残業200時間は危険!続けた人の末路や残業代の金額・請求方法を解説

残業200時間は危険!続けた人の末路や残業代の金額・請求方法を解説

5、残業200時間分の残業代を請求する方法

未払い残業代がある場合にはどのように請求すればよいのでしょうか?

在職中に請求するケースと、退職してから請求するケースに分けてご紹介します。

(1)在職中に請求する方法

①まずは弁護士に相談し、証拠を集める

在職中に請求する場合、まず弁護士に相談するのがオススメです。

会社に在籍しているメリットは、

  • タイムカード
  • 日報

などの労働時間についての証拠を集めやすい点にあります。

とはいえ、どのような証拠が有効かわからなければメリットを活かせません。先に弁護士に相談することで、効果的な証拠収集が可能になります。

②残業代の計算

労働時間の証拠を集めたら、残業代の計算に移ります。方法は複雑ですが、弁護士に依頼していれば計算を任せられます。

ただし、この時点では証拠が不十分で正確に計算できないことも多いです。

③会社との交渉

残業代をある程度把握したら、会社との交渉に移ります。

在職中の場合は、残業代の請求により会社から嫌がらせを受ける可能性は否定できません。

そこで、あらかじめ弁護士をつけて交渉に臨めば、支払いに応じる可能性が高まるだけでなく、不利益な扱いを未然に防止できます。

④労働審判

決定的な対立を避けたければ、交渉だけで支払いをしてもらうのがベストです。とはいえ、簡単に応じてくれるとは限りません。

交渉がまとまりそうになければ、労働審判を起こすことが考えられます。労働審判は、裁判所において、労働についての争いを3回以内の期日で解決する手続です。

訴訟に比べて迅速に解決できるメリットがあります。

⑤訴訟

労働審判の結果に当事者が納得できない場合には訴訟に移ります。労働審判をせずに始めから訴訟をするケースもあります。

訴訟は1年以上かかることもありますが、途中で和解が成立するケースも珍しくありません。

労働審判や訴訟には手間がかかりますが、この点も弁護士に依頼することで手続きを一任できます。

その間、空いた時間で転職先を探すなど自分のために時間を使うことができるでしょう。

(2)退職後に請求する方法

①まずは弁護士に相談する

在職中よりも、退職してから請求する方が一般的です。この場合も、まずは、弁護士に相談した方がよいでしょう。

残業代だけでなく、失業保険の請求や、社会保険の手続についてもご案内できます。

また、そもそも辞めさせてさせてもらえないケースでは、退職できるよう弁護士がサポートします。

昨今では退職代行というサービスも流行っていますが、退職代行業者の中には労働者の退職したいという意思を会社に伝える所までしかできない業者もいます。

弁護士であれば、そこから先の踏み込んだ交渉を行ってくれるため、辞めさせてもらえないようなケースでも、弁護士への相談をオススメします。

②内容証明郵便の送付

弁護士がついた場合には、まず内容証明郵便を会社宛てに発送するのが通常です。

内容証明郵便により、

  • 弁護士がついた旨
  • 未払い残業代を支払うべき旨

を伝えます。

手持ちの証拠が不十分であれば、タイムカードなどの開示を求めます。

③示談交渉

会社側が交渉のテーブルにつくようであれば、示談交渉をします。退職しているので、不利益な扱いを気にせずに交渉が可能です。

④労働審判

そもそも会社が交渉のテーブルにつかない、あるいは交渉してもまとまらない場合には、労働審判が考えられます。

労働審判の内容は在職中に請求したケースと同様です。

⑤訴訟

労働審判に当事者が納得できない、あるいは、そもそも労働審判を起こさない場合には訴訟となります。訴訟についても前述のとおりです。

(3)その他の効果的な相談先

弁護士以外の相談先としては、

  • 労働基準監督署
  • 労働組合

などが考えられます。

①労働基準監督署

労働基準監督署は、主に労働基準法が守られているかを確認する公的機関です。

労働者からの申告をうけて、違反の事実があると考えられる場合には調査を行い、

  • 指導
  • 是正勧告

がなされます。

労働基準監督署に指摘されれば、長時間労働の改善がなされる可能性があります。もっとも、必ずしも会社が対応してくれるとは限りません。

②労働組合

労働組合に相談すれば、会社との交渉をしてくれる可能性があります。自分ひとりでは相手にしてもらえなくても、組合との話し合いにより、会社が長時間労働の改善に応じてくれるかもしれません。

ただし、労働組合が機能しているとは限らず、会社に対する影響力がないケースも多い点には注意してください。

6、残業200時間で心身ともに限界だと感じたら弁護士へ相談

残業を200時間もさせる企業には、法律を守る意識が大きく欠けていると考えられます。自分だけの力で状況を変えるのは難しいでしょう。

  • 「残業代が支払われない」
  • 「退職したくてもできない」
  • 「もう心身ともに限界」

といった悩みを抱えている方は、弁護士の力を借りて一刻も早く危険な状況から抜け出しましょう。

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