産後は痛くて座れないって本当?
出産を控えているママのなかには、会陰切開の恐怖に震えている人もいるかもしれません。「産後は円座クッションがないと座れないほど痛む」というのは、本当のことでしょうか?
人によっては円座クッションが必須
会陰切開はいわば裂傷のようなものですから、治るまでは痛みを避けられないでしょう。円座クッションは中央部に穴の開いた形状をしていて、おしりに座面が触れないようになっています。
会陰部分は座ったときにダイレクトに負荷がかかる部位なので、痛みが強い場合は円座クッションがないとつらく感じるかもしれません。
出産による痔や腰痛のケアにも使えるため、帝王切開で出産したママにも愛用している人がいます。
産後しばらくは寝て過ごすことが多くなりますが、授乳や自分の食事では座らざるをえません。円座クッションはこうしたシーンでおおいに役立つでしょう。
使わなかったママも多い
円座クッションが必須だったかどうかは、ママによって意見が異なります。会陰部の痛みがどのくらい続くかどうかは、個人差が大きいためです。
入院している間にある程度治ってしまえば、「違和感はあっても座れないほどじゃない」くらいの痛みになるでしょう。なかには会陰切開をせず、スムーズに出産できるママもいます。
また「円座クッションがあってもなくても同じくらい痛かった」という意見もあるようです。これはクッションが自分にフィットしていなかったというケースもあるでしょう。
里帰り出産やパパが育休を取ってくれるなど、横になって休む環境が整っていれば、出産を終えるまで様子を見てもよいかもしれません。
ここが肝心!円座クッションの選び方
円座クッションは「クッション性」「サイズ」「使用状況」の3点を考慮して選びましょう。具体的にどのような部分に注目すべきか解説していきます。
ほどよいクッション性
円座クッションは硬すぎず柔らかすぎず、ほどよい弾力のあるクッションがおすすめです。
柔らかいクッションは座り心地がよいのですが、座ったときに沈み込むと同時におしりの肉が動き、傷が引きつれやすいという弱点があります。
一方で硬いクッションはしっかり固定してくれるものの、長時間使用すると腰回りに負担を感じる人もいるようです。
弾力は素材によって変わります。低反発・高反発素材のほか、ビーズなどを使用したクッションもあるので、出産前に好みの感触を確かめておくとよいかもしれません。
患部の範囲に合ったサイズ
円座クッションは、サイズ感も重要な要素です。身長や体重がそれぞれ異なるように、おしりの大きさも人それぞれです。
大きすぎると安定感に欠けますし、小さすぎると座面に触れる部分にだけ負荷が集中してしまいます。
本体だけではなく、穴のサイズチェックも忘れてはいけません。患部がクッションに当たらないよう、十分にスペースが空いているものを選びましょう。
U字型の円座クッションであれば、前面まで大きく穴が開いており、会陰切開からおしりまで広い範囲をカバーできます。
持ち運びのしやすさ
「あちこちに移動して使う」というのであれば、コンパクトな軽量クッションが便利です。
おしりをしっかりと包み込むサイズが理想ではありますが、大きめクッションはそれなりにかさばり、重みもあります。
食事のときは食卓へ、授乳は寝室へと、たびたび移動するのは思いのほか面倒なものです。小さいクッションなら気軽に持ち運べるため、ドライブの車中でも公園のベンチでも使いやすいでしょう。
なお、円座クッションを貸し出ししてくれる病院なら、私物を持ち込む必要はありません。持ち運ぶのが入退院のときだけなら、検診の際に確認しておくと購入商品の候補を絞りやすくなるでしょう。
安定のドーナツ型。おすすめ円座クッション
円座クッションの定番といえば、中央に丸く穴が開いたドーナツ型です。「いかにもケア用」といった雰囲気がないため、産後以降も普段使いできるでしょう。
アルファックス「お医者さんの円座クッション」
低反発ウレタンを使用しており、骨盤に合わせてじんわりと沈み込むような座り心地のクッションです。穴の形状により体圧が分散されるため、座り姿勢の負担が軽減されます。
カバーの片面は毛布などに使用されるマイヤー素材、もう片面は綿と麻素材のリバーシブル仕様です。表裏を返せば季節に合わせて、冬場は温かく夏場はサラリとした肌触りに変更できます。
購入したてはウレタン特有のにおいがきつく感じられるかもしれません。使用前に風通しのよい場所で陰干ししておくと、産後すぐから気持ちよく使えるでしょう。
・商品名:アルファックス「お医者さんの円座クッション」
メイダイ「勝野式 医学博士の低反発円座クッション」
もっちりとした感触がやみつきになる円座クッションです。産後ママの様々な悩みを緩和するため、整形外科医によって考案されました。
おしりの骨のとがっている部分が床で圧迫されないため、背筋をぴんと伸ばした美しい姿勢をキープしやすくなります。姿勢のゆがみからくる腰痛にも効果的でしょう。
裏面は滑り止め付きで、滑らかなイスの座面で使用してもずれにくくなっています。綿パイルのカバーは丸洗いできるので、産後の回復期も安心です。
・商品名:メイダイ「勝野式 医学博士の低反発円座クッション」
HARUSAWA「ヘルスケア座布団」
医学と人間工学がタッグを組んで、快適な座り心地を追求した円座クッションです。人体骨格模型実験に基づいて設計されており、立体的な構造が腰回りにぴったりとフィットします。
女性版と男性版で特徴が異なるため、購入時には注意が必要です。女性版は太ももに当たる部分がアーチ型になっていて、座り姿勢で太ももにかかる圧力を吸収してくれます。
高密度なメモリーフォームが使用されているため、座面に触れている部分への刺激も感じにくいでしょう。本体も中央の穴部分も大きめなので、ゆったりと使いたい人におすすめです。
・商品名:HARUSAWA「ヘルスケア座布団」
広範囲の痛みをカバー。U字型クッション
痛みのケアを重視する場合は、開口部がU字型になっているものがおすすめです。おしり付近からデリケートゾーン全体をカバーできるU字型円座クッションを紹介します。
LOOKIT「病院のU字クッション」
商品名の通り、病院でも使用されている実力派円座クッションです。しっかりとした硬さと厚みがあるので沈み込みすぎず、座面に傷口が当たるのを防いでくれます。
普通のクッションを想像して購入すると、硬すぎると感じるかもしれません。こちらは産後のケアや、腰回りのトラブルに特化したクッションであることを覚えておきましょう。
U型はそのままの構造だと座った衝撃で開口部が広がりやすいのですが、面ファスナー式のベルトが付いているため、ちょうどよい開き具合に調整が可能です。
・商品名:LOOKIT「病院のU字クッション」
IKSTAR「第四世代座布団 低反発クッション」
多くのU字型クッションでは前方に開口部がありますが、こちらのクッションはU字部分を後ろに向けて使う珍しいタイプです。メッシュ地で通気性がよく、夏場も快適に使えます。
低反発素材に加えて座面に絶妙なカーブが付いていて、おしりや太ももがぴったりフィットします。後方に高さがあるため後ろ重心になりにくく、自然に正しい前傾姿勢が取れるでしょう。
有害物質を含まない素材で作られており、厳しい欧州の基準検査「RoHS安全基準」をクリアしています。
・商品名:IKSTAR「第四世代座布団 低反発クッション」
Nexus Spitze「ラ・クッション U字タイプ」
もっとも特徴的な点は、開口部を自由自在に調整できる機能です。通常のままでも開口部は大きめですが、接する面をなるべく減らしたいときは手でぐいっと開けます。
引っ張っても広がりっぱなしにはならず、手を離せば元の形に戻ります。ただし力任せに引っ張ると中身が裂けてしまう可能性があるため、様子を見ながらそっと開くようにしましょう。
カバーは取り外して洗濯機で洗えます。中身の高反発素材は安全基準値をクリアしているため、赤ちゃんのそばに置いても安心です。
・商品名:Nexus Spitze(ネクサスシュピッツェ)「ラ・クッション U字タイプ」
安くても実力派!プチプラ円座クッション
「使うかどうか分からないから、安いもので済ませたい」そんな節約上手なママ向けに、2000円台で購入できるプチプラ円座クッションをピックアップしました。
MOGU「サークルクッション」
1mm以下の極小パウダービーズがおしりをそっと包み込む、ころんとした形の円座クッションです。体に沿って柔軟に形を変えるため、フィット感ではほかに引けを取りません。
ビーズの流動性を生かす伸縮性の生地は、吸湿速乾性にも優れています。ふかふかの感触が心地よく、背当てや枕など幅広く活用できるでしょう。
カラーバリエーションも充実していて、お気に入りの色が見つかるでしょう。「毎日使うなら見た目も大事」という人にぴったりです。
・商品名:MOGU(モグ)「サークルクッション」
Nexus Spitze「ラ・クッション 円座クッション」
やや硬めの円座クッションで、座っても潰れず安定感があります。一般的な高反発素材に比べて密度に偏りがないためへたりにくく、座った姿勢が崩れにくいのが特徴です。
中央の楕円部分も十分な大きさがあり、広い範囲の痛みをカバーできるでしょう。カバー・ウレタン・滑り止め、すべてにおいて乳幼児への安全基準をクリアしています。
前方に向かって30度の傾斜が付いていて、座ったときの太ももへの負担を軽減します。自宅でのお祝いごとや長時間ドライブなど、席を外しにくいときにも重宝するはずです。
・商品名:Nexus Spitze(ネクサスシュピッツェ)「ラ・クッション 円座クッション」
Rozally「円座クッション」
助産師・看護師といった有資格者の監修のもと「産後ママが楽に座れるように」という思いから作られました。
スポンジは国際品質基準を満たした工場で丁寧に形成されており、座り心地と耐久性が自慢の円座クッションです。
重量はわずか400gと軽量で取っ手も付いているため、持ち運ぶ機会が多くてもあまり負担を感じずに済むでしょう。
到着後30日間はカスタマーサポートによる24時間対応のアフターフォローがあるため、届いた商品に不備があったときにはすぐに相談できます。
・商品名:Rozally「円座クッション」
まとめ
本当に円座クッションが必要かどうかは、出産してみないと分かりません。多くの病院では産後ママが過ごしやすい工夫がされているため、傷の様子を見てから検討しても間に合いそうです。
ただ産後の痛みへの不安が強い場合や、腰痛対策など長く使用することが分かっている場合は、早めに準備しておいた方が落ち着いて出産に臨めます。
ひと口に円座クッションといっても、形状・サイズ・クッション性は様々です。それぞれの特徴を見比べて、希望に合ったものを選びましょう。