ぼったくりバーとは?支払いの必要性やカードで払った場合の対処法

3、ぼったくりバーの被害に遭わないための4つのポイント

上で解説したように、ぼったくりの法外な料金は、法律的にも支払う必要がない馬合が多いといえますが、「ぼったくり被害には遭わない」ということが理想であるのはいうまでもありません。

(1)信用できない人が勧める店には近づかない

以前であれば、客引き(キャッチ)にさえ気をつけていればぼったくりバー被害にあうリスクを高い確率で回避することができました。また、いまでは客引き行為それ自体が条例によって禁止されている地域も増えています。

とはいえ、客引き行為がなくなったからといって安心できるというわけではありません。上でも触れたように、客引き行為が禁止されている繁華街などでは、新手のキャッチ行為が拡がりつつあるといえるからです。むしろ、客引きであるかどうかを一目で判別できなくなったという点では、新手のキャッチ行為の方がぼったくり被害に遭いやすいと考えることもできるでしょう。

その意味では、その日に知り合ったばかりの人(その日限りの関係になる可能性のある人)が勧めるチェーン店ではない飲食店には近づかない方が安心といえます。

(2)注文の前に料金表をしっかり確認する

キャバクラやホストクラブのような接待を伴う飲食店や風俗店などでは、料金の事前明示が条例などによって義務づけられている地域が多いです。したがって、これらの飲食店などを利用する際には、事前に料金表をしっかりと確認することが大切です。

典型的なぼったくりバーであれば、料金表がわかりづらいところにある、法外な料金の部分だけ文字が小さいといった悪質な対応をしている場合が多いといえますので、「怪しい」と少しでも感じたときには、注文する前に退店した方がよいでしょう。

(3)法外な料金の支払いを明確に拒否する

会計時に事前に知らされていなかった法外な料金を請求されたときには、まずは料金の明細書の提示を要求しましょう。その上で「法外といえる代金については支払いを拒絶する」ということを明確に伝えるべきです。

支払いを拒絶した場合には、ぼったくりバーからは、警察に届け出る、裁判に訴えると言われる可能性がありますが、警察や裁判に訴え出たときに困るのは、むしろぼったくりバーの方といえます。客側の方が「警察を呼ばれたら困る」という態度を示してしまうことは、ぼったくりバー側を勢いづけることになるので逆効果です。 

また、この際のやりとりは、スマホなどを利用して録音しておくとよいでしょう。

(4)「代金を支払うまで帰さない」と言われた場合には即110番通報

ぼったくりバーの被害に遭ったときには、「代金を支払うまで店から出さない」というような脅しを受けたり、暴力をほのめかされることもあるでしょう。このような対応は、監禁、脅迫、恐喝といった犯罪行為に該当する可能性がありますので、ためわらずに110番通報すべきです。

4、ぼったくり料金を支払ってしまったときの対処方法

ぼったくり料金を請求された場合には、自分が納得できる金額だけを支払って、法外な料金については、支払いを拒否して店を立ち去るのが一番よい方法といえますが、実際には、「身の危険を感じた」ことなどを理由に、法外な料金の支払いに応じてしまうケースがないわけではありません。

このような場合には、すぐに正しい対応をとるようにしましょう。対応が遅くなるほど、被害を救済してもらえる(返金してもらえる)可能性も低くなるからです。

(1)警察に被害届を出す 

ぼったくり料金の支払いを強要された場合には、できるだけ早く警察(お店の所在地を管轄する警察署)に「被害届」を出しましょう。

(2)弁護士に相談する

被害額の返金を求める場合には、弁護士に依頼した方がよい場合が多いといえます。ぼったくりバーとの返金交渉は、専門知識やスキルのない被害者本人の交渉力では難しい場合の方が多いといえますし、刑事手続では、被害額の返金まで求めることは難しいからです。

とはいえ、弁護士に依頼をすれば費用(報酬)が発生しますので、被害額によっては「弁護士報酬の方が高くつく」というケースがないわけではありませんので、やはり、ぼったくり料金については「支払いを拒否する」という対応が大切といえます。

(3)クレジットカード会社に連絡する

ぼったくり料金をクレジットカードで支払ってしまったという場合には、クレジットカード会社に「支払い停止の抗弁」を申し立てることで、カード会社からの請求をストップできる場合があります。

支払い停止の抗弁とは、クレジットカードで決済した商品やサービス提供に欠陥があったり、契約それ自体に問題がある場合に、クレジットカード会社への支払いを停止できる仕組みで、下級審の裁判例には、ぼったくりバーでの支払いについて支払い停止の抗弁の利用を認めた(カード会社からのカード代金の請求を棄却した)ものがあります(下記リンク参照)。

支払い停止の抗弁に関するお手続きについて(日本クレジット協会ウェブサイト)
ぼったくりバーでの代金につきカード会社の請求を棄却した事案(公益社団法人全国消費生活相談員協会ウェブサイト)

関連記事: