整形外科医が伝授!圧痛点を探してほぐし&ストレッチ
肩こり改善のポイントは、ずばり「圧痛点(あっつうてん)」だと正田先生は話します。
「まず、凝っている部分から“圧痛点”を探してみましょう。触ったり軽く押すと特に痛む部分が圧痛点です。圧痛点を見つけたら、そこを中心に周辺まで揉みほぐしましょう」。
また、圧痛点を中心としたストレッチもおすすめです。
圧痛点を利用したストレッチ
コツは“イタきもちいい”範囲で伸ばすこと。無理に伸ばしすぎると筋繊維を痛めてしまう可能性があります。
仰向けに横になる
肩の圧痛点から少し離れたところに手をおく
おいた手と反対方向に首を伸ばす・たおす(10秒ほど)
顔の向きを逆方向に向ける(10秒ほど)
ストレッチのほかに、マッサージツールを使用し、筋肉のこわばりにアプローチするのもおすすめです。
肩こりは温めて血流改善を!生活の中でできる肩こりの予防法
また、肩こりの予防と治療は生活の質を高めます。
「痛みがある部分をあたためると、血流が改善します。できるなら痛みがある部分だけでなく、身体全体を温める入浴をしっかり行うことも効果的です。温熱効果によって血行が良くなるだけでなく、副交感神経が優位になることで全身の緊張がほぐれ、精神的なストレスの改善も期待できます。体温よりわずかに高い40度程度の湯につかり、じっとりと汗がでるくらい浸かりましょう」
水位はみぞおちぐらいで、呼吸の負担にならないように、つかりながらミネラル分豊富な麦茶で水分補給するのも良いそう。精神的なリラックスも意識して、音楽やアロマなどを活用するのもおすすめ。
また、普段の生活でもできることがあります。
たとえば、就寝時の枕。頭の重量を後頭部だけでなく、後頭部と首全体に分散させるような形の枕を選んだり、タオルで首の後ろを支えるように工夫することで、首や肩にかかる負担を軽減できます。また仕事では、PCを使用した作業が1日3時間を超えると明らかに肩こりが多発します。少なくとも連続作業は1時間までにして長時間の同一姿勢は避ける、照明やPCディスプレイの明るさを適切(明るすぎないように)に設定する、休憩時間には少し歩いて血流改善を促したり、窓の外や遠くを見て、目と心を休ませる…などもおすすめです。
直接的に肩こりに働きかけなくとも、目や首の疲れを回避する手段は、肩こりにも有効です。
「厚生労働省の国民生活調査によると、肩こりは健康問題の中でも常に上位の悩みです。肩こりによって仕事や生活に差し支えが出ることは、大きな経済的損失でもあります。セルフケアや予防を行なっても改善しない痛みは、迷わず整形外科に相談をしましょう。クリニックでは、投薬だけでなく物理療法や理学療法などのリハビリも組み合わせて肩こりの治療を行えます。
また、心のケアも大切に。肩こり改善への道は、自分の心を見つめ直すことにもつながっているはずです。ぜひ、自分の身体と心の状態に耳を傾けてみてください」。
監修:正田 修己(しょうだ なおき)
整形外科専門医。JCHO東京新宿メディカルセンター骨粗鬆症センター長/リハビリテーション科部長。大学卒業後、東京大学医学部付属病院、ワシントン大学、国立国際医療研究センター病院などで研鑽を積み、2019年にJCHO東京新宿メディカルセンターに入職。脊椎脊髄外科部長を経て2021年から現職。
2022年12月26日 健康
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配信: UP LIFE
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