はじめまして。サンドラ・ヘフェリンです。
私は今年38歳で、22歳(1997年)のときに南ドイツのミュンヘンから日本に来ました。
今でも年に一度はドイツに帰っていて、メールやネットでドイツの友達と情報交換をしたり、ドイツの雑誌もよく読んでいます。とくに私と同年代の友人は、子どもを産んだ女性も多いので、彼女たちからドイツの子育てに関する、いろんな最新事情を聞かされたりもするんです。そして、私も日本の子育ての現状を彼女たちに教えてあげて……。
そこで、ドイツのママさんに、いつも一番驚かれるは、日本の教育施設のイベントの多さ。
日本の幼稚園や保育園は、みんなで一緒にやる活動がたくさんありますよね? お遊戯だとか遠足だとか……。でも、ドイツの幼稚園は、レゴのコーナー・お人形さんのコーナー・積み木のコーナー・工作のコーナー……といったブースに分かれていて、子どもは朝、幼稚園に着くと、すぐそれぞれが好きなコーナーに行って、好きなことをして遊ぶシステムが通常なんです。
たしかに、天気が良ければ、ドイツでも外にみんなでお散歩くらいには行くのですが、どの子も砂場とかで個々にマイペースで遊んでいて、集団活動はせいぜい帰る30分ほど前に、みんなで2、3曲歌を唄うくらい。そのせいなのか、ドイツ人は音痴が多いの(笑)。
私もドイツから日本に来たばかりのころは、朝礼や給食というシステムにビックリした記憶があります。
どちらがよいかと言えば……う〜ん、これは一長一短なのではないでしょうか? 日本式だと協調性が育てられるし、ドイツ式だと興味のある分野に集中できるので、たとえば昆虫が好きな子の、昆虫博士としての才能は伸びやすいのかもしれない。ドイツではそういう変わった子どもがスポイルされる空気があまりないですから。
個人主義的要素が強いのは、子どもに対してだけじゃありません。
仮に子どもを連れて公園に行くとしますよね? すると、日本ではママ同士がおしゃべりしていて、子ども同士も一緒に遊んでいたりするんですけど、ドイツではブランコで子どもが一人遊んでいて、ベンチではママがずっと新聞を読んでいる、なんてケースがほとんど。ドイツのママさんの眼には、日本の「ママ友」というコミュニティーは不思議に映るみたいですね(笑)。