なぜ「突然」、それはやってくるのだろうか。本当は突然ではなく、積み重ねの結果なのだろうけど、だとしたらその原因は? 夫婦再生カウンセラーの下木修一郎さんに聞いた。
「突然夫に『別れよう』と言われた女性の相談はよく受けます。特に目立つのは、ダンナさんたちに『性格が優しい』という共通点があることです」(下木さん 以下同)
女性側にとって、優しい男性は結婚相手として大きなメリットがあるもの。実際、優しい男性と結婚した女性に、理由を聞くと、「私を受けとめてくれたから」「私の話をよく聞いてくれたから」「良い夫・父親になりそうだから」などと言うことが多いそう。
「でも、そういうケースに限って、突然別れがきます。女性は自分の安心のために結婚する人が多いもの。でも、優しいダンナさんはワガママを聞いてくれるし、理解してくれるだけに、結婚するとすぐ女性側が『〇〇してもらって当たり前』と思ってしまうのです」
●妻の無関心が、夫を浮気へ走らせる!?
性格の優しい人は基本的に、気遣いができる人であり、相手の望むことを察知する力の高い人だそう。ただし、その「察する力」が、後に結婚生活の破綻につながるという。
「察する力が強いと、次第に、妻が自分を気遣ってくれていないことも分かってしまいます。それでも最初は『僕がガマンすればうまくいく』『いつか分かってくれるだろう』という期待値で、奥さんのために頑張ってくれます。でも、それが限界を超えると、離婚につながるのです」
夫が「別れたい」と言い出すときには、原因は「浮気」と思いがち。だが、浮気はあくまでひとつのきっかけに過ぎないそう。
「優しい男性が浮気する場合、それは奥さんよりも自分を分かってくれる人、評価してくれる人というケースが多いです。会社でうまくいっていないときや精神的に弱っているとき、自分を理解してくれる人や、自分を頼って感謝してくれる人がいると、そちらに気持ちが向くのです」
浮気が水面下で進行していっても、優しいダンナさんの奥さんは油断しているので、気づかないケースが多いそう。なかには、後になって「オレの浮気に気づいてほしかった。オレに関心がないことがよく分かった」と言う男性もいるそうだ。
ダンナさんが優しい場合、それにあぐらをかくのではなく、日頃から相手に関心を持つこと、きちんと感謝の言葉を伝えることが必要かも。
(田幸和歌子+ノオト)