年齢による女の子同士の関係の変化について、日本心理教育コンサルティング代表・櫻井勝彦先生に聞いた。
「『仲間外れ』や『いじめ』といえるかわかりませんが、『仲間に入れてもらえない』など、それに近い現象は女の子同士に限らず、4歳くらいから見られます。ただし、これは多くの子にとって、初めてのきちんとした集団生活の時期とほぼ重なるからわかること。もしかしたら、私たちが見落としているだけで、その前からあるのかもしれません」(櫻井先生 以下同)
多かれ少なかれ、集団生活をする頃には、すでに何らかの仲間外れが出てくるそう。
「遊び方そのものも、年齢によって変わってきます。一般に3歳ぐらいまでは、友だちと一緒にいても、それぞれ別のことをしている子が多いのですが、それ以降から徐々に集団での『協力遊び』が増えてきます。また、そうした集団のなかから、リーダーも出てくるという研究結果があるのです」
●母親とべったりすぎるのもNG! 幼少期から集団遊びを
幼い頃は、男女ともに怒りや苛立ちを感じると、まず手が出るなどの暴力行為に走りがち。
だが、男の子は小学生になっても「手が出る」などのわかりやすい形で感情を表現するのに対し、女の子の場合は言葉の発達が早いために、男の子より早く暴力から「言葉による攻撃」や「無視」などに移行するのだという。
「心理学者・ハーロウ氏の研究によると、サルを群れから隔離して人工飼育したところ、群れに戻したときに仲間と関係作りができず、ほかの個体から攻撃されるということがわかったそうです」
もちろん、サルと同じに考えるわけにはいかないところもあるだろう。だが、人間も幼少期に社会性を身につけておくことは、その後の人間関係を円滑にするために、有効だと櫻井先生は言う。
ちなみに、母親との関係は大切だが、べったりしすぎていると、社会性や仲間とのコミュニケーションを身につける機会を持ちにくいリスクもあるそう。
女の子同士の仲間外れやいじめが心配なママは、幼いうちから人の多く集まる場所に連れて行ったり、公園などでさまざまな子と遊ばせたりしておくのも良いのかも。
(田幸和歌子+ノオト)