管理栄養士のともゆみです。さんまと言えば塩焼きですが、今回は同じ焼きでも「ぬかサンマ」にして焼いてみます。先日のテレビ番組『サタデープラス』では、サンマの水揚げ日本一の根室へ突撃取材。漁師さんたちに「好きなサンマの食べ方」を聞いたところ、1位の「刺身」についで多かったのがこの「ぬかサンマ」でした。要はぬか漬けなんですが、こうして漬けたサンマは皮がパリパリでおいしくなるのだとか。塩焼きじゃない、ぬかサンマ焼きをさっそく作ってみます!
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根室の漁師さんに聞いたさんまの食べ方とは?
番組ではさんま漁が盛んな北海道・根室にある花咲漁港で、サンマ料理の一番おいしい食べ方を取材していました。70%以上の人が”塩焼き以外”の食べ方が好きと回答。「焼肉のたれに漬けてそのまま食べる」や「茹でてポン酢じょうゆ」はたまた「玉ねぎとみそを入れた、たたき」など、根室では他の地域ではあまりなじみのない食べ方をしているようでした。
一番多かったのは「刺身」でしたが、これは鮮度の良さがなせるワザ。今回は第2位の「ぬかサンマ」に挑戦してみます。
米ぬかについて
玄米を精米したときに出る「ぬか」ですが、精米したばかりの「生ぬか」は日持ちが悪く、近所のスーパーでは売っていません。一方「炒りぬか」は「生ぬか」を乾煎りし水分を飛ばしているので、日持ちがして、スーパーでもよく見かけます。「生ぬか」の方が発酵しやすいので「ぬか漬け」を作るのには便利で早く出来ますが、今回は発酵させないので「炒りぬか」を使ってみます。
今回使った「炒りぬか」はこちら↓
さっそく「ぬかサンマ」を作ってみます!
「ぬかサンマ」
【材料】
さんま…2尾
塩…適量
炒りぬか…適量
【作り方】
さんまに満遍なく塩を振ります。
炒りぬかをまぶします。
ラップで包み、ジッパー付き保存袋に入れて冷凍します。3日ほど放置しました。
冷蔵庫で解凍し、ぬかを水で洗い落とします。
キッチンペーパーで水気を拭きます。
魚焼きグリルで強火で焼いていきます。
焼けたら皿に盛り付けて出来上がりです。
大根おろしとかぼす(分量外)を添えました。
では食べてみます。
塩焼きとどう違う?
塩加減がちょうどよく、皮がパリッパリです。普通の塩焼きはもっとふっくら感がありますが、こちらはもっと身が締まっている感じがあります。干物ほどではありませんが、干物と生の中間くらいでしょうか。やはり、普通の塩焼きとは違いましたね。ぬかの風味はわかりませんでした。ぬか床でやってみてもおもしろいかもしれません。
さんまは貧血におすすめ
女性は月経によって出血があるため、どうしても貧血になりやすい傾向が。めまいや不眠、疲れやすさ、イライラ、肩こり、肌荒れなどが気になるときは貧血ぎみの可能性があります。
貧血にはまず、鉄とビタミンB12が必要です。また、ビタミンCも一緒に摂ると吸収がよくなります。
さんまには貧血予防効果のある鉄とビタミンB12が豊富に含まれています。また、動物性の鉄は植物性に比べて吸収がいいので、貧血にはおすすめです。
焼いたさんまには大根おろしが付きものです。大根おろしはジューシーなさんまと合わせてさっぱりと食べられるということだけではありません。大根にはビタミンCが含まれているので、鉄の吸収をよくしてくれるのです。また、焼いたときの「焦げ」には発がん物質が含まれますが、大根に含まれるイソチオシアネートが発がん物質から体を守ってくれる作用があります。
いかがでしたか?
魚介類に寄生するアニサキスによる食中毒が発生しているそうです。アニサキスは冷凍や加熱で死滅するので、調理をする場合には、-20℃で24時間以上冷凍するか、70℃以上または60℃の場合は1分加熱をしてください。そしてよく焼いて食べてください。
ただの塩焼きとは違う「ぬかサンマ」。気になったら作ってみてくださいね。
<参考文献>
『おいしくてクスリになる食べもの栄養事典』 監修 池上保子 日本文芸社
『からだによく効く食べ物大事典』 監修 三浦理代 池田書店
配信: あたらしい日日
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