自律神経を整える食べ物ってあるの?食事や生活習慣のポイントを管理栄養士が解説

自律神経を整える食べ物ってあるの?食事や生活習慣のポイントを管理栄養士が解説

疲れがとれない、眠れない、めまい……など、自律神経の乱れは数々の不調を引き起こすことが知られています。

自律神経を整えるには、食べ物をはじめ、食事や生活習慣を見直すことが大切です。

今回の記事では「自律神経を整える食べ物」「見直したい生活習慣」について、管理栄養士が解説します。

自律神経とは?食べ物で整えることはできる?

自律神経とは、身体の機能を調整する役割を持つ神経です。
この自律神経は2つに分かれており、交感神経は活動をする際に、副交感神経は休息する際に働き、バランスを取りながら身体を調整してくれています。

しかしストレスや不規則な生活などの原因により2つの神経のバランスが崩れると、さまざまな不調を引き起こすことがあります。

【自律神経が乱れることによる症状の例】
疲労感、不眠、めまい、立ちくらみ、頭痛、動悸、息切れ、下痢、便秘、冷え、情緒不安定、イライラ、不安感…など

自律神経を整える食べ物ってあるの?

自律神経を整えるのに役立つ食べ物は、トリプトファンやGABAを含む食べ物、腸内環境を整える食べ物などがあります。

しかし、食べ物はあくまで補助的な手段です。
自律神経を整えるには、乱れる原因となっている生活習慣やストレスなどへの対策が大切です。

まずは食べ物の紹介をしますが、のちほど紹介する自律神経の整え方もチェックしてくださいね。

トリプトファンを含む食べ物

トリプトファンは必須アミノ酸の一種で、体内で合成されないため食べ物から摂る必要があります。
また、トリプトファンは脳内の神経伝達物質であるセロトニンの材料となる栄養素です。

セロトニンは精神の安定に関わる働きをしており、不足することで攻撃性が高まったり、気分の落ち込みが見られたりすることがあります。
また、良質な睡眠に関わる働きも知られており、自律神経を整えるうえで役割が期待されます。

トリプトファンを含む食べ物は、大豆製品、魚介類、乳製品、卵類、肉類など、たんぱく質を含むものです。

【トリプトファンを含む食べ物】
納豆、豆腐、鮭、まぐろ、かつお、さば、チーズ、ヨーグルト、牛乳、鶏卵、鶏むね肉、鶏ささみ、豚もも肉…など

GABAを含む食べ物

GABA(ギャバ)はγ-アミノ酪酸といい、たんぱく質に含まれないアミノ酸です。
リラックス効果や疲労軽減効果があるとされ、注目されている成分です。

自律神経を乱す原因となるストレスの緩和を期待して、意識して取り入れるとよいでしょう。

GABAは野菜や大豆、発酵食品などに含まれています。
とくにトマトの含有量は高いことが知られており、最近では「高GABAトマト」というものも販売されています。
見かけたら手に取ってみるのもよいでしょう。

【GABAを含む食べ物】
トマト、なす、にんじん、大豆、豆腐、納豆、ヨーグルト、キムチ、発芽玄米…など

腸内環境を整える食べ物

腸と脳は密接な関係があり、腸内環境と自律神経も関連があることがわかってきています。

たとえばストレスが続くと腸内環境が乱れることが知られていますが、反対に腸内環境が乱れることでも、自律神経への影響があると考えられています。

まだはっきりとしたメカニズムはわかっておらず影響の程度もわかりませんが、腸内環境を整えることでのデメリットはないため、整えるに越したことはないでしょう。

「腸で善玉菌として働く乳酸菌を含む食べ物」と「善玉菌を増やす役割のある食物繊維やオリゴ糖を含む食べ物」の2つを取り入れ、腸内環境を整えましょう。

【乳酸菌を含む食べ物】
ヨーグルト、チーズ、ぬか漬け、納豆など

【食物繊維やオリゴ糖を含む食べ物】
ブロッコリー、オクラ、大豆、玉ねぎ、ごぼう、バナナなど