多産DVとは?夫による支配から逃れるために知るべき6つのこと

多産DVとは?夫による支配から逃れるために知るべき6つのこと

3、多産=DVではない!多産DVの可能性が高いケースとは

多産の場合が全てDVに該当するかというと必ずしもそういうわけではありません。女性の側がたくさん子どもを欲しいと考え、女性の意思で多産になっているケースもあります。夫婦の双方が子だくさんを望んでいるのであれば、DVの問題には該当しません。

そのため、多産DVなのかどうかは慎重に判断する必要があります。一般には以下の基準をもとに多産がDVなのかどうかが判断されます。

(1)4人以上出産している

多産DVかどうかの判断基準の一つが子どもを4人以上出産していることです。もちろん、子どもをたくさん生むことを自ら望んで子どもを4人以上出産する女性もいますが、中には女性の意思にかかわらず子どもを何人も生まされている女性もいます。

「4人」というのは、あくまでも目安です。夫婦の経済状況や生活状況なども考慮して、女性側が望まないほど多数回、妊娠・出産させられている場合には、この基準を満たすといえます。

(2)出産・妊娠のサイクルが早い

出産・妊娠のサイクルが早いことも多産DVが疑われる一つの要因です。特に、まだ年齢が若いにもかかわらず、子どもを出産した後すぐに妊娠しているケースでは、出産後すぐに性行為を強要され避妊もしてもらえていないことが疑われます。

(3)出産と出産の間に中絶がある

多産DVの被害女性の中には、出産と出産の間に子どもを中絶している女性が少なくありません。女性本人の「生む・生まない」という意思とは関係なく、男性側が「中絶しろ」と言えば従わざるを得ないような主従関係がある場合、中絶を余儀なくされる多産DVの被害女性もいます。

また、多数回の出産に加えて中絶もしている状況では、かなりの頻度で避妊なしの性行為を強要されているということも窺われます。

(4)夫が避妊をしてくれない

女性側としては、体力的・経済的問題も考え「今は子どもを生みたくない」「これ以上子どもを増やしたくない」と考えたとしても、夫が避妊してくれなければ妊娠してしまうリスクがあります。産婦人科医が女性に問診をしている中で「夫が避妊をしてくれない」という事実が発覚する場合もあります。

避妊を求めたところ、暴言や暴力を持って拒否されるような状況であれば、まさにDVに該当するといえます。

4、多産DVに遭っている妻がとるべき対処法

では、多産DVに遭っている妻はどうすればいいのでしょうか?多産DVには困っていても夫のことは好きである人や、避妊をしてくれるなら性行為には応じてもいいと考えている人等、人によって考え方は異なります。自分の気持ちを確認しつつ、以下の対処法を検討していきましょう。

(1)夫に気付かれないように避妊する

避妊ができるなら性行為に応じること自体は問題ないと考えている女性は、夫に気づかれないように避妊するのも一つの選択肢です。女性側でできる避妊の方法としては、ピル(経口避妊薬)、子宮内避妊具、不妊手術、緊急避妊ピル等があります。

もっとも、それぞれの避妊方法にはデメリットも存在し、人によっては副作用がある場合もあるので、ご自身の身体を考慮し、医師にも相談しながら試しましょう。

(2)夫と話し合う

昔ながらの考え方を持っている男性の場合、子どもは4人、5人とたくさん生むのが当たり前と考えている可能性があります。多産がDVになることを知らず、男性側に悪気がないケースもありますので、一度夫と話し合ってみるのも良いでしょう。

ただし、多産だけでなく夫の身体的暴力や暴言がひどい場合もありますので、そのような場合は身の安全を第一に考え、無理をせず夫と距離を置くことを考えた方がよいでしょう。

(3)第三者に相談する

多産DVに限ったことではありませんが、DVの被害女性は「私さえ我慢すればうまくいく」「子どもに危害が及ばないように私が我慢する」などと考え、精神的に追い込まれていく人が多いものです。DV被害を一人で抱え込んでしまうと、あなた自身がうつ病をはじめとした病気になってしまうリスクもあります。ひとりで抱えこまずに専門的な機関に相談しましょう。

具体的な相談機関としては、何を望むかにより以下のような相談先が挙げられます。

まず相談だけしたい場合は、DV相談ナビ(男女共同参画局)へ
DVの治療を検討するなら専門の医院へ
保護を求めたいなら配偶者暴力支援センターへ
身体の危険を感じる状態なら警察へ
DVを原因とした離婚を相談したいなら弁護士へ

また、現在妊娠中で産婦人科に通院している場合は、産婦人科医に相談してみるのも良いでしょう。

相談先の詳細については以下の記事もご参照ください。

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