布おむつと紙おむつのどちらを使うべき?
紙おむつ育児が主流となって久しい一方で、昔ながらの布おむつ育児も根強い人気があります。いったいどちらのおむつを使うのが、本当に赤ちゃんのためになるのでしょうか。
ママも赤ちゃんも無理しないことが大切
結論からいえば、布おむつと紙おむつのどちらを選択しても構いません。大切なことは、ママも赤ちゃんも笑顔でいられることです。
「布おむつ育児をしたい」と思う人は、その気持ちを大切にして、理想の育児に挑戦してみてはいかがでしょうか。
とはいえ無理は禁物です。紙おむつ・布おむつのどちらにも、よいところがあります。メリット・デメリットを踏まえて、上手に併用しているママも多くいます。
例えば、お出かけには紙おむつを、家で過ごすときには布おむつを使うといったように、2種類のおむつを使い分けてみてもよいでしょう。
どこが違うの?2種類の布おむつ
布おむつは、大きく分けて「輪おむつ」「成形おむつ」の2種類があります。使い方や使用感に多少の違いがあるため、まずはそれぞれの特徴を押さえておきましょう。
さらしを畳んで使う「輪おむつ」
輪おむつは輪っかの形をしたさらしで、折りたたんで使用するタイプの布おむつです。一般的に、吸水力は成形おむつよりもよいといわれています。
広げれば薄くなるため、室内干しでもよく乾き、天気を選ばず洗濯できます。たとえ雨が続いても赤ちゃんのおしっこに待ったはきかないので、乾きやすいことは大きなメリットといえるでしょう。
また、輪おむつは簡単にサイズを微調整できます。新生児から、おむつを卒業するまで赤ちゃんはぐんぐん成長するため、折り方を変えて対応できる点はとても便利です。
パッドを替えるだけ「成形おむつ」
成形おむつは、生理用ナプキンのようにあてがうタイプの布おむつです。すでに完成したパッド型になっているので、輪おむつと違って折る手間がかかりません。
重ねる枚数や、おしりを包む範囲などを細かく考えて使う必要はなく、布おむつ初心者でも取り入れやすいでしょう。
赤ちゃんは1日に何度もおむつ替えをするので、毎日何枚もの汚れものが出ます。洗濯から取り込んでそのまま使える成形タイプは、産後で疲れが出やすいママには大助かりでしょう。
ただし便利な半面、生地に厚みがあり乾きにくいのが難点です。雨の多い時期や日差しの少ない冬場は、乾燥機を使うなどの工夫が必要となります。
布おむつのメリット・デメリット
紙おむつの使いやすさが進化する一方で「よいものを自分で選び取りたい」と思うママたちに、布おむつ育児が見直され始めています。布おむつのメリットとデメリットを確認しましょう。
肌触りがやさしい
赤ちゃんの肌は大人より薄く、とてもデリケートです。そのため肌に直接触れる肌着は、なるべく肌に刺激の少ないものが望ましいでしょう。
布おむつは吸湿速乾性に優れた、肌触りがよい素材で作られていることがほとんどです。小まめにおむつ替えをすることで通気性も保たれ、いつもサラサラの気持ちよい状態でいられます。
しかし近年は、紙おむつの性能も大きく向上しており、一概に布おむつの方がよいとはいえません。赤ちゃんの肌状態をよく観察し、どのような素材が合っているのかを見極めることが大切です。
コスパ抜群!買う手間・費用が減る
布おむつと紙おむつの大きな違いといえば、使い捨てする紙性とは異なり、布性は洗って繰り返し使えるという点です。
低月齢の赤ちゃんは1日に10~12回程度はおむつを取り替えます。メーカーにもよりますが、紙おむつで換算すると、1カ月に少なくとも4袋は必要になるでしょう。
布おむつは初期費用こそかかりますが、丁寧にお手入れをしていれば、おむつを卒業するまで使えます。ごみが出ない布おむつは、エコライフを推進する時代の流れに合っているといえるでしょう。
さらにコスト面だけではなく、買い物の手間も減ります。赤ちゃんを連れて荷物を運ぶのは大変です。かさばるおむつがなくなるだけでも、日々の買い物がぐっと楽になるはずです。
トイレトレーニングが進みやすい
「布おむつの赤ちゃんは、おむつが早く外れる」といううわさも耳にすることがあります。布おむつは、ぬれたことが分かりやすく、赤ちゃんが不快に感じやすいからです。
近ごろの紙おむつは水分をスッと吸収するため、少々のおしっこでは蒸れにくくなっています。赤ちゃんが気持ち悪いと思わなくても不思議ではありません。
ただし、トイレトレーニングの進み方には個人差があります。敏感な子どもは、不快感ですぐに反応しますが、なかには汚れたままでもまったく動じない赤ちゃんもいます。
赤ちゃんは自分のペースで成長していくものです。布おむつを使ったからといって、必ずしもおむつ外れが早いわけではないと心に留めておきましょう。
覚えてしまえば簡単!布おむつの使い方
布おむつには手間がかかるというイメージが強いのですが、実のところそれほど扱いが難しいものではありません。布おむつの基本的な使い方と洗い方を見ていきましょう。
布おむつは何枚用意する?
布おむつ育児に必要なものは、以下の3つだけです。
・輪おむつ、または成形おむつ
・布おむつカバー
・予洗い用バケツ
汚れたものはまとめて洗濯するため、布おむつは洗い替えも考えて30~40枚くらい用意します。素材はオーガニックコットン・マイクロファイバー・竹繊維などが主流です。
排せつ物が付いたまま洗濯機に入れるわけにはいかないため、振り洗いや、つけ置き専用のバケツがあると便利です。
布おむつの使い方
輪おむつの基本的な畳み方は四つ折りです。まずは長方形のさらしを縦長になるよう半分に折り、続いて横向きに折って4分の1サイズにします。
新生児のうちはもっと小さく畳んだり、月齢が高くなるにつれさらしを重ねて使ったりなど、赤ちゃんの成長に合わせて使い方を変えていきましょう。
成形おむつはそのまま使えますが、薄手のものは、おしっこを吸収しきれないこともあります。排せつ量によって重ね使いなどの工夫が必要です。
おむつ替えをするときは、まずカバーの上に布おむつを添えます。赤ちゃんのおしりに当てたら、指1本分の余裕を持たせてサイドのボタンを留めましょう。
布おむつの洗い方
布おむつの洗濯には、以下4点の洗剤のうちひとつあれば十分です。
・洗濯石けん
・セスキ炭酸ソーダ
・重曹
・クエン酸
おしっこは、バケツに水と洗剤を入れて、半日程度つけ置きします。うんちの場合は先に取り除き、バケツに水を入れて振り洗いや、もみ洗いして汚れをざっと落としてからつけ置きしましょう。
つけ置きが終わったあとは、通常の洗濯と同じように洗濯機で回します。うんち漏れがなければ、カバーは1日に1回取り替えるだけで問題ありません。
おすすめ布おむつとおむつカバー
布おむつを使うのが初めてのママだと、よい商品を探しにくいかもしれません。使いやすさと肌触りを考慮して、おすすめの布おむつをピックアップしました。
イサム商会「綿100% ベビー布おむつ10枚入」
綿100%・純国産の輪おむつです。吸水性・通気性に優れているため蒸れにくく、漏れの心配を軽減してくれます。
浴衣などによく見られるドビー織りで、表面に小さな凹凸があり、肌に貼り付きにくいのが特徴です。洗濯を繰り返すごとにやわらかくなり、赤ちゃんのおしりをやさしく包み込みます。
新品の状態では、ピンと張っているため、使い始めは少し硬いと感じることがあります。出産前に何度か洗濯して肌なじみをよくしておくと、赤ちゃんもご機嫌で過ごせるでしょう。
・商品名:イサム商会 綿100% 日本製 ベビー布おむつ
Damero「布おむつ 5層竹繊維構造12枚入」
天然の竹繊維が使用された成形おむつです。竹繊維は抗菌力に優れており、昔から食品の保存などにも使用されていた素材です。とてもソフトな手触りで、綿を上回る吸水力を誇るといわれています。
Dameroの成形おむつは、5層構造になっているため、漏れをしっかりガードしてくれるでしょう。保水力が高いだけに乾きにくいため、雨が続くと替えが足りなくなる恐れもあります。洗濯機に乾燥機能がなければ、多めに用意しておく方がよいでしょう。
付属のおむつポーチには、メインのファスナー式ポケットのほか、外側にもポケットが付いています。未使用・使用済みで分けて収納できるため、お出かけするときにも活躍してくれます。
・商品名:Damero 布おむつ 5層竹繊維構造 12枚入
iikuru「おむつカバー 4枚組」
温かみのある北欧風デザインがパッと目を引く、布おむつ専用のカバーです。背中部分に付いたポケットに布おむつをセットできるため、動きが激しくなってもおむつがずれにくい設計となっています。
背中・股部分にたっぷり施されたギャザーと、赤ちゃんの体に合う立体構造で、おしっこが漏れる隙間が少なく、外出時でも使いやすいでしょう。
ウエストだけではなく、股上にもサイズ調整できるスナップボタンが付いています。成長に合わせてボタンを留める位置を変えながら、おむつ卒業まで長く使えます。
・商品名:iikuru おむつカバー 4枚組
Rinenna「布おむつおためしセット」
「布おむつを続けられるか不安…」という人におすすめなのが、成形おむつ5枚・フリーサイズの布おむつカバー1枚がセットになったスターターセットです。
使い心地を試してみて、自信が付いてから買い足してもよいでしょう。もし布おむつ育児を断念したとしても、出費を抑えられます。
低月齢の授乳や睡眠のタイミングが整っていないときは、ママの負担も大きいでしょう。育児に慣れるまで、昼間は布おむつ・夜は紙おむつなど、併用するときにも使いやすいセットです。
・商品名:Rinenna 布おむつおためしセット
まとめ
何よりもいとおしい赤ちゃんを迎えて「できる限り手をかけて育てたい!」と気合いの入るママも多いでしょう。
布おむつは紙おむつに比べると、確かに利便性に劣るのかもしれません。しかし赤ちゃんが生きる未来の地球を守るという意味では、環境にやさしい布おむつに軍配が上がります。
ほかの家事と同じように、慣れてしまえば流れるように布おむつ生活をこなせるようになります。
布おむつ・紙おむつのメリット・デメリットを把握した上で、ライフスタイルに合った布おむつ育児を取り入れてみてはいかがでしょうか。