本章では、連帯保証契約を消滅させることが可能な3つのケースについて、それぞれ具体的な方法を紹介していきます。

まずは、連帯保証契約の無効・取消しで解除してもらう方法からみていきましょう。

(1)勝手に連帯保証人にされたことを主張する

主債務者が勝手に連帯保証人の印鑑や本人確認書類などを使用して契約した場合は、本人(連帯保証人にされた人)には契約する意思がないので、契約の無効を主張できます。

ただし、主債務者に名義を貸すことを承諾していた場合や、表見代理(民法第109条、第110条)が成立する場合は無効を主張できません。例えば、親子で事業を営んでいて、親が子どもに対して普段から親の実印を使用して取引をさせていたような場合は注意が必要です。

このような事情がある場合には、たとえ子どもが親に無断で実印を使用して連帯保証契約を結んだとしても、表見代理による契約が有効に成立する可能性があります。

(2)騙されて連帯保証人にされたことを主張する

例えば、子どもからアパートの連帯保証人になってほしいと頼まれて契約書に署名したところ、実は借金の契約書であったというように、騙されて連帯保証人にされた場合には「詐欺」を理由として連帯保証契約を取り消せる可能性があります(民法第96条1項)。

ただし、詐欺の事実を債権者が知る由もなかったという場合には、取消しは認められません(同条2項)。取消しが認められるかどうかはケースバイケースとなります。

(3)契約内容の重要な部分を勘違いしていたことを主張する

例えば、10万円の借金の連帯保証人となるつもりで契約書に署名したところ、実は100万円の借金だったというケースが考えられます。

上記のように、契約内容の重要な部分に勘違いがあった場合には「錯誤」を理由に連帯保証契約を取り消せる可能性があるのです(民法第95条1項、2項)。

取消しが認められるかどうかは、契約時のやりとり等、さまざまな事情によります。

勘違いがあった場合のすべてのケースで、取消しが認められるわけではないことに注意が必要です。

4、債権者との合意で連帯保証人から解除してもらう方法

債権者との合意があれば、連帯保証契約を解除してもらうことができますが、無条件に解除してもらえることはまずありません。

通常は、以下のように代替条件を提案することが必要となります。

(1)代わりの連帯保証人を立てる

一般的には、代わりの連帯保証人を立てることによって、自分を連帯保証人から外してもらうように交渉することになります。

この交渉に応じるかどうかは債権者次第ですが、新たな候補者に十分な返済能力があることが認められれば、ほとんどの金融機関は応じてくれるでしょう。

経済的な信用が高い連帯保証人候補者を見つけ、代わりを頼むことができるかどうかがポイントとなります。

(2)物的担保を提供する

連帯保証人候補者を確保できない場合は、土地・建物などの物的担保を提供することも考えられます。

この場合も、主債務を担保するに十分な資産価値のある担保物権を用意できるかどうかがポイントとなります。

主債務者がそのような担保物権を所有していない場合は、連帯保証人自身または第三者の所有物件を提供しなければなりません。

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