3、携帯電話のブラックリストから信用回復するまでの期間
携帯料金の滞納でブラックリストに載せられたときは、信用が回復されるまで携帯電話やスマートフォンの契約ができない可能性があります。
本章では、携帯電話・スマートフォンのブラックリストから信用回復するまでにかかる期間について、状況別に解説していきます。
(1)携帯ブラックは滞納を解消すると削除される
携帯電話・スマートフォンの通話料や通信料の滞納で不払者情報が登録される「携帯ブラック」は、以下のタイミングで解消されます。
- 滞納料金を完済したとき
- 自己破産をして免責許可決定を受けたとき
- 料金の不払いで携帯電話の契約が解除されてから5年が経過したとき
(2)信用情報機関の事故情報は滞納解消から5年
端末の分割代金を滞納したことにより信用情報機関に事故情報(金融ブラック)が登録されたときは、滞納を解消してから5年が経過すると事故情報が削除され、信用回復します。
金融ブラックは携帯ブラックとは異なり、滞納を解消しない限り、いつまで経っても信用回復しないことに注意が必要です。
(3)債務整理をした場合はさらに長期間となる
債務整理をした場合は、金融ブラックが解消されるまでの期間がさらに長引きます。
具体的な期間は債務整理の種類によって異なり、それぞれ、以下の期間が目安となります。
- 任意整理をした場合…完済から5年
- 個人再生をした場合…再生手続開始決定の日から10年
- 自己破産をした場合…破産手続開始決定の日から10年
もっとも、借金返済が厳しければ、無理に返済しようとして滞納を続けるより、早期に債務整理をした方が、結果として信用回復の期間が短くなる可能性が高いといえます。
4、ブラックリストに載ると携帯・スマホの契約ができない?
それでは、ブラックリストに載ると携帯・スマホの契約はできなくなるのでしょうか。
この点について、本章で詳しく説明します。
(1)携帯ブラックが解消されれば回線契約は可能
まず、携帯スマホの「回線契約」については、「携帯ブラック」が解消されれば契約可能です。
携帯・スマホによる通話・通信の利用は、信用取引に当たらないからです。
たとえ金融ブラックに載せられていても、携帯ブラックさえ解消されれば回線契約は可能となります。
前記「3」(1)でご説明したとおり、携帯ブラックの解消までの期間は、最長5年です。
ただし、契約を解除された携帯電話会社の社内にはその後も不払いの情報が残ります(社内ブラック)。
滞納解消した場合でも、新規契約を申し込んでも断られる可能性があることに注意が必要です。
(2)信用情報機関に事故情報が残っていると端末の分割購入ができない
信用情報機関に事故情報(金融ブラック)が残っている場合は、回線契約は可能ですが、端末を分割で購入することができません。
端末の分割購入は、「信用取引」に該当するからです。
携帯電話会社も、CIC(株式会社シー・アイ・シー)という信用情報機関に加盟しています。
端末の分割購入(割賦販売契約)の申し込みを受けたときは、申込者の支払い能力を審査するためCICに信用情報を照会します。
事故情報が登録されていると「支払い能力なし」と判断され、分割購入の契約を断られてしまうのです。
この状態は、金融ブラックが解消されるまでの間(上記「3」(2)および(3)でご説明した期間)、ずっと続きます。
ただし、その間でも端末を一括で購入することはできます。一括払いの購入は、「信用取引」に該当しないからです。
自分で一括払いすることが難しい場合は、家族の名義で端末を分割購入することも検討するとよいでしょう。
配信: LEGAL MALL