赤ちゃんの便秘を見極めるには?便秘の原因や対処法も紹介

第194回 みんなが共感!ママのお悩み
赤ちゃんは自身の不調を言葉で伝えられません。赤ちゃんの便は健康状態を知る手がかりのひとつです。便秘になると、健康上の問題が起きているのではないかと心配になるでしょう。赤ちゃんの便秘を見極めるポイントや、対処法などを紹介します。

赤ちゃんの便秘を見極めるポイント

赤ちゃんは消化器官が未熟なので排便の回数が安定しにくく、便秘になっているのかいないのか判断しづらいことがあります。速やかに必要な対策を取れるように、見極めのポイントをチェックしましょう。

排便の回数が週に3回以下

腸の発達には個人差があるので、同じ月齢の赤ちゃんでも排便の頻度や量は様々です。

一応の目安として「排便が週に3回以下程度」「5日以上排便がない」状態だと、便秘が疑われます。

回数だけでなく、便の様子や赤ちゃんの態度なども見て判断しましょう。毎日、便が出ている場合でも注意しなければならない場合もあるのです。

時期によっても便秘のしやすさが異なり、赤ちゃんの消化器官が発達して便をためておけるようになると便秘が起こることもありますし、離乳食が始まり固形物を食べるようになって便の硬さが変化し、排便しにくくなることもあります。

参考:赤ちゃんやこどもの便秘症について。-武蔵小杉森のこどもクリニック 小児科・皮膚科-川崎市、武蔵小杉駅の小児科・皮膚科・アレルギー科

排便時に苦しそう

便が出ている場合でも、便秘が疑われる場合があります。「排便時に顔を真っ赤にしてうなる」「排便の度に激しく泣く」といった様子が見られる場合、便秘かもしれません。

赤ちゃんが排便時にうなる理由は、なかなか出てこない便を一生懸命出そうとして全身に力を入れているためです。毎回うなっている場合は、上手に出せない状態が長く続いていることになります。

便が硬くコロコロしている場合も、注意しましょう。お腹が張っているということはそれだけ便やガスをため込んでいる証拠ですし、水分が足りない状態だとコロコロとした便が出やすくなります。

参考:赤ちゃんのうんち | とみもと小児科クリニック

機嫌が悪く泣いてばかり

何日か便が出ていなくても赤ちゃんの機嫌がよく元気であれば問題ありませんが、おむつがぬれている・お腹が空いているなどの理由がないのに、機嫌が悪く泣いてばかりなら便秘で苦しんでいる可能性があります。

便がたまっているので圧迫感や苦しさなどから不快になって、大泣きしていると考えられるのです。

お世話をしたりあやしたりしても泣き止まず、何日も便が出ていない状態が続いているなら便秘の可能性が高いでしょう。

参考:赤ちゃんの便秘|病院へ行く目安や解消法 - 日暮里医院|東京23区の夜間診療・休日診療・往診(イシクル)

赤ちゃんの便秘の対処法

便秘が疑われる場合は、速やかに小児科を受診することが大切です。生活環境が影響している場合もあるので、毎日の習慣も変えて改善をサポートしましょう。

赤ちゃんが便秘になっているときに、家庭で試したい対処法を紹介します。

授乳量や水分を増やす

母乳やミルクを飲む頻度が減ると、便秘が起こることがあります。「赤ちゃんの体重が順調に増えていないとき」は、授乳量が足りず腸内の水分が不足して便秘が起きている可能性があるので、授乳量を増やしましょう。

母乳の量が不足しているときはミルクを足す方法もありますが、ミルクだけで育てている場合は消化しにくく便秘になりやすい赤ちゃんもいます。

場合によってはミルクの飲みすぎで便秘が悪化する可能性もあるので、様子を見ながら与えるようにしましょう。少量の果汁や糖水を飲ませるのもひとつの方法です。

糖水は100mlの白湯に、砂糖やオリゴ糖などの糖類を5g入れて作ります。与える量は1日当たり、月齢×10ccです。

参考:クリニックブログ|上高田ちば整形外科・小児科

参考:赤ちゃんの便秘 | ミルディス小児科耳鼻科

食物繊維が豊富な離乳食を与える

大人でも食物繊維が不足すると便秘になってしまいますが、赤ちゃんにも同じことがいえます。

離乳食が進んで様々な食材を食べられる時期になると、食物繊維の不足が原因で便秘になる場合があるため、離乳食の内容を見直しましょう。

離乳食に果物や野菜を加えると、食物繊維の量を増やせます。食べられる時期に合わせてペースト状にしたバナナやさつまいもを与えたり、すりおろしたりんごなどを与えたりするとよいでしょう。

また、適度な水分を与えることも大事です。離乳食が始まると母乳やミルクを飲む量が減る子どももいるので、月齢に応じた量を与えるようにしましょう。

参考:便秘について | ならざき小児科 福岡市東区の小児科。病児保育も併設。

綿棒で浣腸をする

排便しにくい状態が続いているときは、綿棒で肛門の周囲や直腸を刺激して排便を促す方法もあります。大人用の綿棒の先端にベビーオイルやワセリンなどを付けて滑りをよくしてから、優しく刺激してみましょう。

肛門の周辺を「こより」などで刺激されただけで、排便する赤ちゃんもいます。綿棒を使用する前に、ティッシュペーパーをねじったこよりで刺激する方法もおすすめです。

挿入する際は赤ちゃんの足を軽く持ち上げた状態で、1cm程度を目安に入れて刺激します。ゆっくりと円を描くように、優しく動かすことがポイントです。

参考:赤ちゃんの便秘|病院へ行く目安や解消法 - 日暮里医院|東京23区の夜間診療・休日診療・往診(イシクル)

マッサージをする

赤ちゃんのお腹を優しくマッサージして、排便を促す方法もおすすめです。3本の指や手のひらを使って、へその周囲を中心に「の」の字を描くように撫でてみましょう。

仰向けに寝かせた状態で赤ちゃんの足首を掴んで、自転車を漕ぐようなイメージで優しく、くるくると動かす方法もあります。

赤ちゃんの股関節はデリケートなので、力を加えすぎないように注意しながら軽くストレッチさせるように、2~3分程度動かしましょう。

お腹を包み込むように優しく持って、左右にゆらゆらと揺らして刺激する方法もおすすめです。

参考:赤ちゃんの便秘|病院へ行く目安や解消法 - 日暮里医院|東京23区の夜間診療・休日診療・往診(イシクル)

赤ちゃんが便秘になる原因

赤ちゃんが便秘になる度に対処するだけでなく、原因を知って便を出しやすい生活をめざすことも重要です。便秘になる原因には、どのようなものがあるのか見ていきましょう。

いきむ力が弱い

排便するときは「腹筋」を使って便を押し出すため、筋力が弱いとうまく出せません。まだ筋肉が発達していない赤ちゃんはいきむ力が弱く、便秘になりやすい状態です。

日々の生活のなかで適度な運動をして、いきむ力を付けましょう。赤ちゃんの成長に合わせて、できるだけ動くことを意識すると便秘になりにくい生活をめざせます。

筋力はすぐには付かないので、運動だけでは効果的な対策とはいえません。浣腸などでたまった便を出しつつ、食生活を改善し運動を取り入れる生活に改善していきましょう。

参考:子どもの便秘 | もりわき小児科

便が硬く排便時に痛みがある

水分不足や偏った食事などで便が硬くなると排便時に痛みがあるので、怖くなっていきめなくなる赤ちゃんもいます。排便を我慢する習慣が付くと余計に出せなくなって、便秘を招く悪循環に陥ります。

便秘が疑われる場合は放置しないようにしましょう。便を出すときの痛みを覚えてしまうと、年齢を重ねてトイレトレーニングが必要な時期に悪影響を及ぼす心配もあります。

参考:便秘の悪循環・・・赤ちゃん&小さなこどもの便秘について | ミューザ川崎こどもクリニックブログ

赤ちゃんの便秘で受診する目安

赤ちゃんの排便は不安定で、よく出ている時期もあれば突然出なくなることもあります。そのため、どのようなときに小児科を受診すべきなのか迷うでしょう。

赤ちゃんの状態によっては、すぐに受診した方がよい場合があります。放置していると重大な病気に発展したり、慢性化して治療が長引いたりするケースもあるのです。受診の目安を見ていきましょう。

食欲不振・吐き気などがある

便が出ていても、便が硬く量が少ない場合は便秘が疑われます。排便がない日が続いていて、さらに赤ちゃんの機嫌が悪く、食欲不振や吐き気などが見られる場合も受診しましょう。

便が出ていても、「便に血が混じっているとき」や「色が全体的に黒っぽいとき」も注意が必要です。赤ちゃんのお腹がパンパンに張っているときや、触るとしこりを感じるときも速やかに小児科へ行きましょう。

参考:赤ちゃんの便秘 | ミルディス小児科耳鼻科

まとめ

赤ちゃんの便は健康のバロメーターですから、便秘が続くと心配になってしまいます。赤ちゃんの機嫌がよく食欲もある状態なら、何日か便が出ない状態でも心配は少ないでしょう。

排便時に苦しがったり、便が硬くてなかなか出てこなかったりするときは便秘が疑われます。排便の回数が週に3日以下の場合や、5日以上便が出ない状態が続いている場合も便秘の可能性が高いので、小児科を受診しましょう。

便が出た後も家庭でできるマッサージや食生活の改善などを行って、便秘しにくい環境を整えていくことも大切なポイントです。

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