おくるみに期待できる効果と使い方
赤ちゃんにおくるみを使うと、どのような効果が期待できるのでしょうか?おくるみを巻くことで期待できる効果を、使い方と併せて紹介します。
モロー反射の予防と保温に効果的
赤ちゃんの体をすっぽりと包むおくるみは、モロー反射の予防に効果的です。赤ちゃんがびっくりしたように両手・両腕を開くモロー反射は、音・光などの刺激があったときに起こる正常な反応です。
一方で、寝ていた赤ちゃんがモロー反射を機に目を覚まし、なかなか寝てくれなくて困っているという親は少なくありません。
また、赤ちゃんは体温調節が未熟なため、寒い季節はとくに体が冷えやすくなります。赤ちゃんの体を包むおくるみはモロー反射を予防できると同時に、保温にも役立つのです。
参考:子どもの保健 I -子どもの健康と安全を守るために-|学建書院|学術図書出版(歯学書、栄養学書)
呼吸しやすいように余裕をもたせて巻く
新生児から生後3カ月ごろまでの赤ちゃんには、体をしっかりと包み込む基本巻きがおすすめです。一般的な基本巻きの手順は、以下の通りです。
(1)おくるみをひし形になるように置く
(2)頭の部分を折り、赤ちゃんの肩が沿うように寝かせる
(3)赤ちゃんの右腕を体の横に伸ばす
(4)左側の布で、赤ちゃんの左腕は上に出るようにして、右腕側に包み込む
(5)足元の布で赤ちゃんの左腕を固定し、肩の後ろに挟む
(6)右側の布を反対側に巻き込んで完成
赤ちゃんの胸とおくるみの間に、親の手が入る程度の余裕を持たせておくことで、呼吸を邪魔したり、体温が上がりすぎたりするリスクを減らせます。
一方で、おくるみを巻いたまま赤ちゃんが寝返りをすると、窒息や「乳幼児突然死症候群(SIDS)」を引き起こす可能性が高まると考えられています。
事故を防ぐためにも、赤ちゃんが寝返りを始めたらおくるみの使用を控えることが大切です。
参考:Vol.425 乳幼児突然死症候群(SIDS)を知っていますか? | 消費者庁
おくるみ選びのポイントは?
様々な形・色のおくるみが販売されています。赤ちゃん・親が快適に使えるおくるみを選ぶためには、サイズ・素材を意識することが大切です。
赤ちゃんの体を包みやすいサイズ
赤ちゃんが不快にならないおくるみを選ぶためには、サイズが合っているかを確認するのが前提です。赤ちゃんの身長よりも20~30cmほど大きいサイズのおくるみを選んでおくと、余裕を持たせて包めます。
身長が50cmほどの新生児であれば、70cmサイズのおくるみがおすすめです。生後1カ月ごろに行うことの多いお宮参りには、100cmサイズのおくるみを使う方法もあります。
120cmサイズの大きいおくるみは長く使える反面、新生児の体を包むのには向きません。赤ちゃんの身長に合わせたサイズのおくるみなら、親も使いやすいでしょう。
季節に合わせた素材
赤ちゃんは体温調節の機能が未熟なため、おくるみに使われている素材をチェックすることも大切です。
夏は通気性のよいガーゼ、冬は防寒対策に役立つフリースというように、赤ちゃんの生まれた季節を基準にしておくるみの素材を選ぶ方法もあります。
ただ、薄手・厚手の生地は、限られた季節しか使えないのが難点です。コットン素材のおくるみは季節を選ばない上に手入れもしやすく、汚れ・しみなどを気にせず使えます。
使い勝手がよい「1枚布タイプ」のおくるみ
広げると正方形・長方形になる1枚布タイプのおくるみは、赤ちゃんの成長に合わせて使い方を変えられるのが特長です。退院・お宮参りから普段使いまで、1枚タイプのおくるみを3つ紹介します。
10mois(ディモワ)「たまごマットおくるみCLOUD」
振動が伝わりにくく、温度変化が少ないクッションを使用した、赤ちゃんにやさしいおくるみです。
白を基調とした上品なデザインのおくるみは、お宮参り・退院用などのお祝いの場所でも活躍します。本体の素材にはコットンを採用し、1年中使えるのもポイントです。
赤ちゃんの体を安定させるために付いている「たまごマット」は、取り外しができます。赤ちゃんの成長に合わせてブランケットとしても使えるので、昼寝やベビーカーで散歩をする際にも便利です。
・商品名:10mois(ディモワ)「たまごマットおくるみCLOUD」
サラノニ「コットンモスリンスワドル」
アメリカに拠点を置く家族経営の企業「サラノニ」が開発したおくるみには、子育て中の親にうれしい便利なポイントが詰まっています。通気性・吸水性のあるモスリンコットンを使ったおくるみは、触り心地がやわらかくて季節を選びません。
1辺が119cmの大きな正方形型で、おくるみ以外に授乳ケープ・ブランケット・プレイシートとしても使えるのもポイントです。
30度のお湯までなら洗濯機が使えるので、赤ちゃんのミルク・よだれなどの汚れを気にしないで使えます。柄が違うおくるみが2枚入った商品なので、毎日洗濯をして清潔に使うことも可能です。
・商品名:サラノニ「コットンモスリンスワドル」
BAREFOOT DREAMS「the Scalloped Receiving Blanket 551」
1994年にアメリカで誕生した「BAREFOOT DREAMS」のブランケットは、おくるみとしても使えます。アイボリーのほかにピンク・ブルーもあり、色によって柄が違います。
ポリエステル100%で吸水性・通気性がある上に、1年中使用できるので普段使いにもおすすめです。
レースの縁取りがおしゃれな長方形型のブランケットは81×73cmの大きさで、体の小さな新生児にも使えます。
・商品名:BAREFOOT DREAMS「the Scalloped Receiving Blanket 551」
お風呂上がりにも便利な「フード付き」のおくるみ
フードが付いたおくるみは、お風呂上がりの冷え対策にも役立ちます。フード付きのおくるみには、コットン・ガーゼなどの素材を使った商品がおすすめです。
白雲(HACOON)「Hooded Towel」
質の高さでも知られる「今治タオル」が手掛ける白雲のおくるみは、職人のこだわりが詰まった日本製です。
本体にはくまの耳をイメージしたフードが付いているので、お風呂上がりの赤ちゃんの頭・体をふわふわのタオルで包めます。
コットン素材で軽くて洗いやすいのはもちろん、やわらかなパステルカラーで見た目もおしゃれです。寝返りを始めるまではおくるみ、それ以降はバスタオルというように、赤ちゃんの成長に合わせて使い分ける方法もあります。
・商品名:白雲(HACOON)「Hooded Towel」
Coco Moon「Aloha Hooded Towel Set (フード付タオルセット)」
ハワイのマウイ島で生まれたブランドが手掛けるおくるみは、まさにハワイらしさがあふれているデザインが特徴的です。
フード付きのバスタオルとウォッシュタオルがセットになった商品で、いずれも30度以下であれば洗濯機を使って洗えます。
フード付きのバスタオルは1辺が85cmの正方形型で、新生児用のおくるみにもぴったりです。おくるみを卒業してからはバスタオル・ブランケット・マットなど、使い道が豊富なので新生児から幼児まで長く使えます。
・商品名:Coco Moon「Aloha Hooded Towel Set (フード付タオルセット)」
Kontex「マカロン フード付バスタオル」
今治タオルをオリジナルで展開するブランド「Kontex」のバスタオルも、赤ちゃんを包むおくるみにぴったりです。
吸水性のあるコットン100%の素材で胸元にはスナップが付いているので、慌ただしいお風呂上がりの湯冷め防止にも役立ちます。ふんわりとしたパイル・ガーゼ素材の「ソフトガーゼ」は、マカロンのようなやわらかな触り心地が特長です。
新生児から小学校低学年ごろまでに対応したパステルカラーのバスタオルは、おくるみを卒業してからも長く使えます。
・商品名:Kontex「マカロン フード付バスタオル」
簡単に装着できる「固定タイプ」のおくるみ
1枚タイプのおくるみは便利な反面、はだけやすいのが難点です。固定タイプのおくるみなら、面テープ・スナップ・ポケットなどで簡単に赤ちゃんの体を包めます。
Summer Infant「スワドルミー おくるみ」
ぴったりと赤ちゃんの体を包む小さめ設計のおくるみは、母親の胎内に近い環境を再現します。コットン100%で季節を選ばない上に、洗濯機を使って洗えるのが特長です。
S/M・Lのサイズが展開されており、赤ちゃんの足をポケット部分に入れ、面テープを付けるだけで簡単に包めます。
小さめに設計されているため、ゆったりとした着用感を希望する場合には、ひとつ大きいサイズを選ぶとよいでしょう。
・商品名:Summer Infant「スワドルミー おくるみ」
Combi mini「星型ボアおくるみ」
毛足の長いボア素材が使われたおくるみは、冬の寒さから赤ちゃんをやさしく守ります。ココア色のシンプルなデザインなので、赤ちゃんの性別を選ばないのもポイントです。
広げると星型になるおくるみには、かわいらしい耳をあしらったフードが付いています。そで口・足口を裏返すと手足をすっぽりと包めるため、寒い季節のお出かけにも便利です。
50~70cmとサイズに幅があるので、新生児期を過ぎてからも使えます。
・商品名:Combi mini「星型ボアおくるみ」
ミラクルブランケット「魔法のおくるみ」
アメリカで誕生したミラクルブランケットは、200万人以上の赤ちゃん・親から愛されている商品です。
両足がすっぽりと入れられるポケットと、両腕を包む「アームフラップ」で赤ちゃんの体を固定し、母親の胎内に近い状態をつくります。
おなかの中にいたときのような安心感を得られるため、赤ちゃんの夜泣き・ぐずりの対策にも効果的です。
無地・アニマル柄・星柄など、デザイン・色の種類が豊富なので、好みに合わせて選べます。
・商品名:ミラクルブランケット「魔法のおくるみ」
プレゼントにもおすすめ「人気ブランド」のおくるみ
デザイン性・質のよさに力を入れた人気ブランドのおくるみは、自分の子に使うのはもちろんプレゼントにもおすすめです。幅広い年代から人気のある日本・海外のブランド製おくるみを、4つ紹介します。
aden+anais(エイデンアンドアネイ)「モスリンスワドル 3枚セット(ディズニー ベビー)」
通気性のよいモスリンコットンを使用したおくるみは、1辺が120cmの正方形型です。やさしい色合いで描かれたディズニーキャラクターのデザインは、ふんわりとした赤ちゃんの雰囲気にマッチします。
デザインが違うおくるみが3枚セットになっているので、洗い替えはもちろん、お出かけ用・自宅用と使い分けることも可能です。大判のおくるみは、プレイマット・授乳ケープなど、様々なシーンで活躍します。
・商品名:aden+anais(エイデンアンドアネイ)「モスリンスワドル 3枚セット(ディズニー ベビー)」
ミキハウス ベビー「アフガン 無撚糸素材(おくるみ)」
ベビー・子ども用品を扱うミキハウスのおくるみは、やさしい色合いの白・ピンク・ブルーから選べます。
フード部分には動物と「MIKI HOUSE」のロゴが刺しゅうされており、シンプルなデザインながら質のよさを感じられる商品です。
よりをかけずに紡いだ糸を使ったやわらかい手触りで、生まれたばかりの赤ちゃんの抱っこ・体温調節などにも役立ちます。
1辺が85cmほどの正方形型のおくるみでコットン100%で伸びもよく、普段使いはもちろん、退院・行事にも便利です。
・商品名:ミキハウス ベビー「アフガン 無撚糸素材(おくるみ)」
kashwere「ベビーブランケット センターストライプ&キャップ」
カシミアのようにやさしい手触りの素材を使ったブランケットは、新生児用のおくるみとしても使えます。
1年中使える上に家庭で洗濯したり、乾燥したりすることも可能です。シンプルで上品なデザインは見た目もおしゃれで、同じ色の帽子が付いています。
1辺が78cmの正方形型なので、退院用のおくるみはもちろん、赤ちゃんが遊ぶマットやブランケットとして使うのもひとつの方法です。
・商品名:kashwere「ベビーブランケット センターストライプ&キャップ」
gelato pique「【BABY】コアラ柄ブランケット」
バスローブ・パジャマなどでも人気のgelato piqueからも、赤ちゃん用のおくるみが販売されています。
表地には汚れを取りやすいカットソー素材、裏地にはやわらかいパイル地と、素材にこだわっているので新生児から使用することが可能です。
1辺が75cmという正方形型のおくるみは、退院用として使用するのにも向いています。やさしいタッチで描かれたコアラはおしゃれな上に、灰色・白を基調とした色遣いで性別を選ばないのもポイントです。
・商品名:gelato pique「【BABY】コアラ柄ブランケット」
まとめ
おくるみは、赤ちゃんの快適な眠りを妨げるモロー反射を防ぐのに役立ちます。また、自力では難しい体温調節を促す効果が期待できるため、赤ちゃんの眠りをサポートすることが可能です。
赤ちゃんに使うおくるみには、身長に合ったサイズで、季節に適した素材が使われている商品を選ぶのがポイントです。
広げて使える1枚布タイプは、プレイマット・ひざかけなど、おくるみとは違う使い方もできます。包みやすさを重視するのなら、面ファスナー・ポケットなどが付いた固定タイプもおすすめです。
目的・用途に合ったおくるみを選んで赤ちゃんの快適な睡眠を促し、育児の負担を軽減させましょう。