女性の育児休業期間はいつまで?
女性の育児休業期間は、いつからいつまでなのでしょう。産休と育休の違いや、それぞれで取得可能な期間を紹介します。
産休後から子どもが1歳になるまで
女性の育児休業は「産休後から、子どもが1歳になるまでの期間」が該当します。産後休業は出産後、8週間までです。
例えば、2023年1月28日に出産した場合、2023年1月29日~2023年3月25日までが産休となります。育児休業期間は、2023年3月26日から子どもが1歳になる誕生日の前日までです。
これまで育児休業は原則として1回まででしたが、2022年10月に制度が改正されたことにより、育休を分割して2回まで取得できるようになりました。夫婦交替で育児を行いたい場合や、いったん職場に復帰して再び育休に入る場合などで活用できます。
産休の期間は産前産後
産休は出産前後の女性が取得する休業制度のことで、産前休業・産後休業を合わせた呼び方です。雇用形態に左右されず、出産を予定している女性は一定の条件を満たせば誰でも産休を取れる決まりがあります。
産前休業は出産予定日の「6週間前」から、会社に申請して任意で取得します。双子以上の場合は14週間前から取得が可能です。一般的には、産前休業を取得する際に産後休業の申請も行うことが多いといえます。
産後休業の期間は出産後「8週間」です。産前休業は任意ですが、産後休業は必ず取得しなければなりません。原則として産後8週間は就業できないルールがありますが、医師の判断によっては出産してから6週間経過すれば働ける場合もあります。
男性の育児休業期間はいつまで?
男性も女性と同様に育児休業を取得できますが、男性は出産するわけではないため、開始日が異なります。いつからいつまで育休を取得できるのか見ていきましょう。
妻の出産予定日以降1歳になるまで
男性の育児休業の開始日は、「子どもが産まれた日から1歳になる誕生日の前日まで」です。
育休は出産予定日以降であれば取得でき、出産日でも予定日が来て入院したタイミングでの取得でも可能です。申請期限の目安は1カ月前までで、育休中の就業は原則として認められていません。女性と同様に、2回まで分割して取得できます。
また、これまでは従業員が妊娠・出産した場合に、事業主の義務は育休について個別周知の努力をするだけでしたが、2022年4月に法律が改正され、育休制度の伝達や育休を取得するかどうかを確認する義務が設けられました。
「産後パパ育休」の期間
2022年10月1日から、男性が出生時育児休業を取れるようになりました。子どもの出生後8週間以内に4週間までの育休が取れる制度で、通称は「産後パパ育休」です。女性の産休と取得時期が近いことから、男性産休とも呼ばれます。
産後パパ育休は2回まで分割して取得できて育休との併用も可能なため、男性は最大4回に分けて育休の取得が可能になりました。労使協定を締結しているときは、限定的に就業することも可能です。申請期限は原則として休業の2週間前までです。
育児休業の延長も可能
育休の終了期間が迫っていても子どもを預ける場所が確保できない場合は、仕事に戻ることは難しいでしょう。育休の延長が可能になる例や、申請方法などを解説します。
最長で2歳まで延長できる
育児休業の期間は子どもが1歳になるまでです。しかし、適用条件に該当すれば延長や再延長が可能になります。
育休を終えて働き始めたいのに、「子どもを預ける場所がどうしても確保できない場合」は、働きたくても子どものそばから離れられません。
例えば、保育所が定員オーバーで入所できない場合や、離婚・病気・死別などが原因で養育者が子どもと同居できなくなった場合などに、育休の延長が認められます。
延長期間は1歳6カ月までと2歳までに分けられています。1歳6カ月の誕生日が近づいても、いまだに保育所に預けられる環境にないなど状況が改善されないときに、2歳までの延長を申請する流れです。
期間の途中でも夫婦交替できる
育児・介護休業法の改正により、育児休業を延長する場合の休業の開始日が柔軟になりました。
育児休業の延長中に夫婦交替で育休を取得するとき、1歳6カ月~2歳までの期間のそれぞれで「延長交替」として育休の取得が認められ、各期間の途中であったとしても夫婦交替で育休を取得できます。
1歳~1歳6カ月と1歳6カ月~2歳の各期間中、夫婦それぞれ1回のみ育児休業給付金を受け取れる仕組みです。
ただし、夫か妻のどちらかが育休を取得している必要があり、育児を行っている人がいない期間が生じるような交替方法は認められていません。
参考:1歳以降の延長について、柔軟に育児休業を開始できるようになります|厚生労働省
延長する場合の申請方法
延長の必要がある場合、1歳の誕生日前日の「2週間前まで」に勤務先に連絡します。再延長する場合も、1歳6カ月になる翌日の2週間前までに申請しなければなりません。育児休業給付金も併せて申請しましょう。
延長する理由によって必要な書類が異なります。例えば保育所が見つからなかった場合は、保育所に入所できないことを証明する通知書が必要です。
子育てをする予定だった配偶者が死亡したときや離婚したときは、住民票の写しと母子健康手帳が必要になります。配偶者が病気になるなどの事情があって養育が困難になったときは、医師の診断書などを用意しましょう。
まとめ
育児休業の開始期間については、男女によって異なる点を押さえておきましょう。終了期間はいずれも子どもが1歳になるまでですが、子どもを預ける場所が確保できなかった場合は、申請すれば延長が認められるケースがあります。
男性は育休と産後パパ育休を利用すれば、最大で4回まで分割して育休を取れるようになったので、これまでよりも柔軟性のある育児ができるでしょう。
分割して育休を取得すれば、子どもが生まれた直後や妻が復帰する直前などに必要なサポートができるようになります。