災害時に命を救う鍵は、地域による助け合い。共助できる関係づくりを(後編)

災害時に命を救う鍵は、地域による助け合い。共助できる関係づくりを(後編)

地区防災計画を作ってみましょう

平成25年(2013年)6月に改正された災害対策基本法で、市町村内の一定の区域の住民と事業者による自発的な防災活動に関する「地区防災計画制度」が創設され、翌年4月に施行されました。
地区防災計画は、災害対策基本法に盛り込まれているとはいえ、都道府県や市町村といった地域レベルで作成する地域防災計画のように、作成することに対して法的な強制力はありません。市町村の中での、マンション自治会や商店街、複合ビルなどの、コミュニティレベルでの住人や企業などによる、自発的な防災活動についての計画を策定することができるというもの。地区防災計画を策定するにあたって、申請などをする必要もありませんし、書式なども基本的には自由です。しかし、ゼロから作っていくのは難しいもの。内閣府防災情報のページでは、これから地区防災計画の策定を目指す人たちや、すでに策定した地区防災計画をさらに改善していこうという人たちのために、地域別とテーマ別の地区防災計画などの資料をウェブの「地区防災計画ライブラリ」で公開しています。作成のためのガイドラインも、内閣府から出されています。

また、地区防災計画を策定するときには、早い段階で行政や学識経験者などの専門家や、消防団、地域団体、ボランティアなどにアドバイスをもらったり、連携していくことも重要です。地区防災計画を策定するときには届け出などは必要ありませんが、アドバイスや連携を取るために、役所の防災を担当する部署に相談してみましょう。

地区防災計画を作成する時のポイントは、過去の災害事例を踏まえて、想定される災害について調べて考えて、自然特性や社会特性などの地域の特性を計画に盛り込みながら、活動する人の目的やレベルに合わせ考えていくことです。
「平常時、発災直前、災害時、復旧・復興期」それぞれの段階で、「誰が、何を、どれだけ、どのようにするのか」など、決めていきましょう。

さらに、地区防災計画は、市町村のつくる「地域防災計画」に盛り込んでもらえるように市町村に提案することもできます。
詳しくは、内閣府の地区防災計画ガイドラインをご確認ください。

そして、地区防災計画を作成したら、市町村などと連携して、地区防災計画を反映した防災訓練を毎年行いましょう。訓練の方法も、近隣の方で集まって防災ゲームを楽しんだり、街歩きをするいった、様々な方法があります。
防災訓練を行うなかで、きっと気づくこともたくさんあるはずです。最初に作った地区防災計画に防災訓練の中で気づいたことなどを盛り込みながら、改訂を繰り返していきましょう。最初に策定する地区防災計画は、完璧なものではなくても構いません。

もちろん、防災訓練の参加は、地区防災計画を作成するときだけとは限りません。
そして、地区防災計画に直接かかわらずとも誰でも参加しておくことが、あらゆる地域で、共助しやすい関係づくりに効果的です。

地域の防災訓練や行事などにも気軽に参加して、地域の人たちとの関係を深めておくことが、災害時の共助しあえる関係につながるはずです。

参考資料

日本防災士会 地区防災計画とは

内閣府 みんなでつくる地区防災計画

内閣府防災情報のページ 地区防災計画ガイドラインについて

内閣府 地区防災計画ガイドライン

内閣府防災情報のページ 地区防災計画ライブラリ

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moshimo ストック
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私たち moshimo ストックは「もしも」のための防災情報メディア。 最近、地震や台風がよく起きるようになって心配。 防災をしようと調べてみたものの、何から始めればいいの…? 私たちも始めは知ることがたくさんあって、防災ってちょっと難しいな…と思いました。 でも、ちょっと待って下さい! もし何の準備もなく災害にあってしまったら大変です。 防災は少しずつでも大丈夫、「もしも」のための準備を始めませんか?
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