設置は正しい位置に
住宅用火災警報器の設置は、ガス会社などの施工業者に依頼して行ってもらうこともできますが、ホームセンターなどで市販されているものを購入して、自分で取り付けることもできます。取り付けに専門の資格も必要ありません。電池式の住宅用火災警報器のほとんどは、特別な工具は必要なく、一般的なドライバーがあれば取り付けられます。
しかし、住宅用火災警報器の誤作動をなくし、効果的に使うために、設置の基準があります。
住宅用火災警報器は、寝室と、1階以外に寝室がある場合には寝室がある階の階段の上部の、天井か壁に設置します。
天井に取り付ける場合に、注意することは4つです。
壁または梁(天井の出っ張り)から、住宅用火災警報器の中心まで、煙式は60センチ以上(熱式は40センチ以上)離して取り付けます
換気扇やエアコンなどの空気吹き出し口から、住宅用火災警報器の中心まで1.5メートル以上離して取り付けます
照明機器などの熱を発するものからできるだけ離して取り付けます
タンスの真上に取り付けるのは避ける
壁に取り付ける場合は、天井から15〜50センチ以内に住宅用火災警報器の中心が来るように取り付けます。
天井に取り付ける場合も、壁に取り付ける場合も、ホコリや虫の多い場所、常に温度や湿度が高い場所、石油ストーブの近くなどのススや水蒸気が発生する場所の近くや、すきま風の強い場所や扇風機の近くなどの空気の流れが早い場所に取り付けることは避けましょう。
お手入れや点検もしっかりと
いざという時にしっかりと火災を感知して警報がなるように、またホコリなどによる誤作動を防ぐために、年に1回程度はお手入れをしておくことも必要です。
汚れなどが目立ってきたら、中性洗剤を加えた水に浸した布をしっかりと絞り、外側の汚れを拭き取っておきましょう。
1年に一度(できれば1か月に一度)を目安に、定期的に住宅用火災警報器が鳴るかどうかのテストもしておきましょう。点検方法は、機種によって本体のヒモを引くものや、ボタンを押して点検するタイプのものがあります。点検は、どんな音が鳴るのかを知っておくためにも、できればご家族一緒に行いましょう。
また、電池式のものは、電池の交換が必要です。電池が切れそうになったら音やランプで交換時期を知らせてくれるものもありますが、早めに電池交換しておくようにしましょう。
住宅用火災警報器本体の寿命も、おおむね10年とされています。本体に交換時期を明記したシールが貼られているものや、音などで交換時期を知らせてくれるものもあります。交換時期の設置から10年が近づいてきたら、忘れずに交換するようにしましょう。
住宅用火災警報器の新たな設置や、点検・メンテナンスは、大掃除をする時がいいタイミングとなるかも知れません。
参考資料
総務省消防庁 消防統計 令和3年(1〜12月)における火災の状況(確定値)
東京消防庁 「住宅用火災警報器を設置しましょう。」「定期的に点検を行いましょう。」
消防庁国民保護・防災部防災課防災情報室 令和3年(1〜12月)における火災の概要
配信: moshimo ストック
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