3、養子縁組の方法は?
養子縁組をするには、養親子になろうとする子CとDの養子縁組の意思が必要なのは言うまでもありません。
これに加えて、手続きとして、「養子縁組届」を市区町村役場の戸籍課に提出する必要があります。
なお、下記の点は、婚姻届や離婚届と一緒です。
- 書式は全国統一です(全国どこの市区町村役場でも入手できます)
- 養子縁組届には、20歳以上の証人2人の署名が必要です
- 届出は郵送でもできます
養子になるには、養子になる本人が15歳以上なら、本人の意思があれば可能です。15歳未満の場合は法定代理人(事例の場合には親権者である母B)の承諾が必要になります。
普通養子縁組をした場合、実親ABの離婚後、離れて暮らすもう一方の実親Aとの親子関係も、そのまま継続されます。普通養子縁組をしたとしても、実親Aとの親子関係がなくなるわけではないからです。
したがって、養子縁組したCは、実親Aと養親Dの両方の相続人になることになります。その反面、実親Aと養親Dに対する扶養義務を負うことになります。
4、前婚の子Cが相続人になった場合の法定相続分は?
前婚の子Cが新しい親(養親)Dと養子縁組をすると、法律上の親子関係が生じ、法定相続人である「子」に該当するようになります。したがって、Cは養親となったDの法定相続人としてDの遺産を相続する権利を得ます。養親Dが亡くなった場合に、遺言書がなければ、民法に規定されている法定相続分に沿って遺産分割協議や調停、審判がなされることになります。
それでは、子Cの法定相続分はどうなるのでしょうか。
例えば、新しい親Dも再婚であり、Dにも前婚の子Eがいたとします。Eは、Dの実子ということにします。配偶者であるBが健在であるとすると、Dの相続において相続人となるのはBと養子Cと実子Eです。
配偶者と子どもが相続人となる場合、法定相続分は配偶者が2分の1、子どもが2分の1です。子どもが複数いる場合にはさらに等分します。実子と養子の間に区別はありませんので、実子と養子であったとしても等分です。
この事例でいえば、配偶者Bの法定相続分が2分の1となります。そして、Dの実子Eが4分の1、養子Cが4分の1です。
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