「ワキは皮膚が薄く、衣類などのこすれでも色素沈着が起きやすい部位のため、黒ずみに悩む方が多いようです。また、皮脂や角質が溜まったことで黒ずんできてしまうことがあります。極力摩擦が少ない服装を心掛けましょう」
こう話すのは、皮膚科専門医の中村仁美先生。でも、もしすでにワキが黒ずんでいる場合はどうすればいいの?
「色素沈着や皮脂、角質が溜まったことでなった黒ずみは、ピーリングで角質ケアをしましょう。ホームケア用の低刺激のピーリングソープでできますよ。その後は美白効果のあるローションなどで保湿をしてください」(中村先生 以下同)
ちなみに、美容皮膚科で受けるピーリングの施術は刺激の強いものが多いため、ワキに関してはオススメしていないそう。
ところで、夏に使用する機会の多い制汗剤もワキの黒ずみの原因になるって聞いたのだけど…。
「はい。スプレー、ロールオンなど、いずれの制汗剤でも過剰な使用により汗を分泌する汗腺をふさぐ状態が続くことで、皮脂や角質などの老廃物が溜まり、黒ずみの原因になることがあります」
制汗剤による黒ずみを予防する方法として、ワキ汗用のパッドやインナーを併用し、制汗剤そのものを使用しない日を意識的に作るといいそうだ。
●ポツポツができたときのケアとは
また、ワキの悩みで耳にすることが多いのが、脱毛後のポツポツと鳥肌のようになった状態。
「ワキの毛穴の周りがポツポツと盛り上がるケースのほとんどが、毛抜きでの処理によるものといわれています。ワキの皮膚は薄く柔らかい場所なので、毛抜きで毛を抜くことで毛穴が引っ張られ、毛穴の周囲の皮膚が盛り上がった状態になってしまうのです。黒い点々になった毛が埋没してしまった場合も同様です」
中村先生によると、ワキのポツポツができたときの対処法と予防法は3つだ。
1)ワキに負担がかかる自己処理は極力控えること
2)細菌が入らないように清潔に保つこと
3)ワキの洗浄後や自己処理後に収斂(しゅうれん)・保湿効果のある化粧水・クリームなどで十分なスキンケアを行うこと
もし炎症を起こした場合は、抗生剤による治療などが必要になることがあるため、早めに皮膚科を受診しよう。間違ったセルフケアを避けつつ、心配な症状を見つけたら、専門医に相談することを忘れずに!
(ノオト+石水典子)