赤ちゃんがはいはいをする時期の目安と前兆
いつごろになると、赤ちゃんははいはいを始めるのでしょうか?赤ちゃんがはいはいする時期の目安や、前兆として現れやすいサインを紹介します。
生後9カ月以降が多い傾向
赤ちゃんがはいはいを始める時期には、個人差があるのが前提です。その上で厚生労働省の調査結果では、生後9~10カ月ごろには多くの赤ちゃんがはいはいをしていると報告されています。
なかには成長が早く、生後4カ月ごろからはいはいで動き回る赤ちゃんもいます。反対に、1歳ごろになって初めてはいはいするケースも珍しくありません。赤ちゃんの成長スピードには個人差があることを理解し、焦らずに見守りましょう。
参考:4 一般調査による乳幼児の運動・言語機能について|II 調査結果の概要|厚生労働省
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前兆にずりばいが見られることも
「はいはい」とは、手のひらと膝を床につけ、赤ちゃんがお尻を上げた状態で前に進む動作を示した言葉です。
手のひらと膝を床につけるには、相応の筋肉が発達している必要があります。そのため、はいはいの前兆として、ほふく前進する「ずりばい」が見られるケースも少なくありません。
もちろん、ずりばいの兆候がないままに、はいはいを始める赤ちゃんもいます。前兆の有無を含めて、赤ちゃんの特徴には個人差があります。
参考:おすわりが先?はいはいが先? -桶谷式の母乳マッサージに通っています- 赤ちゃん | 教えて!goo
赤ちゃんがはいはいをしない原因
赤ちゃんがはいはいをしないときには、落ち着いて原因を探ることも大切です。次は、赤ちゃんがはいはいしない原因を3つ紹介します。
移動に興味がない
赤ちゃんがはいはいする背景には、少なからず「動きたい」という意志があります。例えば、赤ちゃんが「触ってみたい」と思うものに手が届かない場合、移動する手段としてはいはいを始めるのが一般的です。
そのため、赤ちゃんが動き始める前に、親が抱っこして目的の場所へ移動させるのは逆効果です。
自分で移動しなくても意欲が満たされると、はいはいする必要がありません。このように、本人の意思ではいはいをしない赤ちゃんもいます。
スペースが足りない
はいはいして赤ちゃんが動き回るには、ある程度のスペースが必要です。赤ちゃんがはいはいをしない理由に、部屋のせまさが関係している可能性もあります。
赤ちゃんが過ごす部屋が窮屈に感じる場合は、できる限り家具を端に寄せ、中央にスペースをつくるのもひとつの方法です。
事情があって自宅にゆったりとしたスペースをつくるのが困難なときは、地域の児童館を利用するのがおすすめです。多くの児童館には、赤ちゃんがのびのびと遊べるように、広いスペースが設けられています。
はいはいをしない赤ちゃんもいる
赤ちゃんにとってのはいはいは、おすわりから1人歩きへと移行する間の移動手段に過ぎません。首すわり・おすわり・歩行とは違い、はいはいは必ず通過する成長ではない点に注意しましょう。
成長の過程には個人差があるので、はいはいする前に、つたい歩きをマスターする赤ちゃんもいます。つたい歩きで移動できると、当然ながらはいはいをする必要はありません。
なかには、手・膝をついたはいはいの姿勢に抵抗があり、座ったままで移動する「シャフリングベビー」と呼ばれる赤ちゃんもいます。
赤ちゃんのはいはいを促すポイント
腕・脚の筋肉を使うはいはいは、赤ちゃんの成長に役立つのも事実です。赤ちゃんのはいはいを促すために、生活のなかで取り入れられるポイントを紹介します。
タミータイムを取り入れる
はいはいしない赤ちゃんを、うつぶせの状態に慣れさせるのもひとつの方法です。アメリカ発祥のタミータイム(タミーは英語で「お腹」を指す)は、保護者が見守っている状態で赤ちゃんを腹ばい状態にして遊ばせます。
1日20分ほどで十分なため、食事の直後を避けて機嫌の良いタイミングで取り入れてみましょう。始めのうちは慣れない体勢に泣いてしまうかもしれません。ママも同じ目線になって楽しむ様子を見せてあげることが大切です。
遊ぶ際は、赤ちゃんが下を向いた状態でも窒息しないように、床は硬めの状態で、埋もれる心配のある布団やクッションは取り除きましょう。
参考:タミー・タイム・ツール|Children’s Healthcare of Atlanta
参考:タミータイム - 赤ちゃんのはじめてのからだ遊び ボーネルンド オンラインショップ。世界中の知育玩具など、あそび道具がたくさん。0歳からのお子様へのプレゼントにも。
おもちゃを遠くに置く
赤ちゃんがうつぶせの状態に慣れてきたら、移動するきっかけをつくります。赤ちゃんの動きたい意欲を引き出すには、お気に入りのおもちゃ・絵本などが効果的です。
うつぶせになっている赤ちゃんから30cmほど離れた位置に、気に入っているおもちゃを置いてみましょう。赤ちゃんがおもちゃを触るために動き始めたら、少しずつ遠ざけて、はいはいを促します。
やりすぎると赤ちゃんの意欲を損なう恐れがあるので、遠ざけるのは短い距離にとどめるのが大切です。最終的には、赤ちゃんに目的のおもちゃを触らせて、移動した達成感を味わえるようにしましょう。
親がはいはいをして見せる
親がバンザイをしている様子を見て、自分の両手を挙げる赤ちゃんに成長を感じている人もいるのではないでしょうか。親・きょうだいのまねを始めた赤ちゃんには、はいはいを見せるのがおすすめです。
まねをさせる際には、赤ちゃんをはいはいで追いかけるなど、ゲーム要素を取り入れて楽しくするのがポイントです。
そのほか、児童館へ出かけて、ほかの赤ちゃんがはいはいをしている様子を見せる方法もあります。同じような月齢の赤ちゃんに刺激され、あっという間にはいはいをマスターするケースは珍しくありません。
はいはいで動き回る赤ちゃんへの環境対策
赤ちゃんがはいはいを始めると、行動範囲がさらに広がります。はいはいで動き回る赤ちゃんには、念入りな環境対策が必要です。
床の掃除と危険な場所のチェック
赤ちゃんがはいはいで動き始めたら、ほこり・ごみといったハウスダストを吸い込む可能性が高まります。ハウスダストは、鼻水・せきなどを引き起こす恐れがあるため、さらに床の掃除に力を入れて清潔をキープするのが大切です。
また、赤ちゃんが興味を持ちそうな危険な場所を確認し、触っても影響が少なく済むようガードする必要があります。
とくに注意したいのは、感電の危険性があるコンセント・コード類です。コンセントの穴に指を入れられないように、赤ちゃんの力では外せないキャップ・カバーをつけます。
階段がある家は柵を設置し、目を離した隙に赤ちゃんが上の階へと移動できないように注意しましょう。はいはいを始めた赤ちゃんが階段に興味を持ち、あっという間に上の階に移動するのはよくある話です。
参考:ハウスダストアレルギー|藤沢市の小児科・アレルギー科 湘南台あかちゃんこどもクリニック
子どもを事故から守る!事故防止ハンドブック_全体版|消費者庁
赤ちゃんが口に入れそうな小物類は収納
好奇心旺盛な赤ちゃんは、興味を持ったものを口に入れて確かめる特徴があります。トイレットペーパーの芯を通過するサイズの小物類は、赤ちゃんが口に入れて飲み込む危険性があります。
かさばりやすいボタン電池・小銭類などは、赤ちゃんの目に届かない場所へ移動させましょう。
上にきょうだいがいる場合は、ブロック・ビー玉・スーパーボールのような、小さなおもちゃの扱いにも注意が必要です。子どもの後片づけを徹底するのはもちろん、親の目でも細かいおもちゃが落ちていないかを確認するのが大切です。
つかまり立ちを想定した対策も忘れずに
はいはいをスタートした赤ちゃんには、つかまり立ちを踏まえた対策をします。はいはいするまでに時間のかかった赤ちゃんが、1カ月もしないうちにつかまり立ちを始めるケースは少なくありません。
とくに、ローテーブル・TVボードといった高さの低い家具類は、赤ちゃんがつかまり立ちをする際に、けがをしやすいので要注意です。角のある家具類は柔らかいクッションで覆い、赤ちゃんのけがを防止しましょう。
まとめ
赤ちゃんにとってのはいはいは、歩行までに見られる移動手段のひとつです。一般的に生後9~10カ月ごろに、はいはいが始まるとされていますが、成長スピードには個人差があります。はいはいしないままつたい歩きを始める赤ちゃんもおり、必ず通過する発達ではないといわれています。
はいはいを始めた赤ちゃんには、床の掃除・危険な場所のチェックといった環境対策が必要です。
とくに赤ちゃんの興味を引く、コンセント・コード類・階段などは、念入りにガードするのがおすすめです。つかまり立ちを想定した対策も取り入れて、赤ちゃんの歩行に向けた成長をサポートしましょう。