とろみを付けるにはどうする?シチューやグラタンがさらさらになったときの救済方法はこれ!

とろみを付けるにはどうする?シチューやグラタンがさらさらになったときの救済方法はこれ!

料理に関するちょっとしたお悩みに対して、解決方法をわかりやすく教えていただく料理研究家・井上かなえ(かな姐)さんのフーディストノート公式連載。今回は、シチューがさらさらになってしまったときのとろみの付け方を教えていただきます!

こんにちは!かな姐です。

これからますます寒くなっていく季節ですが、家の中に閉じこもってジーッとするのが好きなわたしは自分に気合いを入れないとほんっと動かなくなります。

できることなら家の中の一番暖かい場所でひたすら日向ぼっこをしていたいくらいなのですが、それでは運動不足になるばかりでお腹も減りませんし、不健康ですよね。ええ、分かってはいるんです。

というわけで、今日も料理をしながらせっせと足踏みをして、家の中で足踏みウォーキングに励んでいます。

煮込み料理を作りながらの足踏みもなかなかいい運動になるのでおすすめ!一石二鳥だし(笑)。

お腹を減らして食べることって、ごはんを一番おいしく食べる方法ですよね。

さてさて、寒くなって煮込み料理が恋しい季節になってきました。

今月のお悩みはこちらです。

シチューやグラタンを作るとき、とろみが付きすぎたり、ゆるかったりする。ゆるかった場合、後でどう調整したらよいのか分かりません。

寒い日に食べたくなるあったかいシチューやグラタン!

市販のルウを使うもよし、缶詰を使うもよし、ルウも缶詰もなしで自作するもよし!な、ホワイトソースですが、つい箱の裏の作り方をアレンジしたり、レシピ本に書いてある材料がそろわなかったりして自分で具をアレンジして(多分量も適当に増やして)作ってしまうと、うまくいかないことがたまにあります。

具材を増やしすぎちゃったのか、それとも使ったお野菜自身の水分量が多かったのか…。

グラタンの場合はとろみが強いのがお好きな方もいらっしゃれば、ゆるめがお好きな方もいらっしゃいますよね。

とろみが付きすぎた場合は牛乳を入れて伸ばせばいいけど、逆にゆるくてさらさらになってしまった場合、和食や中華の料理ならば水溶き片栗粉でとろみを調整します。では、洋風の料理の場合はどのようにしたらよいのでしょうか。

実は同じような質問をついこの間わたしの妹からも聞かれました(笑)。

「かぼちゃのポタージュを作ったのに、水を入れすぎてしまって仕上がりがシャバシャバ!どうしよう!」

というものでした。

サチャンは水を入れすぎたと言っていましたが、かぼちゃってたまに水分が多めのものに当たってしまうことがありますよね~。

冷製のスープならばサラサラもおいしいのですが、あったかくして食べるスープなら多少のとろみがあった方が満足感が増します。

母とわたしと妹の3人のトークルームだったので、先に母が

「サラサラもいいじゃん」

と返事をしていたのですが、それではご不満な様子のサチャン。

そのときに教えてあげたのがこの方法です。

洋風の料理のとろみ付けにはほとんど使えますので、水溶き片栗粉の洋風版として覚えておくと便利ですよ。

洋風料理のとろみ付けに失敗したときのリカバリー方法

1. まずは小皿にバターを10g入れ、これを電子レンジで20秒ほどあたためて溶かします。

2. ここに薄力粉を大さじ1入れ、スプーンでよくかき混ぜてクリームのような状態にします。

3. あっという間になじみます。これをあとはスープやシチューなど、とろみを付けたいものに入れて木べらでかき混ぜながら加熱するだけなんです。

 

もっと強いとろみが欲しければ、バターの量はそのままで薄力粉の量を倍に増やします。

わたしに聞いてさっそくその方法を試したサチャンでしたが、

「とろみが付いた!味もコクが出ておいしくなった!」

と大満足いただけたようです。

ちなみにバターではなく、水や牛乳でも作ることができますが、その場合は指や小さなスプーンの背で薄力粉のダマをつぶしながら練り混ぜるようにすると、なめらかな状態になりますよ。バターのバージョンよりは根気よく混ぜる必要があります。

バターで作る場合も牛乳で作る場合も、どちらも薄力粉は生のままですから、スープに加えた後は加熱してしっかり火を通してください。

寒い季節に食べたい、市販のルウを使わないシチューの作り方

というわけで今回は、寒い季節に食べたい、市販のルウを使わないシチューの作り方をご紹介しましょう。材料は記事の最後を参照してくださいね。

まずはお野菜をじっくり加熱していきましょう。

今回使うのは玉ねぎとさつまいも。もちろん、定番の玉ねぎとじゃがいもでも構いません。

野菜とバターを鍋に入れ、塩を振りかけてふたをして蒸し焼きにしていきます。

10分くらい、中火でたまにかき混ぜて火のあたりを変えながらじっくり蒸し焼きにすると、お野菜の甘みが引き出されてと~ってもおいしくなります。もはやこれだけでも食べられるってくらいちゃんと加熱します。

シチューにするので、このとき焦がさないように注意してくださいね。焦げ色が付くと茶色いシチューになってしまいます。なので、厚手のお鍋や深さのあるフライパンなど、焦げにくいお鍋がよいかもしれませんね。

豚の薄切りのお肉を入れて色が変わるまで炒めます。

煮込まずに作りたいので、ここは薄切りのお肉を使ってください!今回はバラを使いましたが、ロースでももちろんよいです。

いずれにせよ、お肉はバラバラにほぐし入れて団子にしないこと。

蓋をして蒸し焼きにし、色が変わってきたら肉にめがけてお塩とこしょうを振ります。

薄力粉を入れて、粉っぽさがなくなるまで木べらで混ぜます。

粉の白い部分が見えなくなるまで混ぜたら牛乳を注ぎ、ローリエを入れてひと煮立ちさせます。鍋の底が焦げつかないように木べらでやさしく動かしながら。

最初はサラサラですが、木べらでかきまぜながら加熱していると…、

とろ~りと変化したのがお判りいただけますでしょうか。

煮立ったころにはいい感じにとろみが付き、具自体にすでに火が通っているので煮込まずにこれで味を調えればできあがりです。

今回は具材一つずつに下味を付けたので、ここで一度味見をし、足りなければ塩を足す感じにしましょう。

一晩おいてちょっととろみがかたくなってしまった場合は、牛乳を入れてゆるめてください。

仕上げに春菊を入れて、甘いシチューの中でアクセントにします。

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