うまいもの探偵団「このお店で一番売れているメニューを教えてください」VOLUME.4/山形料理と地酒 こあら

うまいもの探偵団「このお店で一番売れているメニューを教えてください」VOLUME.4/山形料理と地酒 こあら

うまいもの探偵団が、毎回東京の気になる街の気になる料理店へ突撃。料理人に一番売れているメニューをお聞きして、おいしいだけじゃない、愛されている理由を探ります。今回は、編集部おさだが愛する地元の居酒屋、中野坂上の「山形料理と地酒こあら」を訪ねました。

【今月のお店】山形料理と地酒 こあら(中野坂上)
一番売れているメニュー:芋煮

芋煮(お椀500 円、小鉢750 円、鍋1,350 円)/里芋、ゴボウ、キノコ4 種、牛肉、こんにゃくなどの具がゴロゴロ入った芋煮。山形の大正館の一味または七味を振って召し上がれ。鍋を注文したら締めのカレーうどん(450円)も忘れずに

探偵団:「こあら」の前を通ると、ほんのり甘い芋煮のいい香りに誘われて、ついつい立ち寄ってしまうんですよね。私もそうですが、お酒とともに〝とりあえず芋煮〟をオーダーする人って多いのでは?

田島店長:芋煮の人気はやはり高いですね。地酒のつまみとしても、小腹を満たすにもぴったりです。芋煮は、山形の郷土料理で知られていますが、内陸と海沿いで味が違うんですよ。うちはオーナーと料理長が内陸・米沢出身なので、醤油ベースと牛肉ですね。ちなみに海沿いの庄内は、味噌ベースに豚肉なんですよ。

探偵団:ここでしか食べたことがなかったので、これが山形の芋煮のスタンダードかと思っていました。勉強になります(笑)。

田島店長:まあ、内陸の醤油ベースの中ではスタンダードと言えばスタンダードな味ですよ。山形出身のお客さんから、懐かしい味とよく言われます。

探偵団:何度も食べていますが、いつ食べてもおいしいですよね。ゴロゴロと入っている里芋のやわらかさ、粘り気があって口の中でとろけるこの感じ、最高です。

田島店長:里芋、おいしいでしょ。1月末頃までの冬限定ですが、粘り気の強さ、やわらかさ、煮崩れのしにくさなど、芋煮にぴったりな特別な里芋を使っているんです。「甚五右ヱ門芋」といって、山形にある「森の家」という農家で育てられている伝承野菜なんです。室町時代から一子相伝で代々受け継がれてきた、ここでしか作られていない、収獲数も少ない、稀少な芋なんです!

探偵団:室町時代!? 一子相伝!? すごい里芋だったんですね。これはおいしいわけです。

こあら店長の田島さんが笑顔で迎えてくれる、和やかな雰囲気も心地いい

田島店長:芋煮って、シンプルな料理なんです。醤油とお酒、カツオと昆布を合わせた出汁で、里芋やキノコ類、野菜と肉を煮るだけで、うまみが凝縮しておいしいんですよ。だからこそ、うちでは食材を吟味して、味付けに工夫を凝らしているんです。。

探偵団:それが看板メニューであり、人気メニューである所以なんでしょうね。味付けと言えば、このうまみたっぷりの醤油ベースの出汁は、ほのかな甘さがいいんですよね。

田島店長:出汁に使う醤油はですね、少し甘めの米沢のものと、薄口などを数種ブレンドしているから、ひと味ちがうでしょ。

探偵団:はい。おいしくて、いつも飲み干してしまうほどです。

田島店長:嬉しいですね。そういう方も多いですよ。芋煮のメニューには、お椀と小鉢、鍋の3種があるんですが、鍋を注文すると、締めにカレールーとうどんを入れたカレーうどんが楽しめます。出汁が残らず味わえて好評です。締めのカレーうどんは、地元山形の芋煮会で定番の食べ方なんですよ。

探偵団:それはおいしい出汁を一滴残らず味わえて期待できますね。次回の必食リストに入れておきます。

田島店長:その際は、芋煮と同じ地で生まれた地酒と味わうと格別ですよ。日替わりで数種、常時12~15種ほど揃えているので、ぜひお試しください。

山形料理と地酒 こあら

縁のあるイラストレーター・小田島等さんが作成したこあらのロゴ看板が目印

中野坂上駅や中野新橋駅は徒歩圏内、この地に店を構えて12 年。芋煮や玉こんにゃく、肉そばといった山形の定番料理のほか、米沢牛、山形豚などの銘肉料理も充実。田島店長のおすすめは、山形の白鷹町から未冷凍の生肉で取り寄せる馬刺し。

TEL.03-5352-0825 
住所/東京都中野区本町3-11-9 
営業時間/17:00 ~ 24:00(23:00LO)
無休
※年内は12/31(12:00~17:00)まで営業、年始は1/5(17:00~24:00)から営業開始、詳細はInstagramをご確認ください

関連記事: