
●気付きにくい乳歯の虫歯
乳歯は永久歯と比べ、歯質が弱く、エナメル質の厚さも1/2程度。乳歯の虫歯は、歯と歯の間にできやすく、白いままの虫歯が多いため、見た目に大きな変化がないのだとか。また、子どもの痛覚は未発達で、痛みも出にくく、虫歯に気づかないまま進行してしまうことも多いようです。
●乳歯の治療法
大人の虫歯の治療と言えば、削って詰め物をするのが一般的。しかし、乳歯は段階によって治療方法が異なります。以下にまとめました。
1)初期の白く濁った虫歯の場合:歯を削らず、フッ素を塗って歯を強くする
2)進行していた場合:歯を削ってプラスチックを詰める
3)神経にまで達していた場合:神経を切断
神経のない乳歯は、永久歯が生えてきても自然に抜けないことがあるそう。その場合は、抜歯が必要になります。
●予防は2歳までが肝心!
虫歯菌に感染するのが遅ければ遅いほど、虫歯になるリスクは減少するため、2歳までの予防が肝心になります。幼児期の虫歯は、ほとんどの場合、親が感染源。大人が使ったスプーンでご飯を与えたり、口移しで食べさせることは、極力控えた方がいいかもしれません。
歯磨きは毎日するのはもちろん、寝る前にはしっかり磨いてあげましょう。また、歯と歯の間が虫歯になりやすいので、デンタルフロスを使うとさらに効果的。歯磨きが終わったら、フッ素ジェルや洗口液を使うのも◎。
●心配な場合は歯医者さんへ
歯医者さんは治療だけでなく、予防もしてくれます。フッ素塗布や奥歯をプラスチックでコーティングするシーラントという予防法があります。しっかり歯をクリーニングしてもらってから、併せてやってもらうとよさそう。保険が適用になるところもいいですね。
乳歯の虫歯は、永久歯の黄ばみや歯並びに影響してしまうこともあるのだそう。できる限りの予防と、早めの治療を心がけてください。大人になっても、健康な歯でいられるようにしてあげたいですね。
(文・姉崎マリオ/考務店)