●サバゲーで人間としてのモラルも学べる!
「子どもは単純に、“シューティング”という楽しさを求めているだけだと思います。動いているものに当てる楽しさ、そこに命中した時の達成感は、やはり子どもにとってはとても魅力的だと思いますね。ゲームや映画でよく見る“憧れのシチュエーション”を体感できる没入感や、迷彩のコスプレをすればヒーロー願望も満たされる。サバゲーは非日常の世界なので高揚するし、ストレス解消にもなりますよね。朝、フィールド(サバゲーが行われる場所)に出て、瑞々しい空気に触れたときのすがすがしさは、ゴルフに通じるものがありますよ」(正嵜氏 以下同)
子どもが、現実との区別がつかなくなるようなことはないのだろうか?
「これまで多くのサバゲーマーたちを見てきましたが、おそらくないと思います。エアガンでの虐待事件や高速道路で対向車に向かって撃つなど、近年はひどいニュースを耳にしますが、そもそもこれらの事例は、エアガンプレイをしているかどうかという次元の話ではなく、モラルがあるかどうか、善悪の区別ができる人間であるかどうかが問われるのではないでしょうか」
危ないし、現実との区別がつかなくなったら困るから与えない…のではなく、「一歩進んだ観点で理解して欲しい」と正嵜さんは語る。
「これは個人的な考え方かもしれませんが、エアガンを与えずに善悪の区別ができない大人になってしまうよりは、親が与えて善悪の区別ができる大人に成長してもらう方が大切なのではないでしょうか。弊社では、まず初心者講習の段階で、指導員が厳しくルールやガンマナーなどについて徹底指導します。千葉のフィールドでは、子どもには必ず大人がついて、指導すると同時に“こういう風に動いた方がいいよ”とアドバイスもします。そうしていくうちに“あの雷親父がいるから、このイタズラはやらないでおこう”という感覚が自然と身についてくる。銃も包丁と同じで、用途を間違えれば凶器にもなるし、きちんとした使い方をすれば道具にもなりえる。何よりも、使う人のモラルが問われるので、そういった意味での学びの場にもなると思います」
ズバリ、サバゲーの魅力とはどこにあるのか?
「足腰も鍛えられますし、同じ姿勢で何時間もテレビゲームするより、ずっと健全だと思いますよ。部活のような感じで、年齢・性別・立場関係なく、誰でも楽しめますし、頭脳戦でチームワークも大切なので、コミュニケーション能力も養われます。今は、社内レクリエーションや接待などでサバゲーを楽しむ大人たちも増えていますよ。もしもお子様がエアガンに興味を持っているようなら、ご家族でサバゲー体験をしてみてはいかがでしょうか」
「エアガン=危険」という概念に捉われず、まずは親子で遊んでみることから始めてみよう!
(撮影/溝口里奈 文/吉富慶子)