多産DVとは?夫による支配から逃れるために知るべき6つのこと

多産DVとは?夫による支配から逃れるために知るべき6つのこと

5、多産DVの夫と離婚する方法

多産DVの被害を受け続ける生活に耐えきれなくなった人は、多産DVの夫と離婚することを検討している人もいるでしょう。ここでは多産DVの夫と離婚する方法について解説します。

(1)暴力や暴言がひどい場合は別居する

夫の暴力や暴言がひどい場合は、別居を検討してみましょう。「夫婦なのに別居するのは良くない」と考える人もいますが、あなたの身体的・精神的安全をまずは確保しなければなりません。夫と住んでいる家を出たらどこも行くあてがない人は、シェルター等で保護してもらうことも一つの選択肢です。

(2)DVの証拠を確保する

夫と離婚するには、DVの証拠を確保できていると心強いです。DVを繰り返す男性は離婚に応じてくれないことも多いので、その場合、離婚するには裁判手続きまで進む可能性があります。その際、何の証拠もなくDVの事実を裁判所に認めてもらうことは難しいので、裁判所でDVの事実を認定してもらうためにも証拠の確保を意識しておきましょう。

ただし、暴力や暴言がひどい場合は、証拠の確保よりも身の安全を守ることを優先してください。

(3)間接的な方法で夫と話し合う

夫のDVが繰り返されている場合、離婚の話をすれば夫から何をされるかわからないという人もいるでしょう。夫と会って直接離婚の話し合いをすることが危険な場合は、メールや手紙でのやり取りをしたり第三者を間に入れて話し合いをしたりするなど、間接的な方法で夫との話し合いを進めましょう。

第三者を間に入れる場合は親族や友人に協力を依頼するのもよいですが、一般の方では公平な立場で話し合いを進められなかったり、トラブルに対処しきれなかったりするおそれもあります。できる限り、弁護士に依頼して間に入ってもらう方がよいでしょう。

(4)離婚調停・離婚訴訟を視野に入れる

夫と離婚の話し合いがうまく進まない場合は、離婚調停・離婚訴訟も視野に入れていきましょう。

離婚調停とは、家庭裁判所において夫婦が離婚問題について話し合う手続きのことであり、家庭裁判所の調停委員が間に入って話を進めます。調停委員を交えた話し合いで合意に至れば、調停は終了となり離婚が成立します。

離婚調停では、調停委員を味方につけることが大切です。耐えがたいほどのDV被害に遭っていることを理解し、信じてもらうことが重要となってきます。そのためには証拠を提出することも重要ですが、仮に証拠が不十分であったとしても、調停委員に実情をわかりやすく伝えることができれば、離婚する方向で話し合いを進めてもらえる可能性があります。

調停期日を重ねても合意に至らない場合は調停不成立となり、離婚訴訟に進むことになります。訴訟では、証拠を持って事実が認定されますので、DV被害を証明できる証拠を提出することが不可欠となります。人の供述も証拠となりますので、別居前に客観的な証拠を確保できなかったとしても諦める必要はありません。弁護士に相談して有力な証拠の収集を進めるようにしましょう。

6、多産DVの問題を弁護士に相談・依頼するメリット

多産DVの被害を受けている場合、通常は妻に比べて夫が優位に立ち支配・非支配の関係が成り立っていることが多いものです。そのため、妻が何かを主張しても夫が受け入れてくれる可能性が乏しいケースもあるでしょう。そのような場合は弁護士への相談・依頼をご検討ください。

(1)身を守る方法をアドバイスしてもらえる

弁護士はDVや離婚に関する知識が豊富ですので、DV被害に遭っている人の身を守る方法についてアドバイスをしてくれます。DV被害に遭っている人の中には、DVの相談先や避難場所を知らない人も多いので、まずは一度弁護士にご相談ください。

弁護士に依頼して、シェルター等への入居の手配をサポートしてもらったり、接近禁止命令の申立てなどをしてもらうことも可能です。

(2)適切な離婚条件についてアドバイスが受けられる

離婚する際には、子どもの親権、養育費、慰謝料、財産分与など、様々な離婚条件を取り決める必要があります。

DVの事案では、被害者側が「別れてくれるのなら何もいらない」とばかりに、一方的に不利な離婚条件を呑んでいるケースが少なくありません。しかし、いくらDV被害に遭っていても、適切な離婚条件をしっかりと獲得しなければ後悔することになりかねません。

離婚条件としてどのような内容を請求できるのか、相場はどの程度なのか、といった点についても弁護士からアドバイスをもらい、検討していきましょう。

(3)離婚手続きを代行してもらえる

DV被害を受けている人が一人で離婚手続きを進めていくのは相当難易度が高いです。また、夫と顔を合わせるだけで気が滅入ってしまう人もいるでしょう。

弁護士に依頼をしておけば、弁護士があなたの代理人として離婚手続きを代行してくれます。そのため、書類作成や証拠の準備、相手との話し合い等については基本的に全て弁護士が行いますので、手続きを遂行する労力や精神的負担から解放されます。

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